登山者情報640号

【2002年06月29-30日/石転ビ沢〜頼母木小屋/吉田岳調査】

 夏山シーズンを迎え、飯豊連峰は早くもお花畑が広がってきた。名物であるヒメサユリの群生は、先週の木内氏の報告にもあるように尾根部ではもう終わりかけている。しかし、石転び沢の両岸はちょうど見頃であり、稜線ではまだつぼみであった。イイデリンドウは頼母木岳周辺で発見。6月中に咲くのはかなり珍しいことである。また、梅花皮・御西・本山小屋ではヘリコプターでの荷上げが完了し、登山客を迎え入れる準備が整った。梅花皮小屋では7月2日から関氏が管理人として常駐を始めた。
 石転ビ沢の残雪量は、例年と比べ上部は少ないが出合付近は意外に多い様である。温身平〜地竹の原は草刈りと倒木の玉切りが行われ、歩きやすくなった。地竹原の慰霊碑を過ぎた所から雪渓に降りる。クレパスや雪の薄くなっている所も出始めてきた。梶川出合、石転ビノ出合はまだ問題がないようだ。雪面が大分固くなってきたので石転ビノ出合からアイゼンを付けた方がいい。ガスって視界が効かなくなるとコースがわからなくなり、特に北股沢出合付近は要注意である。所々に黄色の旗を立ててきたが、それも近づかないと見えないこともある。落石も多かった。特に北股岳から落石が頻発していた。中の島(草つき)に着いたら、そこの登山道を歩き、落石に遭う危険性を少なくする。上部のトラバースは雪が大分溶けてきており、あと1週間程でなくなるかもしれない。小屋下の雪渓はまだ充分に残っている。
 他の小屋の情報としては、門内小屋はトイレ使用不可、水は小屋下の融雪水を汲む。頼母木小屋もトイレ使用不可、水場もかなり下まで降りていかないと汲むことができない。梶川尾根の五郎清水、丸森尾根の水場は使用可能。両尾根とも残雪が所々にあるが、アイゼンが必要という程ではないだろう。

地竹原を過ぎた所から雪渓に上がる 北股沢出合からみる中ノ島
石転ビ沢を見下ろす 北股岳山頂から見る北の主稜
北股岳山頂から見る南の主稜 亮平ノ池〜御西小屋
門内小屋 頼母木小屋