登山者情報722号(投稿)

【2003年06月22日/足ノ松尾根〜頼母木小屋/小林元一調査】

頼母木原で野うさぎと見つめあいました。途中、間近かで猿に吠えられました。1人歩きならでは、ですね。
4.45、自宅出発。6.00、71.1k350m。 胎内ヒュッテ着。朝食の後、長〜い林道歩きに備えてウオーキングシューズに履き替え。
出発 6.20。クロバナエンジュ・ヤマブキショウマ・トリアシショウマ。6.45、410m浅野橋を渡るとすぐ右に奥胎内大橋。この先未舗装。6.50、兵隊さんの慰霊碑。7.05、460m頼母木大橋を渡るとすぐ足の松尾根取付着。車が12台ほど入っている。
7.10、登山靴に履き替えて出発 。7.53、710mちょっとスリリングなヤセ尾根の岩歩き。「ニの岩」(仮称。姫子の先にもう一か所ヤセ尾根の岩歩きがある。それを「一の岩」とする)下の沢から春ゼミの合唱。足場は良いが、ロープのある一直線の急登。登りきると前方に展望。道は直角に左折。
姫子の峰(ここにはシッカリ標識があるが、以降、英三の峰・滝見場には標識は見当たらない)8.24、810mコメツツジ・ツピーツッピーツピー(鳥の声)。「一の岩」。8.45、910 m滝見場。
9.07、「水場」(1,000 m)。標識があるが、水はない。9.23、1110m「水場へ約80m」の標識。ザックを置いて確認に行く。直ぐ先の鞍部はかなり大きな雪渓が残る。水場はかなり下る。雪渓は消えていたが水は無い。トラロープが更に沢を急角度で下っている。「死ぬか生きるか」という時なら、更に下れば水はあるかも知れない、が、今は行かない。
ギンリョウソウ・ユキザサ。登山道に戻り、鞍部の雪渓を掘って雪を水容器につめる。9.50出発。ひと歩きで素晴らしいぶな林。緑陰の道。10.17、1260m黙々と登る途中、いきなり直ぐ近くで「ホア〜ッ!!」とけたたましい声。反射的にこっちも「ワア〜ッ!!」と叫んでしまう。心臓パクパクで薮に目をこらすと、一匹の猿だった。そういえば、今朝、黒い犬を連れて登る人を見たが、関係あるか?
やがて360度展望のピーク。眼前に胎内尾根、門内小屋・二つ峰・滝沢・郷倉。その向こうは赤津・藤十郎か?左手は大樽からアゴク・鉾立。6月5日(木)佐藤れい子氏が単独であそこを歩いた報告が「越後の野うさぎ」 http://www7.plala.or.jp/echigo100zan/hyoushi.htmlに出ている。スッゴイナア〜と何回も読んだ(なんと、実はこの時、「薮ネット」のパーティがあそこを歩いていたと、後で聞いて分かった)。
前方にはこれから登る「ダマシ」大石がど〜んと立ちはだかる。チゴユリ・マイヅルソウ・コイワカガミ・キジムシロ・キスミレ。ツバメオモトが一株。10.40、1400m二つ目のピーク。この辺からヒメサユリが見頃。展望ますます良し。11.08、1530m。三つ目のピーク。アカモノ今日お初。右上・前方に、頼母木小屋とその手前、頼母木原の草原が広がる。
11.18、1567m大石分岐通過、笹原を下る道脇にヒメサユリ(まだ濃いピンクのつぼみもちらほら)、そして、ハクサンチドリ・ウズラバハクサンチドリ。鮮やかな新緑と眩しい残雪! 来た〜、ついに来た、ここへ来たかった。シロバナハクサンチドリが一株。11.30、1530mここにザックを置いて頼母木小屋まで往復。ミヤマヤナギ。ハクサンイチゲは終わりに近い。鉾立から頼母木小屋への稜線にマルバシモツケが多い。今が見頃、質素可憐。ノリウツギも多いがまだ花をつけていない。ナナカマド。ウグイスが耳もとで美声を聞かせる。シロバナニガナ。ミヤマモンキチョウ・アサギマダラ?(違う?)。ツマトリソウ・ミヤマアカバナ。登山道脇に大きな雪渓。シモツケ・エンレイソウ・タニウツギ。15センチ位のアザミが立派に花をつけている。12.05〜12.10、1,610 m 頼母木小屋。
黒川村役場の話では水を引くのは7月半ば頃の予定という。直ぐ下の雪渓で雪を水容器に取る。男性が1人可愛いテントを張っていた。
12.30、頼母木原の小さなピークで低木の中からガサガサドタドタと物音!ハッと振り向くと野うさぎ!茶色の毛、大きな耳、つぶらなひとみでじっとこっちを見る。鼻をヒクヒクッとした後、また低木の中へ消えた。12.35、1550m。昼食。頼母木川から吹き上がる風に乾杯!薄い雲が強い日射しを隠し、最高!ザックをまくらに、心を奔放に遊ばせて、とろとろっと横になる。
13.50出発。14時大石分岐通過、14.15、1400m二つ目(ヒメサユリ)のピーク。今日は夏至、ゆっくり降りても大丈夫。14.30、1290m展望のピーク。振り返って頼母木に別れを告げる。やがて道はぶなの緑陰に入る。14.35、1210m。73才のおじいちゃんが1人で休んでいる。大石まで登った帰りという。う〜ん、俺も73才で足の松を登りたい。しかし、連れの女性3人は先に降りたと聞いて複雑。
緑陰の中一直線の下り。14.45、1110m鞍部(水場分岐)の雪渓。イワウチワ・ショウジョウバカマ。15.00、1060m水のない水場。松の根に感謝しながら歩き、なんで「松の足」尾根でなく、「足の松」尾根なんだ?と考える。眠れなくなりそう。15.22、960m刈払いされた休み場、すぐ滝見場。15.34、880m激しく下り続けた後、「一の岩」。16.00〜16.15、810m姫子の峰、「大石山まで3.2k」の標識。7分ほどで「ニの岩」760m。女性が1人登ってきたので、てっきり73のおじいちゃんを迎えに、と思ったら違った。この人から薮ネットのパーティが今日アゴクへ行ったことを聞く。16.55、460m足の松尾根取付帰着。車2台と自転車が残っていた。
靴を履き替え、登山靴を持って17.05発。てくてく、てくてく。小屋近くなって、おじいちゃんの連れの女性が「会わなかったか?」と聞いてくる。結局おじいちゃんは17.45頃下山、ウマク車に乗せてもらって、俺より先にヒュッテに着いた。17.55、410m胎内ヒュッテ着。小屋のおじさんと立ち話。小屋建替えは予算の都合で2年がかりの予定とか。18:00ヒュッテ発。19.25、自宅帰着 。
<motoichi@ka2.so-net.ne.jp>

アゴク〜鉾立の稜線 水場 沢出合
シロバナハクサンチドリ・ウズラバハクサンチドリ
大石山・鉾立峰・杁差岳
ヒメサユリ 大石山 頼母木小屋前