登山者情報623号(投稿)

【2002年05月03〜06日/針生平〜袖朝日岳〜龍門山〜日暮沢小屋/高橋新一調査】

西朝日までの全コースにわたって強烈な藪に悩まれ、また5/5には濃いガスで停滞したため4日費やす結果となりました。状況をご報告します。
参加メンバー:高橋新一(鹿島建設山岳部)・伊原 宏・水沢幸子・木村たい子

5月3日(天気晴れ)
東京発6:32のつばさ111号で赤湯着8:49。さっそくタクシーに乗車し、小国経由で五味沢、針生平に向かう。大石沢小屋までタクシーが入れた。10:35着。山菜採りの人たちが採取を終えて丁度戻ってきた時間。登山計画書の記入を見ると祝瓶山と大朝日に向かう登山者が入山しているようだ。11:05出発。今回の入り口は白布沢右の尾根に取り付き県境の尾根を登る計画。2つ目のつり橋を渡って白布沢を越えて少し上がったところからすぐの藪尾根に取り付く。藪は隙間の大きい比較的進みやすい状況。標高600で最初の休憩12:35−12:45。標高639角楢小屋が見える(12:55)。13:20標高700で休憩。この上は高低差がない藪が続き次の急坂の前(標高750)で休憩14:15。ここから激しい藪。急坂の途中で休憩16:30。県境稜線への最後の急坂は細い尾根に低木が立ちはだかった形で連続している。県境稜線上には適当なテント場が見当たらないので直前の雪田で幕営することにする。17:30着。早速設営後、水作り、夕飯にし、20:00就寝。

5月4日(天気曇りから雨)
6:00テン場発。本日も藪がきつく前進するも進行が思うように進まず。6:40標高1018小ピークの先で休憩。7:40標高1020の檜岩屋山登り手前で休憩。9:05休憩。10:20檜岩屋山1252着。11:20小脇峰着。12:30標高1428着。15:00標高1428先の鞍部標高1400着。尾根の山形県側の雪上に幕営。ここは水平面で最適な幕営サイトとなりましたが雨の濡れとテント内結露でシュラフがぬれてしまい寒さでよく眠れなかった。18:00就寝。

5月5日(天気曇り)
6:15テン場発。8:00標高1450休憩。9:00標高1500休憩。11:00袖朝日岳手前標高1610。11:25袖朝日岳(標高1665)。このあたりからガスが激しく視界がよくない。12:30標高1667着。ここから山形県側の雪上をたどって下りに入ると前がすっぱり切れ落ち新潟県側の雪の斜面も視界がない状態で急に下っている。ここでコースを笹薮の方に変え下るとまた雪の斜面に出る。地図上では50メートルほどの下りのはずがそれ以上下った感じがしたのでのぼり返す。視界が回復しない。ここで停滞するつもりで幕営準備に入る。現在位置の確認のため空身で偵察することにした。雪壁の際に沿って進み少し行くとぼんやりと藪のピークが見えてコースが確認できた。設営できたテントに戻る。13:30現在位置は標高1667先の鞍部(標高1620)で笹と雪の境界の傾斜地。テントの中に入りしばし休憩。16:00気象通報。夕食作り。このころガスが晴れて西朝日方向のピークが確認できた。18:00就寝。夜半風が強い。

5月6日(天気晴れ)
3:00起床。5:00出発。昨夜は風が強く、相当気温が下がったようで霧氷が枝に付ききれいな白い木になっていた。雪面も凍っておりアイゼンをつけて出発。なるべく藪をショートカットするため稜線を外して新潟側の斜面を進みピークを3つ飛ばして稜線に取り付く。身長ほどの熊笹を掻き分け急登する。6:00標高1691着。8:00西朝日岳着。9:00龍門山着。9:30ユウフン山着。アイゼンを手に下げた青年が登ってくる。山形市在住の方で写真を撮りにきたとのこと。12:00清太岩山先の標高1359。ここは雪の斜面が急になっているので夏道から多少外れた傾斜のゆるい枝尾根の方に進むが適当なゆるい斜面がなく降りすぎしまう。上り返していると先ほどの青年が先の斜面の上でコースが違うことを手で合図してくれる。青年はスキーで降りるように斜面を降りていく。われわれも上り返したところから斜面をトラバースして下る。12:30標高809。木村さんが息が苦しいと訴え横になって休む。甘い飲み物とお茶を作って飲む。タクシーを先に来てもらえるようにと水沢さんに先に下りてもらう。木村さんが落ちついたので13:30下山開始。小屋着。先ほどの青年が待っていてくれ、見附まで水沢さんを追いかけ乗せていただく。見附まで着いたが水沢さんには会えない。14:20待っていると月山タクシーがやってきて水沢さんと合流。山形市の青年には大変感謝。(是非お礼を申し上げたいと思います。)14:40見附発。山形駅着15:35。山形からは帰宅を急ぐ伊原、高橋が16:16発新幹線つばさ140号で、水沢、木村は17:02発新幹線つばさ142号で帰路に着いた。
今回の山行は藪こぎ、ガスによる停滞、雪面のぼり・下降とさまざま経験でき充実したものであったが、帰宅後風呂に入ってみると手足と肩のあちこちが藪こぎで傷だらけになっていた。