登山者情報802号

【2004年04月25日/蛇引尾根〜北大玉山/井上邦彦調査】

注意:徳網集落で林道には鍵が掛かっており、一般車両は進入できません! 除雪は大石橋まで完了しています。

前日は宇津峠で降雪、翌日に掛けて山間部では雪の予報。装備にワカンジキを加え、真新しいカッパを準備した。
04:30雷鳴を聞きながら自宅発。周囲の田んぼや車道に雪が積もっている。夏タイヤに替えたばかりなので、4WDにしてゆっくり走る。
徳網集落の末端にはチェーンが張られ鍵が係っている。一般車両は進入禁止である。山ノ神で1台の対向車とすれ違った。05:28駐車場に車を置いて歩き出す。積雪は約10cm。
1枚板の大石橋を渡る。ワイヤーを持つ軍手が濡れる。大石沢の雪を被った橋板は傾いており、バランスがとりにくい。袂の小屋は登山者の利用が出来ない。最近、あたかも私用できるように記載されている登山地図を見かけたので注意すること。

小沢の階段を降りると、05:48祝瓶山分岐の標柱が露出している。ここから段丘の上を進み、ロープを掴んで橋に降りる。今回は伸縮式のストックを使用してみた。吊橋を渡る時は引っかかりにくく便利である。白布沢は飛び石伝いに渡るが、スパイク長靴を履いてきたのでかまわず渡る。白布平は夏道が時折分からなくなるので、勘で進む。断続的に雪が降ってくる。
吊橋を渡り06:23-50角楢小屋に到着する。中で食事を摂るが、小動物が中に入ったようで、床に塵が散乱している。プラスチックブーツに替え、長靴を小屋にデポする。雷が鳴り、屋根から雪が落ちる音がする。
外に出ると晴れてきた。雪が積もり登山道にのしかかる枝をストックで払いながら進む。積雪20cmまた雪が降ってきた。平坦なブナ林に覆われた広い河岸段丘は何処を歩いているか分からなくなる。雪を纏ったブナが美しい。07:08小沢を通過する。ブナの新緑に雪が積もり重そうにうな垂れている。07:19小沢を通過する。07:25沢は深いので山際に登り直して渡る。
07:40-47大玉沢を渡る。右岸に下りるために付けられている枝が折れている。橋を渡るときに注意が必要である。食事を摂る。尾根に取り付くと一度露出した夏道の上を新雪が覆っている。イワウチワの花が雪に包まれていた。08:18以前山開きで寝てしまった広場を通過する。所により膝まで潜る。足場を探りながら大股で歩く。必然的に、爪先だけで登ることになり、脹脛の筋肉に負担が掛かる。振り向くと晴れてきた。
810m08:28大玉山と蛇引尾根上部が見えた。08:35、845m峰の左手は船窪地形になっている。白太郎山が見える。960m08:57-09:05食事、09:09突然祝瓶山が見えた。990m峰09:16を通過し、09:20以前蛇引清水へ行く分岐があった所を過ぎる。09:24雪で痛まないように、ブナに「蛇引の清水」と書かれた看板を縦に縛り付けていた。
新雪37cm膝まである。登山道では膝を越えたので、左の雪面に出て、ストックで雪面を叩き雪崩の安全性を確かめ、藪のぎりぎりを登る。
1,060m09:57-10:06食事、ここでワカンジキを履く。1,220m10:22森林限界となり登降のない尾根が続く。平岩山方面は見えない。思った以上に痩せ尾根が続く、10:41ピッケルを出しストックと併用する。祝瓶山の背後に飯豊連峰下部が見えてきた。10:54大玉山々頂が見えたが、遅々として進まず。北大玉山は上部が藪となり、特定の高度から下は雪斜面となり、まるで坊ちゃん刈りである。11:07-12食事を摂る。
11:35-40稜線の分岐に出る。標柱が立っている。デジカメのCFカードを入れ替える。ここから北大玉山までも疲れた身体にはきつく感じられる。風がやや出てきた。登山道を嫌って、右手の雪上を歩くが、雪庇は殆んど発達していない。
1,469m12:04-19北大玉山に到着する。眼前に大朝日岳が覆いかぶさるように広がる。平岩小屋建設予定地を撮影し、暫し風景に見とれる。携帯電話が通じた。無線で呼ぶとGZKが対応してくれた。タイムアップである。ここから下山とする。
12:29稜線分岐から尾根に下る。遠くから暗い世界が近づいてくる。やがて視界がなくなり、風と雪の世界になる。この繰り返しである。12:57森林限界を通過する。今回は登る時に縛ったデフ布を全て回収することにした。13:10-16清水の看板でワカンを脱ぎ食事。急に足が軽くなる。
13:21ピーク、13:34-35船窪地形の小峰でカッパと帽子を脱ぐ。マンサクが咲いていた。13:42昼寝の広場を通過する。眼下に角楢平のブナの新緑が広がる。13:59大玉沢を渡る。登りで一汗をかくとブナ林になる。14:07-14小沢のほとりで食事、ブナ芽の皮が舞い降りてくる。
14:48-15:52角楢小屋でラーメンを煮て食事。長靴を回収する。16:14白布橋を渡りひと登りして、16:22祝瓶山分岐を通過する。橋は全て雪が消えており、楽に渡る。大石橋を渡り車道に出ると、10mほど目の前を獣が悠然と横切って行った。頭部は確認できなかったが黒茶、アナグマくらいの大きさで、太く水平に伸びた縞模様のある尻尾が印象的であった。足跡を探したが見つからなかった。16:41駐車場に到着。今回の山行を終えた。

今回のコース

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