登山者情報658号

【2002年08月31日〜09月01日/ダイグラ尾根/山田亘調査】

コースタイム
8月31日 晴後曇
06:13天狗平410m(450→410)→06:27十文字分岐(450)→06:56〜07:03桧山沢吊橋470m(460→470)→07:41 666m地点(640→660)→08:29池の平926m(910→920)→08:35種蒔の池(920)→08:51〜09:21長坂清水分岐(960)→10:32休場の峰1320.7m→11:47千本峰標柱→11:55千本峰(1460)→12:48 1499m峰南側鞍部(1450) →?宝珠山→15:09〜15:14宝珠山の岩稜1820m→17:53三角点2105.1m→18:06本山小屋2100m着
9月1日 晴
04:00起床→05:09水場分岐(2050)→05:56三角点2105.1m(2100)→06:58 1780m鞍部(1820)→07:51〜08:26宝珠山の岩稜(1850→1820)→08:51宝珠山の標識(1710)→09:51 1499m峰南側鞍部(1480→1460)→10:32千本峰(1460)→10:47千本峰標柱(1450)→11:42休場の峰(1340→1320)→12:53長坂清水分岐(990→960)→13:13種蒔の池(950→920)→13:58 666m地点(680→670)→14:32桧山沢吊橋(490→470)→14:59十文字鞍部(450)→15:19天狗平(420)
(カッコ内の数字は高度計の標高表示。8月31日のメモは汗で破れ宝珠山への登り以降を紛失した。紛失部分は画像撮影時刻から推定して記載した。) 

記録
8月31日
 この3週間ダイグラ尾根を歩きたくて好天の日を待っていた。他の山域に行く前にここを歩きたかった。先週の昼休みは毎日地形図を見ていた。地形図に糸を這わせると登路はメノコで32.5p(8.1キロ)あった。登路を@林道歩きから休場の峰までの急登A休場の峰から1499m峰南側鞍部までのアップダウンB1499m峰南側鞍部から1780m鞍部までの宝珠山の登降C1780m鞍部から三角点までの登りと小屋への稜線歩きの4つに分けてみた。とにかくハードだ。少しでも寝れるようにと金曜の夜村上の実家に移動した。
 04:10起床、R113で05:30頃天狗平に着いた。高度計を450mから410mに直し06:13天狗平発。林道を歩き06:27十文字分岐通過(450)、最初の砂防ダムの近くにテントとタープが張られていた。06:46二号砂防ダム(450)で林道は終わり、階段を登ると玉川の狭いヘツリ道になる。すぐ河岸段丘が広がり歩きやすい道になる。地形がまた狭くなってきたかなと思う頃大又沢と桧山沢の出合を通過し、06:56〜07:03桧山沢吊橋で水を1.5L位採る。高度計を460mから470mに直し、吊橋を渡る。少し登ると道は東にへつり尾根に近づいてから急登が始まった。振り向くと細長いピークの山が見え倉手山だと思う。07:14尾根に乗っている(530)。07:23斜度が緩むと登路に岩があり桧山沢の奥が見える(590)。07:30斜度緩み岩が出て痩せた箇所がある(600)。07:35斜度緩むとすぐしゃくなげに覆われた岩がある。大又沢が見え、日が射しこの先暑くなりそうな予感がする(630)。この岩を過ぎるとすぐ07:41 666m地点通過、高度計を640mから660mに直す。少し歩くと斜度が出てくる。08:12斜度緩み大石があるところ(830)から、登路は尾根線を桧山沢側に外れる。ここまでは大又沢側に道がついていたと思う。振り返ると倉手山と西俣の峰?が見える。08:29池の平で道は尾根に戻る。尾根線にキタゴヨウが続く。高度計を910mから920mに直し行く手を観察する。