登山者情報574号

【2001年08月25日/大石〜大熊尾根〜杁差岳〜権内尾根〜大石/井上邦彦】

歩き始める前のspo2脈拍数は(99/67)、準備をして05:27大石ダムの駐車場を出発する。車両進入禁止となっているダムの上を渡ると、トンネルに大蛇の頭が顔を覗かせている。これは関川村で大蛇祭りの時に使用されるものである。トンネルに入りすぐ左のスイッチを入れると10分間電灯が点灯する。藁で出来た大蛇を見上げながらトンネルを通過し舗装路を歩くと、正面遠くに杁差岳が見えた。オトコエシ・ツキミソウ・キンミズヒキが咲いていた。虻が若干出てきたのでハッカ油を塗る。
05:52滝倉橋の袂で登山者カードを記入する。沢沿いに遡る山菜道は閉鎖されていた。橋を渡ると登山道になる。05:58黒手沢の鉄橋を渡る。かつての丸太橋が残っていた。ダムの水が少ないので高度感が出る。リョウブが咲いている。足場が不確かなので転落に注意したい。06:13雪崩で磨かれた岩場に作られた登山道を行く、カジカネである。06:15「水掛沢」と書かれた菱形標識のある沢を過ぎ、林の中を行く。06:18上ミズカケ沢を過ぎると、パイプやコンクリートの護岸で補強された狭い登山道となり、沢が近くなってくる。岩場を斜めに登り、06:28尾根の突端になるといよいよイヅグチ沢に向かう、spo2脈拍数は(96/136) 7,715歩、正面に前杁差岳と眼下に雨量観測所が見える。岩場に強引に作られた登山道を進み、07:34イヅグチ沢を渡り、06:37イヅグチ沢右岸尾根突端に登りきる、ここからは下って、06:40からブナ林となり、左下に幕営跡地が見える。06:42杉林となる、よくこんな所にまで植林をしたものと感心する。06:44から再びブナ林となり、06:50ウジ沢
を通過する。素晴らしいブナ林となり、ホツツジが咲いている。07:04スノ沢は右岸に鎖がある。07:09本日の山行のメイン、十貫平である。やはり飯豊随一のブナ林である。トビタケが登山道にまで飛び出して一面広がっているが、残念ながら腐っている。07:14タキプ沢は渡渉してから10m程上流に道を登る。07:17ブナ林が終わり、足場が狭くなり沢が近づく。07:27河口の曲がったセガイ沢を通過する。やたら蜘蛛の巣が多く閉口する。足場が悪く、少々疲れ始めたが休憩に適した場所がない。07:55本流に架かる丸太2本の吊橋を両側のワイヤーを掴んで渡り、河岸段丘まで登った所に、07:58〜08:29大熊小屋がある。spo2脈拍数は(96/126)17,664歩標高440m。すぐ脇に冷たくて美味しい水場があり、小屋の内部も清潔である。内部の箱に「宿泊される方は200円の喜捨をお願いします」と書かれていた。今日始めて食事を取る。
小屋を出発すると、ブナとトチの巨樹の森に入る。08:40丸太2本の橋を片側のワイヤーを掴んで渡り、河岸段丘に上がる。08:45河岸段丘から西側に巻くように斜めに登る。全体的に大熊尾根は緩傾斜を意識した飯豊には珍しい登山道である。緩い登りなのだが、体調がすぐれないのは前日のアルコールが効いているのだろう。08:55ゴヨウマツが出てくる、さらに緩い登りが続く09:07写真、前杁差岳から一ノ峰にかけて、大熊沢の最上流部が見える。09:08登山道はジグザクグ道となる。道刈りはしっかりとされている。時折小さなピークを越える。緩い登りなので自然と歩幅が広くなる。09:23二王子岳が見える。09:26〜09:42一杯清水で休憩とし食事を取る。標識はなく、登山道の右手にテント1張分のスペースがあり、左手に湿地がある。この湿地が水場で、水量はコップ1杯がやっと程度にじみ出ている清水なのでこの名がある。到着直後のspo2脈拍数は(94/154)で休憩後は(95/94)であった。高度計は936m2,268歩気温24度、携帯電話は3本立つが通じない。
緩い登りに平坦部もあり、本当にこれで飯豊なのかという気になる09:57枝が折れて登山道にかかっているが、鋸持ってこなかったのでそのまま通過する。10:18一ノ峰と鉾立峰が見える。10:21小ピーク(1,270m)に出ると、正面に一ノ峰が立ちはだかる。先の鞍部にブナが見えるが、そこが森林限界になる。僅かに下り、10:24鞍部が草地となっている。ほんの僅か登った所に、10:25「カリヤス平」と書かれた菱形の標識がある。更に僅かに下り、ようやく一ノ峰の登りとなる。ジグザグ道なのでペース配分が狂い少々疲れる。10:34振り返ると海や胎内川と荒川が見える。微かに風が出てきた。左斜面は岩場となっている。10:47一ノ峰を通過する、左斜面はハングしている。この先にもうひとつピークがある。10:49〜58休憩し食欲がないのでウィダーINを飲む。エゾオヤマリンドウが盛りである。二ノ峰を越えて、11:06新六ノ池に着く、池のほとりに標柱が立っている。ここから登りのペースをローギヤに切り替える。
11:18分岐の標柱に到着、11:19〜40杁差小屋。29,262歩、標高1,635m。標識に従って踏み跡を水場に下る。下り3分42秒、標高差65m、登り6分4秒。踏み跡の末端に水溜りがあり、微かに湧いており流れていた。付近にはトリカブト(盛)・タマネマツムシソウ(末)・タカネナデシコ(末)・タカネツリガネニンジン(末)・コゴメグサ(盛)。ミヤマアキノキリンソウ・ハクサンフウロウ(盛)・ウメバチソウ・シラネニンジン・トモエシオガマ・タカネサギソウ・ヤマハハコが咲いている。水の入れたコッフェルを持って山頂に向かう。11:43〜12:23杁差岳山頂着、30,967歩、標高1,636m。本日出会った唯一の登山者とともにのんびりする。ラーメンを煮て、缶ビールを飲む。携帯電話は3本立っているが通じない。
12:30長者平の標柱を通過する。湿原にはイワショウブが咲いていた。ここで下りに備え、ズックの紐を締める。道刈りは丁寧にされている。ノリウツギが咲いている。12:46山頂より若干下った所に「前杁差岳」標柱が立っている。程なく潅木が出てくる。膝バンドをして急降下に備える。一気に下るので気圧で耳がおかしくなる。リョウブ(盛)が咲いている。1,200mよりブナ林となり、13:16「千本峰」標識、36,743歩。登山道から若干外れた所に雨量観測所がある。下り始めの登山道は左の砂礫地から尾根伝いに変更されていた。下る途中のspo2脈拍数は(96/113)。13:28小ピークを通過し、13:36次のピークで「権内ノ峰、1,001m」標識を通過する。13:42標高975mロープが設置されているがさほどではない、気温29度。下る途中のspo2脈拍数は(96/113)。13:51小ピーク通過する。立派なブナ林となり、13:58標識「カモス頭」から下り始める。なお、頭と書いて「カッチ」と呼ぶ。14:02ブナの木に「水」の刻みがあり、近くに小さな水場の標識があるが、ここの水場は遠い上に当てにならない。14:04〜14:23すぐ先の松のある小ピークで休憩、気温は29℃だが、曇りになると27.5℃まで下がった。ここで始めて携帯電話が通じた。14:33(標高630m)2箇所にロープが設置されていた。14:45(同450m)尾根から外れて右の斜面を下り、14:49、44,701歩で鉄橋に到着する。左岸に移り、カケスが飛び交うブナ林の中、斜登する。ヘツリは岩が焼け付いており暑い。途中にはロープが設置されていた。14:58菱形の標識「三吉ノ峰」がある所で尾根上に出る。ここで膝バンドを外す、風が心地よい。15:09〜15:17、46,888歩、鉄橋を渡り林道に到着する。虻が少ないことを幸いに、川原で頭から水を浴びて身体を拭く。虻を2匹潰してハッカ油を体のあちこちに振り掛ける、ハッカ油でひりひりする。
林道を歩きながら計測すると、spo2脈拍数は(95/101)である。虻がぶつかって来るが、身体には止まらず、食いついてこない。15:43、50,067歩、水量観測所に菱形の標識「鉱山跡」があった。15:54、51,331歩、東俣大橋で右岸に移る。途中のspo2脈拍数は(98/95)である。16:02もう一度ハッカ油を塗る。16:10、53,126歩、ゲートに到着、登山者カードに下山の旨を記入する。カード記載箱に「http://fps01.plala.or.jp/~FYE」というアドレスが記入されていた。ゲートは大石東俣彫刻公園に設置されており、ここにはトイレや東屋も整備されており、ここから舗装道路になる。16:28、54,867歩、東俣植物園を通過する。舗装路のspo2脈拍数は(96/94)であった。16:48、57,191歩、大石ダムの駐車場に到着する。

