登山者情報795号

【2004年03月28日/西俣尾根〜頼母木小屋/井上邦彦・吉田岳調査】

今回の山行は、井上(HZU)が登山靴、吉田(AXL)が兼用靴、西俣尾根を登りあわよくば杁差岳も視野に入れて計画した。また始めてGPSを持参し、実用度を調査することとした。
05:00例により道の駅で合流、HZUの車で長者原を目指した。奥川入に顔を出し、車を置かせていただく。05:50スキーを履いて民宿奥川入を出発した。かりかりの凍み雪である。05:59-06:03取り付き、手前の沢は滝が出ている。ここでスキーを担ぎ尾根道を登る。マンサクが開き始めで、イワウチワはまだ咲いていない。例年よりかなり雪が少なく、亀裂を乗り越すこともなく順調に高度を上げる。最後のトラバースも雪量は多くない。
06:28主尾根に出て、夏道と雪道を交互に進む。右手の雪斜面を登り、06:55右から尾根を合わせると急登の終了である。06:57十文字池(埋もれている)を通過し、07:01-22食事を摂りながら、GPSのテストを行う。殆ど正確な位置を示している。
先日下ってきたパーティの足跡が明瞭に残っているが、堅雪なので関係ない。快適に高度を上げ、07:52左手から尾根を合わせ、08:00-08西ノ俣峰山頂に到着する。GPSは標高1,038m56分47.8秒、33分35.6秒を示している。ここでスキーを履く。巨大な雪庇の上を進み、08:25ピークを越える。杁差岳の雄大な景観に包まれ、巨大な風地形を過ぎて、08:46枯松峰山頂に至る。
若干下った08:50-53、HZUがスキーをデポする。AXLは行ける所までスキーを使用することとした。最低鞍部にはやはり藪が出ていたが、現時点ではスキーでも通過できる。09:00-05これからののぼりに備えて食事を摂る。09:43森林限界を通過した所から右に斜上し、09:51三匹穴に到着する。1,530m10:00-02HZUはアイゼンを履く。後方の大境山から枯松峰に至る県境尾根を見下ろす。1,590m10:13-16食事を摂る。ここでAXLがスキーをデポしアイゼンを履く。片手にストック、もう片手にピッケルを持ち、左に斜上して騙し峰を過ぎた鞍部に着くと予想通りに風が出てきた。
10:44-47頼母木山々頂1,728m35.4.8、37.29.1で石柱と地蔵尊を背景に記念撮影。歩きながらOTJ・MXLと交信する。時間的に杁差岳は諦めて、11:01-12:27頼母木小屋でラーメンを煮、缶ビールで乾杯。外に出てみると騙し峰を登っている登山者が見えた。
頼母木山手前から旧道ラインで下山を開始する。足跡を見ると、1名は登山靴、もう1名はスキー靴である。彼らは小屋まで来ないで山頂からすぐに下山したようである。AXLがスキーを準備している間に、私はどんどんと下る。12:59三匹穴を通過。やがてAXLが鮮やかにシュプールを描いてHZUを追い抜いていった。AXLは鞍部でスキーを担ぐ。13:26HZUもスキーを回収して、13:29-47枯松峰山頂に立つ、GPSは標高1,191m37度56分02.4秒、139度38分19.5秒を差している。ODD・OTJと交信する。PWDのスキー金具はジルベレッタである。シールを剥がしてゆっくり下ると、僅かの衝撃で簡単に金具が外れた。慎重にターンを繰り返して下っているうちに、次第にジルベレッタに慣れてきた。雪庇の具合を確かめながら楽しんで下る。オオフタガリの巨大な雪橋が見えない。吹き付けには発電所の関係者が掘ったのだろう、トレースが確認できた。
14:16-46西ノ俣峰で2人の登山者と会う。新潟の伝さんと村上のスキーヤーで、共に単独とのことである。しばし山談義に花を咲かせる。今日は晴天なのに不思議と雪崩れの音が聞こえない。ここから先は、スキーに最も自信のないHZUが先頭を下る。最初は尾根の右側を下り、途中から左に横断して登山道に出る。その後も右斜面を利用してルートを楽しみ、15:03池に到着する。左斜面を利用して下り、15:07スキーを脱ぎ尾根道に上がる。スキーを担いで尾根道を下る。枝尾根に入ると、雪崩に注意しながら左の沢を下る。最後は左の尾根に逃げて、潅木を掴んで崖を下る。雪上に出た所でスキーを履き、15:44奥川入に到着した。

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