【2001年09月29日/鏡山・弥平四郎〜巻岩山〜疣岩山〜松平峠/井上邦彦調査】
2時起床、眠い。弥平四郎集落に到着するが、ゲートに鍵が掛かっている。付近に「登山目的通行の方は赤城岩男より鍵を借りて、鍵をあけたら必ず返してください」と書かれた看板が立てられていたが、どの家も暗い。分校まで戻り、車を止めて歩き始めると、数軒に灯が点った。ヘッドランプは時計などを見る時だけ使用する。ゲートを脇から越え、橋を渡った所の左手の林道に入る。途中に枝道が何本かあるが、ひたすらまっすぐに進み、砂防ダムから山道に入る。ダムの下には何台か分の駐車スペースがある。「鏡山コース」と書かれた標識は草に覆われて見えなくなっている。砂防ダムを右岸から越え、一つ目の沢を越えて杉林に入ると、道は二つに分かれる。右手の杉に標識が取り付けられているので、これに従い僅かに登り、尾根を横切って二つ目の橋に出る。この四ツ沢コースの橋は全て、丸太を数本並べて作られている。ここで水筒に水を汲む。気温は6℃。やがて開けた沢に出ると、トチを主体とした林が広がる。丸太橋を渡り左岸の林を進む。林床には輪切りにされた丸太が所狭しと並べられている。これらは全て茸(主としてナメコ)の菌打ちされたものであり、栽培しているものだから、登山者が採ることは許されない。沢幅が狭くなってくると、滝を巻いて右岸に移る。さらに沢は廊下状になり、沢身を歩く所や丸太で補強された登山道もある。左岸に移ると沢幅が広くなり、菌打ちがなされた丸太が丁寧に並べられている。登山道が二手に分かれる。右の道は右の尾根に登っている。標識に従い左の沢沿いの道を進む。キツリフネやカメバヒキオコシ等が咲いている。沢の合流点を過ぎ、右手の沢の橋を渡り右岸に移ると程なく、尾根の末端に到着する。「休猟区」と書かれた標識があり、尾根には「鏡山登山コース」の標識が見える。ここでカッターシャツを脱ぎ、ヘッドランプと共にザックに収める。尾根に取り付くとすぐに右下に下る道があるが、これは旧道で、倒木を回避するため現道が作られたのだろう。ナラの混じった急登をジグザグに登ると、ブナの尾根歩きになる。やがて左手から斜めに登ってくる道を合わせる。この道はまだ歩いたことがないので用途は分からないが、かなりしっかりとした道なので、下山時には迷い込まないように注意が必要である。尾根は一旦平坦になり、左手に大きな尾根が見えてくる。アツラノ峰から伸びて来ている尾根だろう。右手にも枝の間から尾根が見えるがよく分からない。右手の展望が開けると登山道は尾根の北東(右側)斜面に掘られた斜道を登り、広い平坦地となると、笹畑((弥生口の分岐)に着く。合流点の右手(弥生口)から登ってくると正面)に標識が設置されている。清水の標識があると、右下から沢の音が聞こえてくる。道はジグザグを繰り返す。鏡山までの全行程において道刈りは丁寧で広い。斜度も緩く感じられ、SPO2/脈拍数(94/150)。登山道の両側は太いブナで包まれている。七森峰のピークに立つと先週歩いた御幣松尾根から牛首山にかけての登山道が見える。この1週間で随分と紅葉が進んだようだ。登山道にも落ち葉が積もり始めている。ツキヨダケ(毒茸)が随分と美味しそうに至る所に生えている。七森峰から僅かに下り、凹凸を越えていよいよ鏡山の登りになるが、一気の直登ではないため、何度も山頂かと騙される。ようやく山頂に到着すると、そこだけが広く刈り払われた広場になっており、「鏡山」と書かれた標柱が立っている。ここからは水晶尾根から大日岳、三国岳に至る大展望が広がるが、残念ながら主稜線は雲に覆われていた。若干の休憩後、上ノ越を目指す。一旦下りきった「中ノ越」は草地となっており、中央に窪みが右下に続いている。いかにも獣の通り道といった感じである。