登山者情報565号

【2001年8月04日/祝瓶山荘〜直登コース〜祝瓶山〜赤鼻〜祝瓶山荘/井上邦彦調査】

天気予報があまり良くないので、長井市から祝瓶山を登ってみることとし、前夜の飲み会を一次会だけで抜け出した。05:43自宅を出発し途中のコンビニで食料を調達する。コンビニで偶然、日暮れ沢から竜門岳に入ると言う杉原さん達と会う。飯豊町役場のすぐ前をとおり、長井市に入ってすぐの県道252号線(木地山久野本線)を北上する。途中、長井ダム建設工事にのため工事車両が多い。分岐から5kmまでは素晴らしい道路であるが、その先はいきなり細い1車線となる。車道は狭く緊張を強いられる。さらに4kmで合致沢に架かる橋を渡り左岸に移った1km先に「三体山登山口」の標識があった。うっかり車を降りたらメジロアブが車の中に入ってしまった。このような時は思い切って窓を開けたまま車を走らせるのが一番である。橋から6km先の木地山ダムの上を渡り野川の左岸に移るが、と、道路は砂利道になる。ダムから7kmで、07:22祝瓶山荘に到着する。建物が4棟もある。駐車場は結構広く15台は止められるだろう。電話ボックスを利用した登山者カード記入ボックスが設置されていた。アブが嫌なので車の中で支度をし、外に出ると以外にもアブは殆ど居ない。
高度計570m・spo2と脈拍は(97・77)、07:40歩き始める。エアリアマップには「祝瓶山荘の先のカクナラ端まで車道が伸びている・・・28頁」と記載されているが、山荘から2分歩いた所から先は車道が水で抉られるなどして、とても車が通れる状態ではない。山荘の駐車場に車を止めて、そこから歩くのが良い。道の両側は杉林であり、エゾアジサイ・ノリウツギ・ホツツジが咲いている。カクナラ橋の袂で私より早く歩き始めたパーティが止まっていた。子供が川原に落ちたのことで、ロープを使って引き上げている最中であった。怪我のないことを確認して、橋を渡る。若いブナとナラに杉の混じった河岸段丘を進み、標識に従って左折し左岸沿いに進むが、08:01何となく別なコースを歩いているような気がして一旦標識まで戻り、25,000図と磁石で間違いのないことを確認して08:09元のところに戻る。標識には「最上川本流・大朝日岳」の分岐であることを示しているが、エアリアマップには最上川本流の道は記載されておらず、そこまで読めない。標識から尾根の末端をへつって小沢を越えるとホオノキ・サワグルミ・ブナ・ナラの鬱蒼とした河岸段丘となる。やがて右手に葦と水芭蕉の湿原を見て、尾根の末端を通りクワスミ沢に出る。ここは上流からまるでバリカンで刈り取ったようにブナ林がなぎ倒され、一面藪に覆い尽くされている。クワスミ沢を過ぎた所に、分岐の標識がある。この分岐の位置はエアリアマップ・25,000図ともに誤っているので注意をすること。08:23分岐の標識を過ぎ、本流にでて数m上流を飛び石伝いに渡るが、増水時は渡れなくなると思われる。渡り終えるとブナ林の中に幕営跡があり、メジロアブが襲ってきた。全行程を通じてメジロアブに襲われたのはここだけである。標高650m気温25度蒸し暑い。平坦な登山道を進み08:30と08:32の2箇所で小沢を渡り、ようやく尾根に取り付く。この付近の地形図は樹林帯で航空測量が困難なため誤っているものと思われる。ブナ林の尾根にジグザクに登山道が作られており、物足りない登りである。右手に岸壁が見えるがガスでよく確認できない。08:43左手が開けてきて、08:47ブナが歪化してすぐに森林限界を抜け出す。次第に尾根上の急坂になっていく。ついついズック靴の爪先だけで登ってしまうので、ペースを抑えながら登る。歩きながら計測してみるとspo2と脈拍は(94・165)に達している。オオコメツツジが咲いている。静岡から来たと言うパーティを追い越し、蒸し暑さに呼吸が乱れてきたので09:05〜23、標高1,040m気温26度、やや見晴らしの良い所で食事を摂るが、休む直前のspo2と脈拍は(95・164)であった。