地形図通り米栂の平と休場の峰が見え気持ちがよい。08:35種蒔の池通過(920)、先々週あったゴミが取られておりすっきりした。この先も道刈の跡など整備されたことが伺われた。種蒔の池から水場まではすぐと思っていたが2〜3回アップダウンがある。この区間桧山沢側の眺めがよい。08:51ナラの木に水場の標識がある(960)。指導ロープに従い急坂を下り枯れ沢を渡ると水音が聞こえる。もう少し降りると清水が湧き流量はこの前より多かった。うまい。この水があるので楽ができた。この水がなければ下から3Lの水が必要だろう。分岐に戻り休む。気持ちのよい場所でほんの10分居たつもりが09:21発となり驚く。少し歩くとまた斜度が出てくる。09:37ちょっと斜度緩み紫色の小さな花があり写真を撮る(1060)。09:57斜度緩む。ここが米栂の平1170m(1160)だろう。10:10標高1200m位から一段と急登になる。10:32休場の峰に出ると行く手に宝珠山が見え、思わず「かっちょいい〜」とつぶやく。写真で見ると白いタオルを頭に巻き苦しそうな表情だ。日射しが強烈なのだろう。
 休場の峰からの下り始めにできそうな若い男性2人とスライドする。最初の岩峰を桧山沢側に巻く日陰で休憩する。ここから1499m峰南側鞍部までのアップダウンの区間は地形図と実景の感覚にずれがあり苦労した。予想以上にアップダウンが多く実景で独立した岩峰に見えるものが地形図では岩峰の一部ということが何度もあった。地形図では休場の峰から3つめのピークが千本峰に見えるが、一つ一つのピークが長く、体感的には5〜6個ある感覚だ。11:05千本峰との間の一つめのピーク(1350)通過、11:18二つめのピークを巻くところで岩と米栂がいい感じだ。11:28ウメバチソウがある(1360)。細かなアップダウンに時間がかかる。倒木を潜ると11:47千本峰の標柱があり脇に消えかけた標識があった。11:55千本峰(1460)に出ると宝珠山に西からガスがかかるのが見えた。ここから日陰が少なくなるので今考えるとよかったかもしれない。休場の峰からの時間を見て予想以上にかかっていることに驚く。12:10〜12:22千本峰の岩場を下った鞍部の日陰で休む(1410)。12:481499mピーク巻き終わる(1450)。ここから宝珠山の登りとなる。 しばらく平坦に歩き、登りに入るところで3本のダケカンバが登路に斜めに生えているのが印象的だ(1470)。米栂もこのダケカンバを境に姿を消す。13:31宝珠山への登りで女性2人とスライドする(1580)。13:53本山を10:30頃出たという10人位のパーテイとスライドする(1640)。この後かなりばてる。日射しのためか思考力が落ち左のこめかみが痛い。地形図を見て宝珠山までは登り一辺倒と思っていたが、実景では等高線の10mの間のアップダウンがめだつ。地形図を見る元気もない。暑さに眠気を感じながら歩いていくと巻道で左足が登路を踏み抜き目がさめた。宝珠山は大又沢側を巻く。飯豊トリカブトがきれいに咲いている。ここに雪がついているときに来たい。山頂にコーヒー豆のように亀裂の入った石がある。その石の前に座り15:09〜15:14宝珠山の岩稜からパノラマを楽しむ。飯豊連峰北部がぐるっと見えお気に入りの場所だ。それにしても休場の峰からここまで予想以上に時間がかかった。ばてたのは宝珠山の前だが、疲れたのは休場の峰から1499m峰南側鞍部までの区間だと思う。エブリサシがガスで見えなくなったので出発する。1780m鞍部までの下りも細かいアップダウンがあり時間がかかる。 1812mピークの南から三角点への登りにかかると山頂は1969mピークで隠れる。振り返ると宝珠山が美しい。岩稜と本峰が重なって見えるところがあり、ニペソツに似ていると思った。疲れはかなり溜まり10歩歩いては立ち止まるという感じだ。