登山者情報776号

【2003年12月28-01日/松ノ木尾根〜飯豊山/高貝喜久雄調査】

小国山岳会2003-4冬山合宿(新人訓練)
本隊:JM7MDE・JO7BBJ・JM7ECB・JI5VCK・三島亮、支援隊:JO7AXL

12月28日
13:00山都町川入「村杉荘」に到着。曇り。14:15松ノ木尾根の取り付き地点タカッコ沢までルート工作とトレースつくりに、スキーを剥いで出発する。15:40砂防堰堤に到着、スキーをデポして輪カンに履き替え、左岸の樹林地帯を進む。06:10松ノ木尾根取り付き点に到着、Uターンして帰路につく。17:30川入に帰着、飯豊鉱泉の小椋さんが、暗い中を途中まで迎えに来てくれた。17:45団体装備や食料の仕分けをし、配分してパッキングを行う。18:30小椋秀春氏のご厚意で、今回のために冬期閉鎖してある村杉荘をわざわざ掛けていただき宿泊することが出来た。夕食は鉱泉のご兄弟も交えご馳走になる。
12月29日
04:00起床、朝食。曇り。05:35薄明かりの中、スキーを履いて村杉荘を出発する。06:13川入キャンプ場、06:50堰堤でスキーをデポする。07:10出発、輪カンを履き堰堤より樹林帯に入る。昨日付けたトレースを辿る。07:45尾根の取り付き点に到着、下界は晴れたが稜線は悪天の様子。08:00、23日の偵察時に架けた丸木橋を渡り尾根に取り付く。09:00瘠せ尾根を登り一本松に到着。偵察時にデポした燃料缶を回収し、ラッセルをしながらひたすら登る。稜線の天気が悪くなりだした。下界は晴れている?
13:00樹林帯を抜ける頃から、ホワイトアウトで風も強くなる。14:00稜線近く、ホワイトアウトで強風とブリザードが激しく行く手を阻む。ザックが風に煽られるが必死で耐える。15:00稜線に出た。視界が悪くブリザードで方向が定まらない。以前に登った時の記憶を頼りに、雪庇に注意して地形を読みながら登る。15:45時間ぎりぎりで三国小屋に到着、全員かなり疲れている様子。途中でのテント泊も考えたが、頑張って1日で入れたので本山アタックのチャンスが出てきた。17:00夕食、今日一日の行動についてミーテング。
12月30日
06:00ホワイトアウトで視界なく、強風で行動は不能、様子をみる。08:00昨日の疲れもあり、遅い朝食となった。10:00天候が回復してきた。サポートのAXLが下山する。11:30風も弱まり視界も良くなってきた。予定通り切合小屋への前進を検討したが、今後の気象条件の見通しは悪い、実行すると下山する時のリスクが大きくなるため、前進基地を三国小屋に計画変更する。
12:30種蒔山方面にルート工作と訓練を兼ねて出発する。今年は積雪量が少なく雪庇が薄い。亀裂が多く前方2m先の雪庇の崩落にも遭遇した。途中での訓練は、雪庇の構造や成型過程、雪庇の危険な場所の見分け方、その他ルートの選定方法など学習を行う。
15:00種蒔山に到着、Uターン。16:30三国小屋に帰着、天候が回復し遠くの稜線も見えてきた。明日は多分、午前中は天気が持ちそうだ。本山までラッシュをかけることにしてアタックの準備をする。17:30夕食、今日一日の行動についてミーテング。明日のアタックに備え早々に就寝する。
12月31日
05:00起床朝食、晴れているが風は強い。アタック可能と判断、-15℃。06:40三国小屋を出発。本山到着12時をリミットとし、午後は悪天候の中の帰還になるだろう。隊のトップとラストは、リーダーとサブリーダーが交替で勤める。
06:45、2003年最後の御来光が、遠く蔵王の山より拝光、元旦の御来光は期待できないだろう。-13度。七森は西斜面をトラバース、種蒔山は南側の急な雪面をトラバースして直下のルンゼをダイレクトに登った。08:15種蒔山に到着。
08:45切合小屋に到着、休憩もそこそこに出発。09:45草履塚に到着、視界良好で素晴らしいパノラマである。本山や大日岳が眼前に迫る。御秘所の岩稜通過は、風が強いので岩稜の裾の雪面をトラバースして通過した。11:30予定通り本山に到着した。風が強くなり視界も悪くなってきた。
12:10本山を出発、帰途に着く。予想通り天気が悪くなってきた。帰りを急ぐことにする。12:40御秘所を通過する。視界悪く風が強い。13:20切合小屋到着、時折激しいブリザードに見舞われる。種蒔山からは、視界悪く赤旗を頼りに進む。ブリザードが激しくて暫し立ち止まりを余儀なくされる。
15:45三国小屋に帰着。今日は9時間の行動であった。16:30ビールで成功を祝い乾杯、美味い!
01月01日
05:00起床、朝食。高曇り。視界は良好。予備日が1日残るが、天気が安定している間に下山することにする。08:30三国小屋を出発、下山。
11:30松ノ木尾根取り付き点に到着した。11:55堰堤に到着、デポしてあるスキーを履き下る。12:50川入に到着した。鉱泉の小椋さん宅より、預けておいた車の鍵を受け取る。13:30飯豊の湯で疲れを癒し、解散した。

今回3人の新人を連れた冬山合宿を成功に導いたのは、ご厚意で協力を頂いた小椋秀春氏、飯豊鉱泉の小椋ご兄弟、及び新人達の個人装備類を調達してくれた小国山岳会の諸兄の皆様によるご協力の賜物で、ここに感謝を表します。
CL: JM7MDE、SL:JO7BBJ

三国小屋を出発
七森に向かう
七森を背景に
種蒔山を背景に
飯豊山神社(飯豊本山)にて
大日岳を背景に