登山者情報592号

【2001年10月06〜07日/ダイグラ尾根〜梶川尾根 /木内茂雄調査】

メンバ−:単独行
タイム
(10/6)飯豊山荘5:25〜6:00落合橋6:10〜7:00池ノ平〜7:15水場標識〜8:00休場ノ峰〜8:37千本峰〜9:55宝珠山〜10:50御前坂手前鞍部〜11:45飯豊本山       
(10/7)本山小屋6:00〜6:12本山三角点〜6:25駒形山〜6:55御西小屋7:05〜7:25天狗ノ庭〜8:00御手洗の池8:05〜8:52烏帽子岳〜9:10梅花皮岳〜9:23梅花皮小屋10:00〜10:25北股岳〜11:02門内岳11:10〜11:27扇ノ地紙〜11:55梶川峰〜12:30五郎清水12:45〜13:05滝見場〜13:30湯沢峰〜14:05ノゾキ14:15〜14:35飯豊山荘
記録
(10/6)久しぶりに飯豊の山登りとなった。今年の登山仕上げは飯豊/ダイグラ尾根の紅葉と決めていた。週間天気予報もまずまずで、飯豊山荘に向かう時、山の稜線が見えるので今日は楽しみだと期待してアクセルをふかした。
飯豊山荘を歩き始める頃明るくなった。登山客は少なく、私の前後に誰もいない、落合橋に近づいた頃、前に一人歩いていた。橋を渡った所で新発田の若い青年が休んでいた。私も二つ目の握り飯を食べる。ここから50分で池ノ平を通過、その先15分で水場の標識に着く、休まず更に歩き続ける。見晴らしの良い岩場に出た所で休場ノ峰となる。辺りは紅葉がすすんでいて、烏帽子岳方面にもカメラを向ける。晴れてはいるが霧がわき上がり、宝珠山は見えるが遠くの本山が見えない。
更に先に進むとダイグラ尾根らしい急登の連続である、40分も頑張ると千本峰の標識に着く、その先2〜3分で見晴らしの良い岩場に出る。ここから上り下りを繰り返し宝珠山、そして、その向こうに霧の切れ間に本山がかすんで見えた。紅葉は素晴らしいものだが、霧が邪魔をしてシャッタ−チャンスが無い、仕方なく無理矢理シャッタ−を何回か押す。一服後先を急ぐ、長丁場のダイグラ尾根なので荷物は最小限にしてきた。そのためあまり疲労せず宝珠山に着いた。少し有るチングルマが赤く紅葉している。この頃より山仲間と無線交信をする。小国町では通り雨があったと連絡あり、こちらも一時雨がパラついたが大したことなく止んだ。気温が低く、素手では冷たいのでポケットに手を入れて歩く。
ここから2〜3回登り下りを繰り返し御前坂手前の鞍部に着く、御前坂を少し上ると森林限界となり、振り返ると宝珠山の紅葉が良く見えるが相変わらず霧が邪魔をする。そして間もなく坂も緩やかになり、石の道をノンビリ歩いて行くと本山が見える様になり、最後傾斜が少しきつくなるが数分で頂上に立った。大日杉小屋より登ってきているJF7HZUが本山小屋よりこっちに向かって来ているので暫し待つ、その間寒いので雨具の上を着て辺りを見回すが視界悪くシャタ−チャンスが無い。
やがて、HZUが息子を連れて現れた。再会の挨拶をしながら彼に一つ教えられた、それは“本山とは正式には本山小屋の有る所で此処は三角点だ”と言うことであった。一般的には此処に飯豊本山の標識が有るのでそう思うだろう。
三人で小屋に行き、小屋番の二瓶氏が来るのを待つ間、当然の行動である乾杯となった。一時間程過ぎて二瓶氏が到着した。その頃から登山客も増えてきて、結構な賑わいとなった。HZUは再び下山して行った。夜は二瓶氏の“芋煮汁”を頂きながらこれまた、当然のモノを飲み充実した一晩を過ごした。明日は今日より天気が良いとの予報に期待して寝た。
