登山者情報606号

【2002年02月23日/蛇崩山(じゅくずれ530m)/吉田岳調査】

 自宅を出発した時には晴れていた空が、新潟方向へ向かうにつれ黒い雲に覆われてきた。今日は置賜地方よりも下越地方の天気の方が悪いようだ。でも悪天までにはならないだろう。関川村の越後金丸駅を過ぎ、金丸大橋を渡って再び荒川の右岸に出たところで国道の待避所に車を止めさせてもらう。
 この蛇崩山は標高こそ530mしかないが、荒川の川辺から見たその姿はなかなか迫力があり、どうしても気になってしまう山である。扇形で、北面は絶壁、いたる所で崩壊や雪崩が起きている。西側か東側の尾根を登って行くしかなさそうだ。山スキーということで、雪が多めに残っていそうに見える西側(向かって右側)の尾根を登っていくことにした。
 8時30分、旧道との分岐点からスタート。標高は約100m。すぐ右手の斜面を登り始める。30分ほど歩いた所で斜面がますます急になったため、スノーシューに履き替えた。しかし、このスノーシューはアイゼン部分が下り時に効くようになっているようで、特に今日の様な堅い雪では滑りやすく、歩きにくい。
 9時30分、標高約300mの所で休憩。ここからはなだらかな尾根歩きとなるため、またスキーに履き替えた。雪庇が大きく北斜面に張り出している。その付け根部分とやぶとの間を慎重に登っていく。一度だけスキーを外したが、あとは山スキーで何とか歩き、10時40分山頂に到着した。
 期待していた下越の山々の景色も、曇っていて近くの山しか見えない。おまけに雪もちらほら降り出してきた。山頂の近くに山小屋があり、戸を開けると中に入ることができた。おそらくこの北斜面の砂防や雪崩止めの建設工事用に建てたのだろう。それにしても立派である。しばらくここで休ませてもらう。
 11時20分、スキーのシールを外して下山開始。と言っても、やぶと雪庇の間のわずかなスペースだけでは、まともなスキーにならない。苦労しながらもゆっくりと降りていく。標高300m地点まで来ると狭い尾根線は終わり、やっとスキーっぽい滑りができるようになってきた。更にその下は、いわばスノーボード競技のハーフパイプの様なコルになっており、少しだけ楽しむことができた。
 最後の杉林を抜けて、12時20分、車置き場に到着した。予定よりも時間がかかってしまった。やはりこの山は、天気のいい日にかんじきで登った方が良さそうである。

R113より蛇崩山 最初の登りと荒川
上部の尾根筋 山頂間近
山頂付近の小屋 ハーフパイプ上のコル