登山者情報506号

20001014/湯ノ平〜オーインノ逆峰〜梅花皮小屋/井上邦彦調査】

昨日、鳥海山に初雪とのニュースを聞き、ズックを止めて軽登山靴とスパッツを準備し、04:48自宅を出発。06:43掛留沢の駐車場を出発。途中で追い抜いたパーティはツキヨダケを食べられる茸と思って採取していた。07:09北股川の吊り橋を急坂を渡り登り返す。キバナアキギリが咲いていた。07:28〜49 湯ノ平山荘着。トイレは3穴あり、水洗。ここで朝食を摂る。湯ノ平山荘から登り始めるとすぐに「蜂の巣あり、迂回路」の標識があった。580mから鉄梯子となる。08:05小雨が降ってきたのでザックカバーをつける。痩せた松と岩の混じった尾根を登り、730m 08:13 ブナ林の中に入る。左から伸びてくる尾根も見えてきた。ブナ林の中を斜上して770m 08:16 左側からきた北股川と合流する。以前騒ぎとなった刈り払い道は全く姿を消している。比較的緩いブナはやしを登り、08:21 820m 6,503歩 鳥居峰に到着する。ここには「鳥居峰」の標識が置かれ、右側に滝も見えた。ここから凸凹に登るオーインノ逆峰の全容が見える。正面の尾根がオーインノ逆峰のように感じるが、本物は左に大きく落ち込んでいる尾根である。いくつか緩い登りを下りを越えて、左斜面のトラバースになる。トラバースは部分的に細かい足場の部分があるので注意する。オオコメツツジの花を見かける。この辺りからぼちぼちと紅葉が始まる。ナナカマドの赤い実、橙色が混じったマルバマンサク、ムシカリも赤く色付いている。08:43 870m だらだらとした走れそうな緩い凹凸を越えて、何時の間にか最低鞍部も気付かずに過ぎてしまった。ようやく登りになる。08:48 オーインノ逆峰上部が見えてきた。うんざりする程に長い。1,000mピークここから又たんたら歩きになる。ここまではそれ程強くない登りである。08:56 紅葉は高度を上げるに従い少しずつ色を深めて行く。緩く下って、08:59 1,000m、尾根上と左側にテープが張られ、足元に「中峰・北股岳→」と標識がある。ここから船窪地形状の谷地に入る。深くえぐれた沢状の登山道を登ると、途中でテープ誘導により右手に進む。09:07 1,25m「湯ノ平温泉」の標識がある。09:13 1,070m 10,782歩 「滝見場」の標識があるが、肝心の滝は見えない。ますます紅葉の中に吸い込まれていく。ブナの黄葉が始まった。09:32 1,180m 11,851歩 右手から来た沢の源頭で、ここから尾根を右側に巻くように登る。
09:33〜38 1,220m 12,110歩 「寅清水」の標識、雨が降ってきたのでカッパを着る。09:47 1,270m 池の傍を通過。すぐ上で登山道に折られたばかりのミズナラの枝が落ちていた。ドングリの実がついていない。見上げると頭上には、人間が立ったまま登れそうな楢の木が被さっており、折られた枝を集めた「熊棚」が作られていた。熊がここで座り込んで枝を折ってどんぐりを食べ、その枝を尻の下に敷いたのだろう。1,320mから再び平らになるが、ブナの高木がなくなり、潅木となる。一面の紅葉に包まれて進んでいく。ダケカンバも混じり始める。
09:59 1,340m中峰を通過する。標識と標柱がある。標柱から右手の尾根を越えると水場である。下りの時は迷いやすいので注意が必要である。登りの時は、雨量計を目指して登る。10:09〜15 1,440m 腹が減って動けない、食事を摂る。その先はもう森林限界であり、背の高さの潅木しかない。10:32〜36 1,570m 再び食事。10:45 1,650m 右手に船窪地形、これから登りになる。しゃりばてでペースは落ちているが、ときおり青空が見えてきた。振り返ると下方はダケカンバを始めとして、油絵の具で描いたようなまだら模様の紅葉である。
