登山者情報619号

【2002年04月27〜29日/石転ビ沢/吉田岳調査】

大型連休の前半、梅花皮小屋に入り石転び沢を往復してきた。その時の雪渓、様子を主にここに記することにする。なお、滞在中は晴天が続き風も穏やか、最高の条件で過ごすことができた。
私が飯豊山に入っていた間、梅花皮荘ー飯豊山荘の林道は閉められており、1時間半かけて歩かなければならなかった。ただし、山荘は5月1日にオープンし、林道も現在開放されている。温身平までは全く雪上を歩くことなく除雪が行われていた。そこからは雪面と地面の繰り返しでスキーを使う訳にいかない。つぶて石手前の大きくカーブしているしている所は雪渓がズタズタに割れており、歩くことができない。そのため夏通り彦衛門ノ平へ登っていかなければならない。ここは足元の多少不安定のため注意が必要である。つぶて石上部(通称ババマクレ)から雪渓へ降りることができた。なお、そこに赤い布が目印に付けられている。ここから梅花皮小屋までの雪渓歩きは、急斜面で登れなくなるまでスキーを使うことができる。雪の量はやはり少なく、去年より3週間程消え方が進んでいる感じである。雪面はまだきれいであり、早朝や雨の日でなければそれほど堅くなっていない。もちろんデブリ(雪崩跡)やクレパス(割れ目)は所々にあるので注意したい。左右斜面からの落石や雪の崩壊(ブロック)は気温が上がるにつれ所々で発生していた
が、これからもっと増えるだろう。梅花皮小屋付近の稜線には雪がなく、そのためその直下の斜面もなだらかな感じを受けた。
小屋内。水洗トイレは気温がまだ低いため使えない。通常の水場(治二「ハルジ」清水)は少量ながら使うことができる。更にそこから20m程奥に行くと、ホースから水が出ており、こっちの方が水量が多いが朝凍結している。
 小屋から烏帽子岳まではほとんど雪が無いが、そこから御西方面へは雪道となる。北股岳への登りは途中から雪道となり、堅雪時にはアイゼンが欲しい。門内沢のスキー滑降も可能である。石転び沢下降時には早朝は雪面が堅くなっているため、自信のない方は少し待機してから出発してもいいだろう。また、つぶて石上部で左岸の夏道に登る所を間違わないように注意。

下ツブテ石付近の状況 上ツブテ石付近の状況
水場から梅花皮小屋 梅花皮小屋から北股岳
北股岳から石転ビ沢を見下ろす 北股岳から南の主稜線を眺める
大日岳を背景 二王子岳と筆者