登山者情報808号

【2004年05月08日/白倉山/井上邦彦調査】

早朝、息子を米沢まで送り、そそくさと山道具を整えて自宅を出発した。藤田栄一氏宅に立ち寄り、山の様子を聞く。泡の湯温泉と岩魚ランドをすぎて、中俣沢と横岩沢を過ぎた砂防ダムが林道の終点となっている。車の距離計は岩魚ランドから30kmを示している。ここから目指す白倉山が見えた。
09:24駐車場を出発する。内川左岸の歩道を進む。09:43ドングイマタ沢通過、09:48雪達磨のように四角い石を積み重ね、鉄製の小さな鳥居とワンカップが供えられていた。山ノ神だろう。
10:00フクイ沢手前に赤布が2つあった。小原会員が付けたものだろう、ここから柴を掴んで急な斜面を本流に下る。渡渉にちょうどよい瀬があったので長靴で渡る。長靴を越えることはなかったが、左靴に穴が開いていたので浸水してきた。廃棄寸前のトラロープを持参してきたので、右岸を高く左岸を低くしてトラロープを仮設する、48mロープを2重にしてちょうど良かった。KDGメンバーが渡渉する時は新しい20mロープに取り替える予定である。
10:14 ロープの仮設を終え、高度計を400mに設定して河岸段丘から尾根に取り付く。このコースは以前に小玉川集落と滝集落を結ぶ峠道があったと聞いている。今は廃道となり誰も手入れしていない。尾根上の踏み跡は思ったよりかなり明瞭であった。所々に赤布を付けながら尾根を登る。530m10:31尾根左手が崖となっている。540m10:41ピーク(地図551m峰)を過ぎる。660m11:01高さ2m程度の簡単な岩を登る。680m11:07尾根右手に崖がある。ここまでの途中には、両側が切れた痩せ尾根もあったが、特に問題は感じられなかった。730m11:19この付近は平坦な傾斜で踏み跡はなく、ひたすらに藪を漕ぐ。
790m11:32山頂(滝川と内川の分水嶺)に到着する。山頂はブナに覆われており展望は効かない。滝側には雪が残っている。滝側の雪伝いに白倉山に向かった。最低鞍部には「229」と書かれたコンクリート杭が埋まっていた。途中で雪を取り、缶ビールを冷やしながら進む。途中から全く踏み跡がなくなる。810m快適なテラス、振り向くと夜蚊鳥屋山のブナ林が残雪の中で新緑に輝いていた。このすぐ上が急になり、左の尾根に斜上する、下山時間違いやすい、赤布を付ける。830m両側が切れた草付の岩稜、浮石注意、登りは良いが下降は高度感もあり不安。880m12:11岩に青ペンキの跡があった。この上の急斜面は潅木を掴んで力任せに登る。山頂の肩に出ると傾斜がなくなり猛烈な藪となる。数箇所にカモシカ?の休んだような跡があった。突然、大きな動物が藪の中を走り去る音がした。アヅマシャクナゲが飯豊を背景に咲いている。
930m(地図935m)12:25-35白倉山々頂、2-3人が休憩できるスペース。藪は身長より低いので飯豊連峰主稜の素晴しい眺めが満喫できた。向こう側を見ると、やせ尾根が続いている。猿鼻山と掛摺山(滝の丸山)の間に朝日連峰が連なっていた。栂峰ははっきりと見えているが、吾妻連峰はやや霞んでいる。ODDと交信し、下山コースを連絡する。携帯電話も使用できた。下山に万全を期すため、アルコールはお預け。
12:57-13:15、810mのテラス(広場)で昼食、夜蚊鳥屋山や栂峰の展望を楽しむ。ここでようやく缶ビールにありつく。極楽のようなテラスである。
765m13:20右の斜面をダイレクトに下る。幻想的なブナ林を経て、そのままオバタケ沢を下る。途中スノーブリッジや小さな滝があったが、ゼンマイ採りに比べれば問題なくルートを確保できた。
最後は尾根末端の段丘に上がり、14:20渡渉点に降りる。水は濁っており、朝より若干水量が増えていた。なんとか長靴を越えること渡渉できた。あとは花を撮影しながら、14:51駐車場に到着した。
今回確認した花
シラネアオイ(オバタケ沢)、エチゴキジムシロ(白倉山)、ユキツバキ、キクザキイチリンソウ、スミレサイシン、オオバキスミレ、ミヤマカタバミ、ニリンソウ、エンゴサク、エンレイソウ(以上は歩道)、キバナツリフネソウ、ムラサキヤシオツツジ、アヅマシャクナゲ(全行程で盛り)、タムシバ(以上は尾根上)

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