ここからまた登るが、歪化したブナを主としマツが混じっており、道刈りも充分で快適な尾根歩きである。1,270m峰からひと下りすると広い鞍部となっており、草地となっている。右から登ってくる登山道を合せ、「上ノ越」と書かれた標柱が立っている。先ずはここから戻ることにする。中ノ越から鏡山までの登りは緩やかで、最後の日と頑張りで山頂に飛び出る。ここでラーメンを煮て缶ビールを飲んでいると、ODDと無線が繋がった。よく聞き取れないが大日杉から登っている途中で、現在地は「御田」らしい。充分に大展望を満喫し、膝バンドを巻き、ズックの紐を締め直し下降する。平坦で広い鞍部を通り、1,150m峰を過ぎるとシナノキの大木がやけに多い、他ではあまり見かけない光景である。単独の登山者とすれ違う。今回の山行で出会ったのはこの方だけであった。標高995mに「清水あります」と書かれた標識から6m程下に右の沢(上から見て)に斜めに下る道がある。上り下り共に20秒で沢に着く。水量は充分である。弥生分岐で右に折れ、実に広い尾根道を下る。840mに左の沢へ向かう踏み跡があるが、かなり藪化しているので迷うことはないだろう。弥生口の駐車場まで下るが、1台もない。相変わらず駐車スペースは小さい。登る場合は、林道の終点正面で2本の沢が合流する。合流点の下流に架かっている橋ではなく、沢に挟まれた尾根にある標識を目指して、右手から来る沢にかかる橋を渡り、尾根に取り付く。尾根は登るにしたがい傾斜を落し、全く平らになった時点(笹畑)で、四ツ沢口から来る登山道を合せる。合流点の標高は920mである。ここから四ツ沢口を目指す。僅かに登りあんばいで進み、下り始めた930mから890mの部分が、先述したとおり、左斜面をへつるように道が掘り込まれている。その後、尾根を下り、720mで右へ斜めに下る道を分け、575mで沢まで下る。後はひたすら来た道を戻る。砂防ダムにはバイクが1台置かれていた。先程すれ違った方の物だろう。林道を歩いていると、畑仕事をしている方がいたので、鍵の持っている家を教えてもらう。
ゲートを抜けて、すぐ左始めの大きな家で「赤」と窓ガラスに描かれている家に入り、訳を話し、登山者カードを記入して鍵をお借りした。その後、分校まで戻り、車に乗ってゲートに行き鍵を開けて車を通し、再び鍵を閉めて鍵を返し、祓川に向かった。車道は何箇所か水で掘れた所があり、車高の低い車では底をするかもしれない。登山口の大きな看板を右手にして若干進むと、駐車場であるが、これまでの駐車場の上段に広い駐車場が作られていた。これなら充分な広さである。ちょうど下に下りる車が1台の他は、軽トラックとバイクが各1台のみで、閑散としていた。やたらと「熊注意」の張り紙がなされている。気温は18℃、標高は650m。正面の大きな二つの看板の間を通り、登山道に入ってすぐ、小沢で水筒に水を汲む。そのまま林を進み、すぐに尾根に取り付く。ここも最初はジグザグ登りで、ブナとナラの尾根筋に上がる。なんとなく体がだるく疲れた感じがする。寝不足が聞いてきたのだろうか。750m、尾根筋に上がった所で食事を摂る。ここで先程、車から缶ビールとラーメンを補給することを忘れたのに気がつく。順調に高度を稼ぎ、尾根の右手から平坦地に出る。SPO2/脈拍数は(95/152)。1,040m、以前熊の足跡を見つけた所である。右手に県境尾根を仰いで、最低鞍部から若干登ると、正面は岩場になっており、道は右手を巻くように登っている。SPO2/脈拍数は(90/150)。水のない小沢を2度横切る。石の上に数匹の蛇が絡み合っていた。草が生えてくると、まもなく11:34「上ノ越」の標柱に到着する。ここで食事を摂りながら無線でVQOと交信をする。ODDは切合小屋付近を登っているとのことである。VQOとの交信を終えると「駒ケ岳・・・・HZU・・・」の声が聞こえてきた。なんと以前にメールを頂いた皆川さんである。なるほど、ここまで登れば越後駒ケ岳とは無線が充分に届く。
