登山者情報596号

【2001年11月07〜09日/山形県山岳遭難対策協議会遭難救助訓練/井上邦彦調査】

山形県警察本部と山形県山岳遭難対策協議会による山岳遭難救助訓練が、小国町の国民宿舎飯豊梅花皮荘で開催された。総勢40人、講師は仁科友夫・井上邦彦・菅野享一・高貝喜久雄・吉田岳の5名でいずれも小国山岳会所属である。
初日は菅野から「読図とコンパス」について、井上から「遭難発生時の救助方針の策定」について講義がなされ、その後に各班でロープ結束方法や装備品の使用方法の説明がなされた。
翌日は素晴らしい快晴に恵まれ、4班に分かれて倉手山を登る。途中でレスキューハーネスの使用法や転落者の救出訓練、県警ヘリ「がっさん」との連携訓練が行われた。山頂で眼前に広がる冠雪の飯豊連峰を眺めながら昼食。なお登山者の1パーティが山頂で親子の熊を見かけたとのことであった。
下山路は昔からの隠し道を歩くこととした。先ずは廃道になっている南東に向かう尾根を、人間を背負って下る。井上が担当するA班はカッパを使って作った応急レスキューハーネスを使用した。その後、893m峰を越えて、いよいよ隠し道を探す。急峻な尾根に刈り払われている踏み後を探しながら高度を下げるが、足場が悪く皆苦労をしていた。ようやく天狗橋の北西で車道に出て梅花皮荘に戻った。
最終日は、梅花皮荘の北東、大淵橋の左岸にある岩場で、懸垂下降、負傷者を背負っての吊り上げr吊り下げ作業の実習を行い、さらにヘリコプターの誘導方法を教わる。最後に県警ヘリ「がっさん」による吊り上げ訓練を実施して終了した。

吉田講師よりロープ結束を教わる 高貝講師から簡易副木の使用法を教わる
新雪の飯豊連峰を眺めながらレスキューハーネスの使用方法を教わる
770mで北から来る廃道と合わさる 分岐から倉手山を目指す
背後には白い朝日連峰が遠望できた 崖地の下降訓練
枯松峰と大境山方面から県警ヘリが来た 県警ヘリとの連携訓練
倉手山々頂から飯豊連峰
山頂で昼食 スガの講師からストックの担架を習う
搬送訓練
飯豊山とダイグラ尾根を望む 893m峰から倉手山を振り返る
飯豊山荘が真下に見える 踏み跡を探しながら降る
吊り下げ訓練 吊り上げ訓練
県警ヘリの誘導訓練 県警ヘリの吊り上げ訓練