休憩後のspo2と脈拍は(97・106)に回復していた。歩き始めて09:36右手の岸壁が次第に迫ってくる。ミヤマママコナ・ノリウツギが咲き、岸壁にはニッコウキスゲモ見えた。登山道は更に急になり、岩場となる。09:43から上は赤ペンキでルートが示されている。spo2と脈拍は(93・165)、両手で岩を掴んで登る。頭上に覆い被さるような突起が出てくる。登山道はスラブ状となる。ミヤマアキノキリンソウ・ヨツバシオガマ・キンコウカが咲いている。09:48左に大きくトラバースをする。赤ペンキがないとルート選定はかなり神経を使うだろう。また下山の時は使用しないほうが良いだろう。09:52鎖とロープが設置されていた。鎖の嫌いな私は3点支持で登る。下山時はかなり大変だろうなと思う。09:53〜10:14祝瓶山々頂に到着する。高度計は1,400m、実際は1,417mなので17mの誤差となる。登頂瞬間のspo2と脈拍は(93・167)、気温21度、視界は効かない。梅花皮小屋のOTJと交信する。梅花皮小屋は霧雨とのことである。缶ビールを飲み、記念撮影をする。出発前にODDと交信する。spo2と脈拍は(92・97)に変化していた。
下山を開始すると、ハクサンオミナエシが登山道脇の岩場に咲き印象的であった。オトギリソウ・ノリウツギ(盛)・ホツツジ・ミヤマアキノキリンソウも咲いている。10:21分岐の標識を通過する。これから進む方向には「→至カクナラ・大朝日岳」と記入されていたが、「カクナラ」は誤解を生むので不要のように思える。登山道はきちんと道刈りされていた。暫く下って山頂を撮影する時、カメラの操作を誤って今日撮影した全てを削除してしまった。覆水盆に帰らずである。ママコナ・ホツツジが咲いている。1,080mから歪化したブナとサラサドウダンが出てきた。今朝、橋の袂で転落したパーティが全員元気で登ってきた。鞍部が近くなるとブナが大きくなってきた。11:01赤鼻の分岐に到着する。標識が2本立っており、1パーティが木陰で食事をしていた。水場の確認のため大玉山方向に進むが、この先は道刈りがまだされていない。1,080m(実際は1,097m)の小ピークを超えた鞍部で、11:07〜20水場の標識に到着。「15分」という恐ろしい数字を誰かが刻み付けていた。分岐の標高は1,060m、ここから西側に踏み跡を下るが、道は荒れており、さらに沢を下るので足場が悪い。それでも2分55秒程で清水が懇々と湧いている所まで下った。標高1,000mだから標高差60mである。両手で柴を掴みながら5分で分岐まで戻る。標識の近くには1張り分のスペースがあった。11:26〜28赤鼻の分岐で写真をとって貰う。後は快適にブナの尾根を下るが、930m(実際は950m)と890m(実際は910)に鎖が設置されていた。リズム良く下っている時のspo2と脈拍は(98・120)である。尾根上からは祝瓶山の形良い姿が見えている。740m(実際は750m)の平坦な瘠せ尾根を過ぎると、若いブナ林になる。11:51、690mから広いブナ林になる。11:54飛び石伝いにアカハナ沢を渡り本流の左岸沿いに進む。11:56〜12:02食事を摂る。12:12今朝の標識を通過し、クワスミ沢を渡り、涼しい林を快適に歩き、12:32最上川本流分岐の標識を通過し、12:41橋を渡り、12:48祝瓶山荘の駐車場に到着した。

三体山登山口の標識 祝瓶山荘
祝瓶山荘の駐車場 車道の終点(橋の袂)
カクナラ橋 祝瓶山が見えた
最上川(野川)本流への道との分岐 途中に湿地があった
次第に祝瓶山が近づいてきた クワスミ沢の雪崩跡
直登コースと赤鼻経由の分岐 祝瓶山々頂より下り始め
赤鼻の分岐 赤鼻の分岐にて
水場分岐の標識 清水が湧いていた
直登コースと祝瓶山 鈴振り尾根、正面は主稜線
直登コース上部を見る アカハナ沢の渡渉点