登山者情報581号

【2001年09月15日/大日杉〜五段山〜御沢〜切合〜地蔵岳〜大日杉/井上邦彦調査】

注意:下記の行動時間はコースタイムではありません。

当初はオーインノ逆峰を計画していたが、前夜、杉原八百樹氏に聞くと、湯ノ平は、まだ通行できないとのことなので、急遽予定を変更した。
荷重は11.0kg、大日杉で登山者カードを記入するが、入山カードと下山カードを混同しやすいので注意したい。06:30大日杉小屋発(612m)。小屋の正面の車道をとおり、程なく左手の標識に従って白川に下る。急な足場を良く見て下ると、Vの字型の吊橋が架かっている。足場板が1枚、両手でワイヤーをつかんで渡る。橋に乗る時と降りる時に頭を注意すること。橋を渡り、ロープを伝ってひと登りで杉林に入り、白川の左岸を遡る。杉林から2m下ると、昔の作業道に出る。カメバヒキオコシが咲いていた。道脇に標識があり清水が出ている、量は豊富だ。過ぎてすぐ、標識に従い左手の登山道に入る。ここからいよいよ本格的な登りとなる。杉林の急坂を登ると雑木林になり、左の尾根に出る。付近は雑木林であるが、所々にブナやナラの大木が混じる。ホツツジが咲いていた。路面が湿っているため、爪先だけで登る(ズック靴を使用)と滑るので、若干ペースを落とし、足裏全体で登る。それにしても蒸し暑い。シャツを脱いで長ズボンにランニングシャツのいでたちとなる。蜘蛛の糸が登山道を塞いでいるので、ストックで払いながら登る。「どんぐりの雨・ウスリータイガの自然を守る」の中に「精巧なレースを編むクモ」という表現を思い出す。07:05緩傾斜になったのでギヤを一段上げる。ブナとナラの尾根を歩いて、
07:17ギヤを一段下げる。07:25コブ山(1,112m)通過。標識もなく、ブナ林の中である。07:40右側から尾根の岩を巻く。ロープが張られその後は直登。07:44天井ブナの標識、VQO・GZKと無線が通じる。07:46(1,270m)道はトラバースする。右手斜面をへつるような緩い傾斜である。07:49左手に踏み跡があるが、無視して真っ直ぐの広い道を行く。ツキヨダケが朽ち始めている。僅かに下り、平坦な道を行き、若干登ると尾根に出る。道は左右に分かれているので、左の道を行く。07:52〜08:05五段山分岐(1,312m)。携帯電話(以下cdmaOne)は可能。VQO・GZKと無線が通じる。握り飯を頬張る。
菱形標識「一枚池」を見て、下り始める。下った鞍部(1,260m)に「水、下り3分、上り5分」と書いた小さな標識が木の枝に下がっていた。右に下るのだが、今回はパス。道は広くよく手入れされているが、所々湿地がある。08:16窪地の中の登山道を進む。08:17再び尾根上、ブナは歪化した疎林で、殆どは潅木である。単子葉の草本が出てきて、周りの潅木が一気に低くなり、傾斜が緩くなる。08:23高層湿原の面影が出てくる。イワショウブが咲いている。また潅木の中に入る。殆ど平坦だが緩く登っているような感じ。ダケカンバが出てくる。08:26また高層湿原的な部分。この辺一帯、何処が山頂か分からない。所々に高層湿原が出てくる。08:27湿原に菱形の標識、文字は消えている。牛ケ岩山であろう。この少し先にまだ高いピークがある。08:29登山道の右側に菱形の標識「五枚山」が置かれていた。下り始めると、登山道の両側に小さな高層湿原が現われ、ダケカンバの中を下り始める。高層湿原が点在し、リョウブ・ノリウツギも咲いているが共に末。何処となく、ムシカリやナナカマドが色づいてきている。08:37高層湿原を通過。登山道はあくまで丁寧に刈り払いされている。
08:39右手に小さな池、標識なし、オ豊(トヨ)ノ池だろうか。08:40小ピーク通過、標識は何もない。多少登りの平坦な所でSPO2/脈拍数は(95/133)。08:45登山道の右手、土の上に置かれている菱形の標識「御前山」を通過する。ブナ林が出て登りになり、08:57平らになってすぐ右手に池があり、池のほとりにお地蔵様がある。08:58分岐の広場に到着、窪地になっており「血ノ池」と書かれた標柱もある。
以前はここで沢山の人が休んでいたのだが、最近は巻き道を使うので、草が戻ってきている。下り方向を見て、左側の笹薮に血ノ池があり、ノリウツギは覆っている。これから地蔵小屋跡に向かってみるが、道刈りは殆どされていない。ミヤマセンキュウが咲いている。下り始めてすぐに、「地蔵小屋跡」の標柱があり、すぐ先の右手にトタン板が重ねられており、昔の組み立て式小屋が偲ばれる。左側に踏み跡があるが、水場への道であったろうか。ヨツバヒヨドリが咲いている。道はかなり荒れている。ここまでの道は殆ど道刈りがされていない。かなり深く掘れており、まるで沢を下っているような感じである。
09:11標柱「地蔵水場道」。新道に出ると、がらりと見違える。アキノキリンソウが咲いている。いきなり道は平坦となる。ブナの疎林の平坦な下りが続く。09:19分岐「小白布沢は車両通行止め」の看板がある。小白布道もしっかりと刈り払いがされているようだ。ほんの僅か進むと、積み重ねられたトタン板と広場が見えてくる。「横峰」の標柱がある。「横峰水場」と書かれた菱形標識が転がっていたが、今は水場に行く踏み跡も分からなくなっている。ここから下は細い道になっている
