登山者情報797号

【2004年03月24日/日中飯森・鉢伏山/吉田岳調査】

 米沢市から大峠トンネルを越えてすぐの待避所から、このコースはスタートする。小国の人にはあまり知られていない山だが、昨年同様今回もトレースがついてあり、冬のコースとしては意外と人気のある山のようだ。ちなみに夏の登山道としては日中ダムから鉢伏・飯森山を経て栂峰へいくコースが整備されてある。今回も昨年同様(登山者情報690号参照)、飯森沢を挟んで左岸の尾根を登り右岸の尾根を下ってくるというコースをとった。
 7時40分スキーをザックに刺して、壺足で待避所を出発。飯森沢を渡る事がまず一つ目の関門になる。かなりの硬雪のため無理をせずに右岸を大きく巻いてから渡渉し、左岸の尾根取り付き地点に辿りつく。ここからもしばらくは急登のため、そのまま壺足で登って行く。890m地点より傾斜が緩くなったためスキー歩行に変えた。綺麗なブナ林が続く。1200m頃より、対岸に真っ白な鉢伏山が見えてきた。しばらくして今度は飯森山が顔を出す。これまた真っ白で大きな山である。1350m付近の痩せ尾根になった所で、またスキーを脱いで壺足になる。ここから1518mピークまでの痩せ尾根地帯がこのコースの核心部である。雪庇、クレバス、そして滑落に注意しながらルートを選ぶ。最後のピークは右から巻いて、10時10分、1518mピークに到着し、一本。すぐ近くに栂峰が見えた。その向こうには蔵王連峰が聳えている。痩せ尾根を振り返るとその向こうに磐梯山が綺麗に見える。
 少し下ってから、1556mピークへ登り返す。そこからまた下って最後の飯森山への登りに入る。この辺りは見晴らしが良く、最高に気分が良い。緩らかな尾根筋にウサギやカモシカの足跡が転々とあり、とりわけ地上の楽園といった感じである。11時、飯森山頂に到着。ただここは雪庇が出ているためその少し先の1590m峰で休憩を取り、滑降の準備にかかる。
 ピークから下の鞍部まではあっという間に滑り切り、今度は鉢伏山に登り返す。11時30分、鉢伏山登頂。西側の風下に腰を下ろし、雄大な飯豊山を眺めながら昼食を摂る。ちなみにスキーが目的の人、あるいは技術・体力に自信の無い人は鉢伏山ピストンコースをお薦めします。ここからは滑る一方である。夏道を離れ、南方向に痩せ尾根を辿って1462mへ。そこから南東方向に尾根を滑る。1350m辺りからは立派なブナ林内のスロープに入る。雪は少し重いが、もう最高のゲレンデである。このゲレンデが国道の待避所まで続く。そしてまさに車のすぐ側まで滑り降りたところで、12時20分無事下山となった。 

登り1200m地点より 鉢伏山が見えてきた
痩せ尾根の様子 遠くに磐梯山
栂峰(中央右)、バックに蔵王連峰 飯盛山が近づいて来た
飯盛山への最後の登り 飯豊連峰
次は鉢伏山へ向かう 1462mより下りのコース
スキーゲレンデ スキーゲレンデは国道まで続いた