登山者情報778号

【2004年01月10日/猿鼻山(983m)/吉田岳調査】

 今日は朝から久しぶりの快晴、放射冷却で最低気温が-13℃まで落ちこんだ。登山道具を車に詰め、河原角へと向かった。河原角公民館に車を止めさせてもらい、300m程引き返した蕨園より登山を開始する。8時15分、山スキーを履いて出
発。輝く太陽のお陰で体温も少しつつ上昇し、40分ほど歩いた所でやっとヤッケを脱げるほどになった。雪質は現時点では最高のパウダーだが、帰りには湿雪になっている事は予想がつく。
蕨園の最上部(530m地点)から尾根道へ入る。ふり返ると朝日連峰が綺麗に見渡せた。積雪量は予想よりも更に少なかった。薮が埋まっておらず、30分ほど歩いた所であっけなくスキーを脱ぎ、かんじきに履き替えた。 ザックに刺したスキーが木々の枝に引っかかり歩きにくい。雪質も所々硬雪になり、キックステップが必要になってきた。いつもは尾根筋下をトラバースする地点も少雪で入っていけず、尾根筋をそのまま歩いた。山頂に繋がる本尾根に合流しても、まだかんじき歩きを続けた。帰りは別ルートを取ることとし、それを探しながら登っていく。久しぶりの登山で、足の筋肉に疲れと痛みを感じた。標高700mを越えてなだらかなスロープになった所で休憩をとった。
 スキーに履き替え、ブナ林の中を再び歩き出す。林の切れ間から右手には聳え立つ大境山、杁差岳の姿が、左手には遠くに蔵王連峰が見えた。山頂手前の940m辺りでまた痩せ尾根になったため、スキーをデポしてかんじきに履き替えた。天気は急に下り坂になってきた。しかしこれは予報通りである。12時15分山頂に到着した。
 残念ながら飯豊連峰は杁差岳以外は雲の中になってしまったが、それでもやはり気持ちがいい。2年ぶりの山頂だが、改めてここの展望の良さを再認した。
 12時30分 下山開始。しかしスキーデポ地手前で「ひやり」が起きた。薮が邪魔で雪庇ぎりぎりを歩いていた時、すぽっと雪庇を踏み抜いてしまったのである。慌てて柴を掴み宙ぶらりんになったのだが、そこから這い上がり事無きを得た。あまりにも見事だったので一人で笑ってしまった。気を取り直し、スキーに履き替え、滑降を開始した。快適にブナ林を滑る。そして720m地点からの(2つ手前の)尾根を滑って行くことにした。滑り出しは雪崩に注意し、そして慎重にコースを選びながら滑っていった。意外と薮が少なく、登り返しも無くていいコースである。忘れないよう所々にマークをつけた。出たのは蕨園の南端である。そこから平ら地をスケーティングで進み、元の道に合流して、13時50分登り口に到着した。

猿鼻山(右から2つ目)と飯豊本山(左奥) 蕨園から河原角集落
遠くに朝日連峰 標高700m付近の稜線
山頂より枯松・大境山