11:00 1,760m 16,876歩 二岐を通過する。テープ誘導があるものの中途半端であり、登山道は斜上してくるので、この踏み跡を進むと洗濯平に行ってしまう。正面に「北股岳・梅花皮小屋」と書かれた標識があるので、これに従い直上しないとトラブルことになるので注意すること。私は状況調査のため、故意に洗濯平に向かう。
洗濯平は絨毯のようなイワイチョウの黄葉である。幕営の跡はまだ裸地のままである。草地は枯れているので、かろうじて昔の登山道跡が分かる。しかし笹原は元に戻って何処が道か分からなくなっている。記憶と勘を頼りに肩ほどもある笹原を登る。
11:25 稜線の登山道と合流し、11:28 18,600歩 梅花皮小屋に到着。小屋で、ラーメンを食べていると、偶然に調査のため山に入っていた公文さんに会う。彼から飯豊山から宝珠山までのコースタイムをもう少し長くしたらというアドバイスを受ける。
12:20 梅花皮小屋発。途中でガスの切れ間から石転ビ沢が見えた。まだ雪はかなり多い。12:41 2,000m 20,236歩北股岳山頂、ガスの中、ナナカマドの赤い実だけがやけに目立つ。13:04 1,770m二岐を通過する。1,470m辺りで高山帯を過ぎて紅葉が盛りな潅木に入っていく。13:40 1,360m 24,960歩 中峰。水場への道標は特になく、取り付きの部分はやや荒れている。標柱から沢沿いに下るが、「中峰」の標識から草原の中に微かな踏み跡が続いている。融雪水を取るためのものだろう。登山道は標識から左側に軽く登っている。とにかく、中峰付近が紅葉の盛りである。13:56 1,280mで池を通過する。かなり水が少なくなっている。14:00 1,240m若干ワイ化したブナの木が道脇に出てくる。
14:01〜07 1,230m「寅清水」でカッパを脱ぐ。清水に下る途中に傾斜のある幕営ポイント(斜め、中峰のほうがお勧め)がある。水量はポタポタ程度。14:28 「滝見場」、グラグラする石の上からようやく滝が見えた。登山道は湿った赤土でとろとろしており、足を取られて右足首を思いっきり捻る。「痛い!」と叫んでしまったが、何とか歩くのには支障がないようである。疲れてくると注意力が散漫になり、適当に足を置いたり、踵で歩いたりするので注意が必要である。14:33 1,030m「湯ノ平温泉」の標識を通過。湿地の側を抜けて、深く掘れた沢状の道に入る。慎重よりも深く掘れている。14:40〜45 1,000m「中峰・北股岳」と標識のある鞍部を過ぎ、15:17トラバースを開始する。
15:31 820m 32,505歩「鳥居峰」を通過する。下から来ると、登りきって一番始めの所である。下りの時は一番最後の目立たないピークなので騙されやすい。770m鎖が出始める。登山道の脇を覗くと、真下に飯豊川が白く飛沫jを上げて流れている。もし潅木がなければこのまま懸垂下降で降りていきたいくらいの傾斜である。最後に二つの鉄梯子を降りると、急な坂は終わる。16:52〜58 470m 34,332歩 湯ノ平山荘着。16:19北股川を渡る。ザックの奥に収納したヘッドランプを使いたくないので先を急ぐが、16:36〜41どうしてもお腹がすいてお握りを頬張る。16:52 400m34,332歩 暗くなる直前に掛留沢駐車場に到着した。

湯ノ平山荘 湯ノ平温泉
鳥居峰山頂からオーインノ逆峰を仰ぐ
鳥居峰(右端)を振り返る 標高1,000mテープ誘導
滝見場から見た不動滝
寅清水
ミズナラの樹上に作られた熊棚
中峰の紅葉
間違わないように注意!
洗濯平と梅花皮岳・烏帽子岳 洗濯平の紅葉
ナナカマドと北股岳山頂 石転ビ沢を覗く