巻岩山に向けて登り始める。1,360mからダケカンバが出てくる。疲れたのだろうか、ローギヤに入ったままギヤチェンジが出来ない。仕方なく休憩を取りウィンダーを飲む。この辺りから木々は紅葉が始まっている。道刈りはやや荒っぽくなるが、歩くのには支障ない。SPO2/脈拍数は(92/144)である。鏡山を振り返りながら巻岩山を過ぎると、登山道の左側に小さな池があった。「疣岩分岐」標柱で松平峠からの登山道を合せる。ほぼ水平にダケカンバの疎林を進み、「シシ沼」分岐の標識で右に折れ、疣岩山の頂上に出る。頂上は細長く、三角点は一番先にある。ここでラーメンを煮て本山小屋のODDと無線交信。気温は10℃。膝バンドを巻き、ズックの紐を締め直し、下山を開始する。シシ沼まで散策に行く。シシ沼は分岐から1分の湿地である。「疣岩分岐」標柱から松平峠に向かい下るが、ロープが設置されている。登山道が原因なのだろう、尾根筋の裸地化が顕著に進行している。1,520mに数本のダケカンバに「清水(猪鼻)」の標識があり、左手(上から見て)の沢に下るロープが設けられていた。松平峠には、簡単な板の標識が吊り下げられている。1,210mのブナに「この場所に荷物を置いた方へ。喜多方署で保管しています。0241-22-5111」と書かれた張り紙があった。1,160mで小沢を横切る。水量は充分である。小沢の上部に天幕2張りのスペースがあり、小沢の下20mの所に「十森」と書かれた菱形標識がブナに付けられていた。1,050mより上部は土砂崩れのため迂回路が作られていた。ブナ林になり790mで小沢を横切る。770mの小沢には祓川山荘の水槽が設けられている。750mにも水槽があり水が入手できる。ここから山荘の赤い屋根が見える。725mに祓川山荘がブナ林に囲まれて建っている。小屋の中に入ると、水は出ていない。周辺には網でナメコのホダ木(丸太)が並べられている。山荘から尾根の末端に下り、橋を渡る。コンクリートで作られた橋の土台の一部がすぐ下流に残されていた。川から林道まで登り、14:58に駐車場に到着した。
{通過時刻}
自宅02:26→04:50弥平四郎05:50→ゲート05:08→砂防ダム05:16→分岐05:30→05:33尾根取り付き05:36→登山道が合流05:45→斜面の斜登始め06:00→弥生分岐06:04→清水の標識06:11→06:18食事06:24→七森峰06:29→06:52鏡山々頂06:56→1,270峰07:14→07:17上ノ越07:18→1,270m峰07:23→中ノ越07:28→07:44鏡山々頂08:07→1,150m峰08:19→七森峰08:26→08:33清水08:40→弥生分岐08:45→08:54弥生登山口08:56→弥生分岐09:10→登山道の分岐09:23→尾根取り付き09:29→砂防ダム09:44→09:51ゲート→祓川駐車場10:20→10:21水を汲む10:25→10:32食事10:39→平らになる11:03→鞍部11:13→小沢横断11:24→11:34上ノ越11:45→小ピーク11:54→12:18休憩12:27→巻岩山12:40→左に小池12:48→分岐12:54→獅子沼分岐12:59→13:02疣岩山13:30→13:34獅子沼分岐→13:35獅子沼→獅子沼分岐13:37→分岐14:00→清水13:43→松平峠13:58→十森(水場)14:09→小沢14:37→小屋の水源14:20→水槽14:43→14:44祓川山荘14:48→14:58駐車場→18:00自宅