ガスが出て日が翳り始めたのがありがたい。1969mピーク付近で主稜線の南から御西の北側にガスがすごい速さで流れ込むのが見えた。山頂直前で山頂もガスに包まれた。17:53三角点に着くとすぐブロッケン現象が出て写真を2枚撮った。風が強い。ゴアの上着を着てガスの中稜線を歩く。18:06本山小屋着。管理人さんは丁度掃除中で小屋の外で戻るのを待った。小屋は込んでいたが、服部さんが場所を作ってくれた。山で食べる納豆はうまい。楽しみにしていた鱒寿司と納豆でビールを飲んでいると、今日は小屋じまいなので下に降りて飲もうといわれた。普段なら行かないが飯豊の流儀に従おうと下に降り酒を貰った。初めて飯豊の山男を生で聞く。皆楽しそうだった。途中外に出ると星がきれいだ。地平線近くは見えない。本山神社の上に北斗七星がかかっていたのが象徴的だった。ガスが出て皆小屋に戻り寝た。
09:01晴
04:00起床、夜半風が出たがおさまる。水を3L汲み05:09水場分岐で御来光を見る(2050)。05:56三角点2105.1m発(2100)、06:03 2020m岩稜直下(2020)、 06:36 1969mピーク直下(1960)、展望がよく写真を多く撮る。06:58 1780m鞍部(1820)、07:47宝珠山岩稜直下に去年休んだ岩陰がある あのときも日射しが強く、ここで休んで回復したのだ。07:51〜08:26宝珠山の岩稜で高度計を1850mから1820mに直し、最後のパノラマを楽しむ。赤いテープを巻いた石が置いてあり「宝珠山?」と書いてある。新しい標識の設置を考えているのだと思う。この石は休場の峰あともう一つ見た。08:39宝珠山直下で大又沢側を巻いている(1780)。ここに雪がついたときに来れるようになりたい。花の咲き乱れる頃来てみたい。08:51宝珠山の標識(1710)から細かいアップダウンを繰り返しながら降下、09:47三本のダケカンバ(1500)を過ぎ、09:51 1499m峰南側鞍部に出てほっと一息、ここから休場の峰までアップダウン区間だ。高度計を1480mから1460mに直し出発する。10:27千本峰の岩場(1430)通過、千本峰のピークは長い。10:32千本峰(1460)、10:47千本峰標柱(1450)通過、この辺から登路に木陰が多くなり助かる一方、暑さも増してくる。11:19休場の峰の南1340mピークへの直登はきつい。宝珠山の岩稜と共に本コースで好きな場所だ。上がると高度計は1360mを指した。自分はこれを最初休場の峰と思っていたので三角点がないのに落胆した。ダイグラ尾根は長いので、昨日通った登路も今日は覚えていない部分が多い。11:42休場の峰で高度計を1340mから1320mに直し宝珠山に別れを告げる。ピークから急降下して12:15斜度緩む(1200)。米栂の平だが登りほど印象が強くない。12:23(1170)位から斜度出てくる。12:50斜度緩む(1020)。12:53長坂清水分岐(990→960)、13:13種蒔の池(950→920)、池の平の下り初めでエブリサシがまだ見える。この辺で足が大分疲れる。13:30大岩から尾根に乗ると砂防ダムが見えた(830)。13:58 666m地点で高度計を680mから670mに直す。14:05岩場(630)、14:10岩場(610)通過し、急降下して尾根を外れると14:32桧山沢吊橋に出た。ここで高度計を490mから470mに直し歩き出す。14:59十文字鞍部(450)、ここから先の林道歩きはつらかった。15:19天狗平着(420)、梅花皮荘で汗を流し新潟に戻った。 ダイグラ尾根はきついけれど、非凡な尾根だ。年に1度は来たいと思う。

詳細は http://isweb28.infoseek.co.jp/sports/wataruya/