登山者情報733号

【2003年07月19-20日/石転ビ沢〜梶川尾根/粕川令人調査】

同行者:志田秀雄、梶熊喜美子
7月19日
5:07山形発、空模様はあやしく天気予報も芳しくない。山行中止の可能性が大きいことを告げて天狗平に向け出発する。7:10天狗平、相変わらずの天気でたまに小雨も降ってくる。今回のメンバーは石転びを登りたいと言うので同行した方々であり、梶川を登ると言う訳にはいかない。出合いまで行きそこにテントに泊り石転びの雰囲気だけでも味わう。またガスが濃くなったら引き返す事を了解してもらい、持って行く予定の無かったテントをザックに詰め込んだ。
7:36出発、登山届けの所では武田恒太郎さんが受付をしていた。忙しそうだしこちらも同行者がいるので長話はしなかった。9:40梶川出合いの少し前で雪渓に降り、雪渓を登り始める。この前崩落事故があったばかりであり注意せざるをえない。梶川出合いの前で雪渓が切れ少々踏み跡をたどる。梶川出合い下部の雪渓を慎重にトラバスをする。ここで何人かの方々が難儀されていた。梶川のところはは巻き道を通ったほうが懸命であろう。(雪渓が大変薄いスノーブリッジくなっています、雪渓ではなく梶川を渡ってください←注:高橋健二)
10:10石転び出合い付近ではガスが濃く、石転び沢側に旗が立ててあるのだが対岸からは良く見えない。11:05石転び沢に取り付いたところでザックを降ろし昼食にする。霧が薄れてきたので門内沢の方を見ると数名が登ってゆくではないか。大きな声を出したら気が付いてこちらを見た人がいたので、身振り手振りでコースアウトを伝えた。こちらの意思が伝わったようで引き返してくれた。1パーティーと思ったのだが、視野に隠れていた所からも引き返すパーティーが出てきた。どうやらわれわれ以外の付近にいた全員が門内沢に向かったらしい。4人、8人、2人のパーティーが我々にお礼を言い登っていった。聞く所によると伝言ゲームのようにコースアウトが伝わったと言っていた。近くにいる10人くらいの方々も対象者らしい。彼らのうち梶川出合いで難儀されていた方も見かけた。それら方々が門内沢を詰めると考えるとぞっとする。
11:25ある程度の視野が確保できてきたので出合にテントは張らずに登り始めた。まもなく雲の上に出、上方の視界が開けた。下方の出合いは雲の中である。同行者の希望もありここで予定変更、石転び沢を最後まで登ることにする。良く言えば臨機応変、裏を返せば優柔不断なリーダーである。
先ほどお礼を言って追い越していったパーティーが沢の真ん中で無防備な体勢で休んでいる。ここは「石飛び沢」だから上を向いて休むように注意したが余計なお世話だったかな。(梶川尾根からも落石の跡で休んでいる登山者が確認できました、大変に危険な自殺行為です←注:井上邦彦)
13:30草付きに出る。(草付キ(中ノ島)上端の雪渓トラバースには雪渓がまだ残っています。梅花皮小屋直下の雪渓を登り切ると梅花皮小屋です←注:井上邦彦)
14:30梅花皮小屋着。管理人棟には高橋健二さん、金さん、関さんがいた。先週一緒に飲んだ時に同じ日に登ると言っていた井上さんはいなかった。この天気で、3人の女性を石転びを案内する予定を急きょ変更し梶川尾根を案内して登っているのであった。賢明な判断である。
せっかく持ってきたのだし小屋が混むことも懸念しテントを張る。夕食が終わりお茶の準備をしている時に声が掛り、管理人棟で管理人の方々、井上さんのグループ、私のグループで山の談合が始まった。
7月20日
4:30起床。ほとんどの方々が5時半頃には出発していたが遅発ちを決め込んだ私たちは人気の無くなるまでゆっくりした。7:00雨の中を出発。視界が悪く楽しめるのは高山植物くらいである。でも今日は下るだけなのでここの花がいい、あそこが良いと時間を気にせずにゆっくり行動した。同行の梶熊さんは実に植物に詳しく代表的な高山植物(花)きり分らない私はまったく歯が立たなかった。オノエランが有った。イイデリンドウのつぼみ。カワラナデシコが咲きそうとこられては脱帽だった。
7:20北股岳、8:26-50門内小屋、9:32扇ノ地紙、9:55〜10:42大休憩昼食。11:05梶川峰、雨も上がり視界が利いてきた。遅発ちのおかげで梶川尾根に入ってからはほとんど人とは会わず、山が独占できた。雲に隠れ全景が見らないもののダイグラや石転びを眺め、梅花皮滝を望みながら下山する。12:45滝見場、13:30湯沢峰。15:05天狗平下山、川入荘の露天風呂で汗を流し帰路に着く。