登山者情報791号

【2004年03月10日/長井葉山(オケサ堀コース)/吉田岳調査】

 この葉山には2年前にI氏と白兎コースをスキーで登っているが、薮が多くてスキーにならないとのご批判を頂いた。では別コースと言う事で、距離は長いがそのぶん傾斜のなだらかなオケサ堀コースを狙うことにした。長井市西根の中里集落にある古代の丘資料館に車を止めさせていただく。この上にも民家が2軒あるが車を転回できるスペースはない。
 7時40分、スキーを履いて出発。昨日まで降っていた雪も、今日は一転して快晴。日中はかなり気温が上がる予想のため、涼しい内に先を急ぐ。しばらく標識のある車道を進み、大石川のダム道に入っていく。小さな砂防ダムをいくつか越え、沢の左岸に入った辺り(530m)から夏道を離れ、北側の斜面に取りつく。斜面はブナ・ナラ林になっており斜度もそこそこではあるが、昨日まで降っていた雪に今日の気温ではさすがに雪崩が怖い。慎重に登って行く。9時20分、本尾根と合流したすぐ上の平ら地(740m)にて一本。長井市から米沢市にかけての、朝もやと屋敷林の田園風景が墨絵のように美しい。この景色がこの山の一番の見所かもしれない。カモシカがじっとこちらを眺めていた。
 標高が上がり、風が少し出てきたため暑さは少し和らいだ。雪目と日焼け防止にはキャップ・タオル・サングラスの他、時々雪で顔面を冷やす。これが非常に効く。雪質は握れば水が滴るほどにグチョグチョだが、こんな時はスネークシール(製造中止予定)が絶大な力を発揮してくれる。少し滑りやすいが絶対にぼっこ(雪が玉・団子になりシールにくっつく事)にならなのだ。10時15分、夏道のオケサ堀コースに再び合流した所の鞍部(905m)でまた一本。水分と糖分を補給する。
 ここからはなだらかな稜線歩きである。左手は三体山・飯豊連峰、後ろに栂峰・吾妻連峰その右肩に磐梯山、右手に白鷹山・蔵王連峰・舟形山まで見渡せる。前方にある朝日連峰の山々はまだ見えてこない。葉山山頂手前の1201m峰まで行けばすべて見えるだろうと思い、そこを今回の目的地とすることにした。11時25分そのピークに到着。先ほどの山々にプラスして大朝日岳・大玉山・祝瓶山・白太郎山が見えた。ここから葉山山頂まではなだらかな稜線を片道30ほどで行って来られる。確かに朝日連峰の眺めはそっちの方が良いので、時間と体力に余裕のある方にはお奨めします。私はここまでとし、ビールを冷やして昼御飯の準備にかかった。
 12時10分、シールを外して滑降開始。稜線部はほとんどビンディングを開放したまま滑ったり歩いたりだが、これはこれで気持ちが良い。900m付近までのいくつかの小ピークも巻いたりして登り返す必要はなかった。740mからは登ってきた枝尾根には入らず、本尾根をしばらく進む。真っ白なウサギがスキーの早さに驚いてか、樹の根元からまた別の樹の根元へと逃げて行った。600m辺りから尾根を離れ、南の斜面に入っていく。この雑木林の斜面は意外にも快適なスキーコースだった。雪崩の心配はなく、木々の密度も斜度もばっちりだった。400m付近でダム道と合流し、来た道を降りて行く。途中で今年2度目のふきのとうを発見。お土産に頂いていく。13時20分駐車場に到着した。
 付け加えとして、このコースは山スキーでも良いがスノーシューがべストかと思われます。

林道よりオケサ堀方向 650mより長井市の眺め
740mより長井市の眺め 850m辺りからは急になだらかになる
目指す1201m峰 ピークより祝瓶山(左)大玉山(右)
ピークより大朝日岳(中) ピークより大朝日岳(左)葉山山荘(右)
ピークより置賜盆地の眺め ふきのとう