登山者情報579号

【2001年09月08日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】

今回はEAGと二人連れである。私の荷重は14.8kg、殆ど重さは感じない。05:40天狗平を出発する。歩き出してまもなくEAGが足の異常を訴えたので、靴擦れを起こさないよう早めにキズバンを貼る。砂防ダムの斜面に貼り付けた土嚢の中から草が芽生え始めていた。06:46〜50ウマイ水で休憩。ヌスビトハギ・ゴマナ・オトギリソウ・キバナアキギリ・クロバナヒキオコシ・ミツバヒヨドリ・オオイタドリ・シシウド・アキノキリンソウ・ミヤマセンキュウ・カメバヒキオコシ・カリガネソウ・ジャコウソウ・サラシナショウマ・エゾアジサイ(末)・キンミズヒキ・オクトリカブト等が咲いている。07:24梶川出合を通過する。雪は全くなく、巻き道は草が伸びて分かりにくくなっている。
07:54石転ビノ出合(門内沢出合)に到着する。雪渓は門内沢から梅花皮沢に伸びており、石転ビ沢にはない。合流点から下流の雪渓はズタズタに崩壊している。踏み跡を辿って門内沢に入り雪渓を渡って幸七ノ尾根の末端に下りるが、付近は氷化したり薄くなっているので要注意である。そのまま石転ビ沢の左岸に入って若干進み、飛び石伝いに石転ビ沢を渡り右岸の夏道に取り付く。クガイソウが咲いている。夏道は草が伸びて歩きにくいので、持参した鋸で荒っぽく道刈りをしながら登り、雪渓に取り付く。雪渓は氷化し薄くなっている所が多く、特に左岸側は崩壊が著しいのでルート選択に神経を使う。適当な所で川原に下りるが、薄い所が多く、降りるポイントの選定が難しい。よく探すと左岸の一部に微かな踏み跡があるものの、殆ど道はなく、歩きやすい部分を選んで進み、08:29右岸からの枝沢を過ぎた所で再び雪渓に上がる。スプーンカットを利用して進むが、かなり硬くなっているので、08:37〜42、EAGはアイゼンを着用する。気温は14℃、右岸に枝沢がある地点で雪渓に大きな亀裂が入っていた。その上は右岸沿いが薄くなっている感じがする。09:01ホン石転ビ沢には雪がなく、付近は薄くなっている。さらに対岸の小沢付近も深く掘れており、ルートの選定に戸惑う。ホン石転ビ沢を過ぎると一段と傾斜が増してくる。行動中のSPO2と脈拍数を計ると、HZUは(93/140)、EAGは(96/165)であった。
09:37〜50北股沢出合の清水で休憩する。ガスの動きが神秘的である。北股沢には既に雪渓はない。ここからは慎重にガレ場をとおり、黒滝を右から夏道で巻く。アラシグサ・イワアカバナが咲いている。黒滝を過ぎてからは左岸の夏道を進み、右手から入ってくる小沢から尾根に取り付く。この尾根は草付キ(中ノ島)と異なり直登が多いので高度を稼ぎやすい。三角岩(仮称)を過ぎた所で小沢を横切り草付キ(中ノ島)に移る。ヤマハハコ・オヤマリンドウ・ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマセンキュウ・オタカラコウ・オニシモツケが咲いている。EAGのSPO2/脈拍数は(98-186)達している。付近は一面モミジカラマツの白い花が埋め尽くしている。10:40〜11:52ようやく梅花皮小屋に到着する。到着時のEAGのSPO2/脈拍数は(91-165)であった。管理棟でラーメンを煮て缶ビールを飲む。気温は19℃であった。
梅花皮小屋を出発すると、イワインチン(盛)・ミヤマトリカブト(ハクサントリカブト/盛)・ミヤマアキノキリンソウ・ハクサンフウロ・タカネマツムシソウ(末)・ウメバチソウ(盛)・コゴメグサ・キオンが咲いていた。12:16〜26北股岳山頂で休憩。色づき始めたギルダ原で本日の梅花皮小屋管理人の前田君とすれ違う。13:08〜13門内岳山頂。門内小屋の便所は相変わらず鍵が掛かっていた。13:33〜36扇ノ地紙で休憩。草原を楽しみながら進み、14:05〜16梶川峰で休憩。五郎清水で軽く休み、15:11滝見場を通過する。ホツツジ・ミヤマママコナ・アキノキリンソウ・ホツツジ・ツリガネソウが咲いている。15:35〜54湯沢峰で最後の休憩をする。なお、以前に湯沢峰と標識を設置していたのは、飯豊温泉の源泉から登ってくる廃道との合流点であったが、標識が駄目になったので、新たに最も標高が高く見晴らしに優れ休憩に良く使われる1,021m峰に湯沢峰の標柱を設置したものである。16:25楢ノ曲リ(仮称)を過ぎ、16:50に天狗平に到着した。

通称「婆捲レ」を行く 梶川出合
石転ビノ出合(門内沢出合)
安定した雪渓に入る ひたすら雪渓を登る
ホン石転ビ沢を過ぎると傾斜が増してくる
石転ビノ出合を振り返る スプーンカットを利用して登る
北股沢出合(左ガスの中が黒滝、正面が清水、右手が北股沢)
ガスが切れて羊岩が姿を現した 雪渓が終わるとガレ場歩きになる
黒滝は右手から越える 小沢に囲まれた所が草付キ(中ノ島)である
ダケカンバが枯れていた 左岸よりのコースを選んで登る
小沢の左手踏み跡が今回のルート いよいよ最後の登りに取り掛かる
草付キノ台地に出ると梅花皮小屋が見えた 治二水場から梅花皮小屋と北股岳
治二清水は勢い良く出ていた 梅花皮小屋を出発する
北股岳山頂からの展望(左から飯豊山・梅花皮岳・烏帽子岳・天狗岳・大日岳と西大日尾根)
北股岳山頂にて ギルダ原〜扇ノ地紙に連なる主稜
北股岳を背景にギルダ原を行く
ギルダ原の草紅葉 門内岳から門内小屋
ようやく扇ノ地紙に到着 扇ノ地紙から梶川尾根
扇ノ地紙から地神山と丸森尾根
梶川尾根の草紅葉 梶川峰から石転ビ沢上部
三本カンバから下る 滝見場から石転ビ沢
湯沢峰の標識を1,020m峰に設置しました 飯豊山荘が見えても急下降は続く
岩場を下れば天狗平はもうすぐです

花の頁