道があまりに深く掘れているので、巻き道になっている所もある。09:29標柱「笹平」を通過する。付近は立派なブナ林になっていく。09:39標柱「上十五里」、ちょうど門のようになっていた大杉の片方は倒れている。結構広い広場になっている。
09:47標柱「中十五里」、広い広場があり、下から見て右端に菱形の白い標識に青い字で水と書かれてある。左側の杉は折れているが、もう片方は立派な杉が目印になっている。09:54標柱「下十五里」、さほど広くない広場がある。杉木立に囲まれている。長坂になってから、結構登山客とすれ違う。
10:08〜21御沢、握り飯を頬張る気温は22℃。登山道と遊歩道を間違えないようにしっかりとした標識が付けられていた。
手を握り合っている道祖神が印象的である。飯豊山表参道川入口」と書かれた石碑があり、周囲の杉は、この辺りではお目にかかれない程の巨木である。
石碑の間から登り始める。10:26右側の掘れた道ではなく、左側の素敵なブナ林の中の登り道を選ぶ。SPO2/脈拍数は(295/161)。10:45標柱「下十五里」、SPO2/脈拍数は(96/162)。結構順調な登りもあるが、所々緩い所もあり一息つきながら、上れるという感じである。10:55〜11:02標柱「中十五里」で水場を確認、下り12秒、上り70秒、水量はちょろちょろである。11:15標柱「上十五里」を通過、SPO2/脈拍数は(93/162)で少々疲れてくる。11:38〜40休憩。洋ナシを食べる。VQOと無線が通じる。11:44標柱「笹平」通過し、11:53横峰小屋跡、11:54小白布道分岐、12:03水場分岐(地蔵)を通過する。左側を直登しまもなく左にトラバースを始めると、剣ケ峰を上っている登山者が見える。12:10〜13水場(峰秀水)、昔と違って、登山道を横切るような形になっている。冷たくて水量も多く、非常に優秀な清水である。すぐ先で、振動開拓期からの道と合流した。ダケカンバが出てくる。12:21分岐に出る。地蔵への道刈りも完了している。6m下に分岐の標柱がある。12:44標高1,530mに標柱「剣ケ峰」が立っている。12:51岩に白ペンキで「水」1,570m、下り67分、上り98分標高差30m、水量充分であった。エーデルワイスのハシワダ氏一行と会う。13:02〜15三国小屋、峡彩山岳会の小山・本望氏一行と会い、ついつい話し込んでしまう。オヤマリンドウ・センジュガンピ・コゴメグサ・アカモノ・ゴマナ・オトギリソウ・ミヤマアキノキリンソウが咲いている。駒返しでは登りきった直後の脈拍数が161の女性がいた。やはり、161付近がひとつの目安なのかもしれない。ウメバチソウが盛りである。13:40標柱「七森」1,680mトラバース途中、SPO2/脈拍数は(92/155)。登りにかかる所、13:50岩が崩れている所に細引きが、入らないように、張ってあり、その直後に簡単な岩場があり、岩場を登りきると平らになり、そのまま13:55標柱「種蒔」を通過する。ウサギキク・ハクサンボウフウが咲いている。14:06切合分岐通過。
14:10〜47切合小屋で佐藤・長谷川氏に挨拶する。18日に下山するとのことである。気温は18℃、携帯電話は3本立つが通じない、誰かが通話していた、別の会社の電話だろう。14:50分岐で峡彩山岳会に再開する。15:16御沢分レ、15:20御坪を通過する。ウメバチソウ・オヤマリンドウ・ミヤマアキノキリンソウ・コゴメグサミジャマママコナが咲いている。ガスに包まれダケカンバの林を下る。広場との分岐の標柱のすぐ先に15:37標柱「目洗清水」、上から見た感じでは水があるが、時間がないので未確認。15:58大ピーク(1,508m)通過するが、この手前からこのピークが地蔵岳と見間違え易い。右側の尾根を見ると、地蔵岳はダマシ地蔵以外は真っ直ぐに下っているが、このピークは複数の小ピークがある。16:14〜26地蔵岳で休憩、梨を食べる。携帯電話は3本立つが通じない。時間が遅くなってきたので、靴紐を締め直し、膝バンドをして一気に下降することとした。16:36滝切合、滝方面の道はなくなっており、分岐のすぐ先に休み場がある。下山中のSPO2/脈拍数は(96/111)。16:56御田、16:59長之助清水、17:08ザンゲ坂を通過し、17:19登山者カード記載所で下山届を記入。17:21駐車場に戻る。

白川に架かる吊橋 作業道途中の水場
コブ山を見下ろす 五段山方面を仰ぐ
五段山分岐
鞍部の水場標識 高層湿原(牛ケ岩山)
地蔵山の地蔵尊 地蔵山々頂の窪地の広場
地蔵小屋の残材 深く掘れた道
御沢小屋跡周辺(杉と石碑の間が登山道)
オオワライタケ?(毒) 中十五里の銀名水
クチベニタケ(無毒=不食) 峰秀水
三国岳(正面が剣ケ峰) 剣ケ峰下部を登る登山者
剣ケ峰にて
剣ケ峰の水場分岐 剣ケ峰の水場
三国岳にてお会いした登山者 駒返しを登る登山者
霧の中の切合小屋 御沢上流の水場を横切る
色づき始めたカエデ類
目洗清水を見下ろす 1,508mピークから地蔵岳
薄暗くなり始めた頃、大日杉に到着

標識の写真