(10/7)夜中の12時頃、隣の人の高鼾に起こされてしまった。通常の鼾にはビクともしないと思っていたがこの人には参った、まさか蹴飛ばすわけにもいかず“忍の一字”とはこの事なりである。人間一生修業である。部屋の向こうからもこれに負けず劣らずの高鼾が聞こえてくる。それでも他の人は平気?で寝ている様だ。ウトウトしながら朝を迎える。朝日を期待したがパッとしない、濃くはないが山々の頂には雲がかかっている、それでも昨日よりは良い気がするので、この後を期待する。ビ−ルとラ−メン餅で朝食を済ませ、本山から御西小屋方面を目指す。
何となく晴れてはいるが山々が見えない、それら頂には相変わらず霧がまとわりついて離れない。写真を撮る事もなく御西小屋に着いてしまった。大日岳方面に15分程行って“文平の池”で“逆さ大日岳”を撮るのを楽しみにして来たが霧が飛びそうにない。諦めて“御手洗ノ池”へと向かう。右下の眼下の紅葉、或るいは烏帽子岳から派生するクサイグラ尾根の紅葉、そして朝日に照らされる岳樺の白い幹とその黄葉が素晴らしく目を楽しませてくれる。唯、残念なのは相変わらず全体的に霧が晴れないので写真にならない。
天狗ノ庭付近、旧道は通行禁止で左上に行く様にして稜線上を歩く様になっている。今年、一部新しく整備された箇所もある。花は無く黙々と歩き“御手洗ノ池”に着いた。ここでまた失望した。烏帽子岳をバックにして池に紅葉を映えさせた構図を考えてきたが、木の葉が散ってしまい枯れ木になっていた。稜線は例年より10日も早い様だ。写真にもならないので小休止後烏帽子岳を目指す、景色は見えるのだが青空が無く各頂きが霧で見え隠れするのでファインダ−を覗く事がない。だから、ユックリ歩いてもドンドン先に進んでしまう。花も全て咲き終わったので見るものがない。そんな事で烏帽子岳、梅花皮岳も過ぎ、梅花皮小屋に9時半には着いてしまった。小屋では小屋番の関氏と小国山岳会の前田君、峡彩山岳会の南山氏、松原氏4人で小屋の冬支度をしていた。関氏より500ccの泡をご馳走なりながらユックリ休憩する。
雑談後、再び歩き始める、北股岳の登り途中で石転び沢を見下すと雪がまだタップリ残っている、昨日関氏達はこれを登ってきたけれど、雪が薄くなっている所、幾箇所も有りかなり慎重に判断しないと危険だと言っていた。成る程大きなクレパスが随所に有る、慣れない人は登らない方が良い。
北股岳頂上に着いてもパッとした青空にならない、遠く本山も見えるのだが“いまいち”である。門内岳へと下りギルダ原辺りで北股岳を振り返って見る、こちらから見る北股岳はあまり恰好良くないが取りあえずシャッタ−を押す。(帰ってから画面に出して見たが案の定ボツであった)そして、門内小屋、扇ノ地紙へと唯、歩行を進めた。道を右に、梶川尾根をとり周りの枯れ草を見ながら下る。梶川峰近くで本望氏とすれ違う。梅花皮小屋と無線で会話していたのを傍受してきたので、二言三言で別れる。梶川峰を過ぎ岳樺近くになった頃、右下の方から石転び沢方面が良く紅葉していた。これまた生憎と逆光で写真にしにくい。撮ってはみたが矢張りボツ。五郎清水でバッタリ平田夫妻に会い大休止。その後また下るのみ。
秋のススキ ブナの紅葉
ムシカリの紅葉 烏帽子岳を仰ぐ
コケモモの実 霧と紅葉
チングルマの紅葉 今回はなかなか写真にできなかった。
それでも、飯豊山荘に下るまで色々な
紅葉で目は楽しませてくれた.....。
例年10月10日は快晴なので良い写真
が撮れたのだが今年は“体育の日”が8
日に変わったので天気が駄目なのか?
と考えながら帰路についた。
紅葉6景