登山者情報494号

【2000年08月13〜14日/石転ビ沢〜丸森尾根/吉田明弘調査】

コースタイム8/133:40新潟発=4:15豊栄発=6:05天狗平着6:35発−温身平経由−8:23梶川出合着8:28発−8:53門内沢出合着9:13発−(11:10〜11:58北股沢出合付近で昼食)−12:05草付の尾根取付き通過−13:00十文字鞍部着(幕営)8/145:45十文字鞍部発−6:05北股岳着6:35発−7:15門内岳通過−7:17門内小屋着7:38発−7:56扇の地紙通過−8:20地神山着8:33発−8:46地神北峰通過−9:57水場着10:07発−11:15天狗平着=飯豊山荘にて入浴、昼食=豊栄市丸山さん宅=16:00新潟着

今年の豊栄山岳会の夏山合宿は、8/13〜8/16の予定で行われた。ルートは石転び沢コースより入山、十文字鞍部より御西岳、大日岳を往復、その後連峰北部を縦走して大石口に下山という予定だ。参加メンバーなどの都合により14日から入るもの15、16日だけ参加するものと今年はその日ごとにメンバーが変わるという状態となった。私は本隊を送る役目で初日は本隊と同行して石転び沢コースを登り、2日めに本隊と別れて単独で北股岳から地神山まで縦走し丸森尾根ルートで下山という計画となった。

8/13
集合場所の豊栄中央公民館を出る頃はあたりはすっかり明るくなっていた。メンバー4人で小国町の天狗平にむかう。登山口の天狗平の駐車場はもう既に数台の余裕しかなく沢山の登山者が入っていることをうかがわせた。
共同装備を分担して出発、ぶな林の中の林道を進む。温身平でダイグラ尾根コースを分けて梅花皮沢沿いの道を進む。砂防ダムで林道は終わり砂防ダムの階段を登ったところより登山道となる。左手に沢の音を聞きながら快調なペースで進む。重荷が肩に食い込みはじめる。途中の小沢で小休止、水を補給した。梶川出合付近から所々雪の上を歩くが、ほぼ夏道を登っていった。3年前に同じルートを登っているが、夏道は所々付け替えられているようだ。
門内沢出合(石転ビノ出合)で雪渓の上に出た。私以外のメンバーは4本爪アイゼンを装着した。私はスパイク長靴で来ているのでそのまま歩いた。石転び沢を見上げると、まるで蟻のように大勢の登山者が登っているのが見えた。一旦対岸に渡って少し夏道を歩いた後、石転び沢雪渓の歩きが始まった。最初はおのおののペースで歩いていたが、半分ほど登ったところで濃いガスに覆われて、4人が一列縦隊で歩くことにした。
北股沢出合い付近で右岸により流れ込む沢に降りて昼食とした。昼食後、雪渓中央に戻り、登ってすぐのところで草付きの尾根先端に取付いた。黒滝は雪渓から顔を出していたが、付近は雪渓が割れていて非常に危険な状態になっていた。草付き(中ノ島)の尾根はなかなかの急登である。3年前はこの急坂をばてばてになって登ったが、今回は快調に登っていった。ガスのため直射日光にあたらず、涼しかったためだろう。稜線直下の広場は大きな雪田が残っており冷たい水が流れ出していた。ガスの中から突然小屋が現れて十文字鞍部に着いたことを知った。
鞍部は強い風がふいていた。幕営料はひとり500円だった。私たちが着いた時はテントは数張りだったが、夕方までにテント場は満杯になった。テント設営後、標高2000メートルの梅花皮岳に向かった。ミレニアムを記念して2000メートルジヤストの梅花皮岳で記念写真を撮ろうという考えだ。鞍部から梅花皮岳まではマツムシソウをはじめとする多くの花達が目を和ませてくれた。テント場まで戻る頃には強風は止んでいた。そして、夕方ガスが晴れて素晴らしい展望が広がった。我々は夕暮れ頃北股岳に登り、日本海を染める夕日を北股岳山頂で眺めた。

8/14
大日岳へむかう本隊を見送った後、北股岳へ向かった。天候は上々で大パノラマが広がっていた。飯豊連峰の各峰々、朝日連峰、月山、そして、我が越後の山々、御神楽岳、川内の山々、蒜場山、赤津山、二王子岳。そして、越後平野と米山、弥彦山、角田山。その向こうに日本海と日本海に浮かぶ佐渡ガ島、粟島。私は5度目の北股岳であるが、これまでは常にガスの中で、5度目にして初めて展望を見ることが出来た。至福のひとときだ。30分ほど展望を楽しんだ後、重い腰をあげ、縦走路を北上した。花は素晴らしかった。花の名前は詳しくないが、マツムシソウが盛りだった。
門内小屋で再び大休止、あまりの気持ちよさに山を下りたくない、しかし、明日から仕事だ下りなくてはならない。地神山と地神北峰の間はイイデリンドウが沢山咲いていた。小さく可憐な花だ。
地神北峰から丸森尾根を下山した。下るにつれ気温が上がって暑くなってきた。風もない。途中の水場は登山道からすぐのところだった。しっかり水を補給した。丸森尾根ルートは下山した場所の正面に飯豊山荘がある、車に戻らずにすぐに自動販売機でビールを買った。ビールは疲れと暑さをふっ飛ばしてくれる。飯豊山荘で入浴し昼食を食べ、車の中でゆっくり昼寝した後、帰途についた。飯豊の主脈に取付くのは一年ぶりだが、やっぱり飯豊は雄大で素晴らしい山なのである。

吉田 明弘 E-mail akyo@info-niigata.or.jp Home Page http://www.info-niigata.or.jp/~akyo/