注意:所要時間は救助隊員のペースです。コースタイムは、エアリアマップ飯豊山2001年版をご使用下さい。ちなみに今回の所要時間とコースタイムの関係は次の通りです。(所要時間÷コースタイム=比率)、所要時間は休憩時間を除いています。
大石ダム→(151分÷380分=40%)→大熊小屋→(144分÷320分=45%)→主稜分岐→(56分÷100分=56%)→千本峰→(95分÷230分=41%)→林道終点→(91分÷160分=57%)→大石ダム

イズグチ沢手前尾根突端より杁差岳 イズグチ沢への道
十貫平のブナ林 西俣川の丸太橋
大熊小屋 大熊小屋の水場
大熊沢の丸太橋 大熊沢源頭部を仰ぐ
一杯清水 一ノ峰が立ちはだかる
一ノ峰から二ノ峰と杁差岳 エゾオヤマリンドウ
新六ノ池 主稜に出る、背景は杁差岳山頂
杁差小屋 小屋の後ろにある標識
水場まで下る トリカブトと鉾立峰
タカネサギソウ コゴメグサ
杁差岳山頂にて 頼母木山方面は雲の中
杁差岳より長者平と前杁差岳
長者平にて
長者平から前杁差岳(左端) 前杁差岳から杁差岳
前杁差岳から大熊尾根
前杁差岳の標柱 千本峰の標識
千本峰の気象観測所 権内尾根の標識
大境峰と枯松峰
カモス頭の標識 ブナに刻まれた「水」の文字
東俣第二橋 三吉ノ峰の標識
ブナ林を抜ける 東俣第一橋で林道に出る
東俣彫刻公園のゲート