登山者情報810号

【2004年05月15日/丸森尾根〜石転ビ沢/井上邦彦調査】

大渕(林道入口)では顔馴染みである地元の方々が山菜券販売をしていた。一言二言話して通過する。天狗平の下の駐車場に車を留め、高度計を406mに設定、GPSの電源を入れて、04:59歩き出す。丸森尾根は何時もながらの急登であり、長さ調節の出来るストックの利点を生かす。オオイワカガミ・アヅマシャクナゲ・ヤマツツジ・ムラサキヤシオ・タムシバ・イワウチワ・オオバキスミレが咲く中、ズック靴で高度をぐんぐんと稼ぐ。岩場を越えた窪地には雪が残っていた。700m峰05:32-33暑いのでシャツを脱ぐ。ムシカリ・カタクリ・ショウジョウバカマが咲き、楢の根元にチゴユリが固まっていた。
左手の平坦な小沢源頭に雪が出てくる。1,020m 06:07-26登山道が残雪に消える。ここが夫婦清水になる。分岐も水場も全て雪に埋もれている。食事を摂りプラスチックブーツに履き替えるが、ブヨが煩い。
雪の小山を登ると夏道になった。もう少しズック靴で良かったかなと反省。1,200mで15m程雪が出てくる。両側が急に落ち込んでいる結構硬い雪である。ピッケルは抜かずにキックステップを丁寧に蹴り込んで登る。
1,290m07:10-15崩壊地から雪となる。ブヨに悩まされながら食事を摂りGZKと交信する。流石にここからはピッケルの世界となる。キックステップで直上すると雪上の潅木林となる。そのまま抜けたが、左の雪面に出ても良かったかも知れない。一度雪原に出て更に雪上の潅木藪に入る。地図を確認するが広い尾根上に道があるだけだ。登りながら夏道を探し、07:43夏道に出る。程なく夏道に雪がなくなり、1,530m07:48丸森峰に到着した。広場も標識も露出していた。道脇にはショウジョウバカマが咲いている。鞍部に向かうと登山道には薄い氷が張っていたが、温度が上がれば融雪水が取れそうだ。
ここからは雪原を笹原の突端と突端を結ぶように左斜面を登って行く。視界がない時の下山に迷いやすい場所である。1,650mでは尾根上が一面雪になっているので、左に巻く。08:25傾斜が緩くなると、忽然と藪と標柱が見えた。右手に草原が露出し、日本海と杁差岳が見えた。最後は数m夏道を上がって、1,775m08:29-38北峰の標柱に到着する。食事を摂りながら、粟島、佐渡ケ島と展望を満喫する。地神山までは全て夏道、標柱も三角点も露出している。
弥彦山と魚沼(越後)三山の間に白い山が連なっている。見覚えのない山である。もしかして北アルプスだろうか。地神山から雪を下る。途中雪が切れているが面倒なので柴を掴んでそのまま下の雪に上がる。後はずっと雪の上を歩く。新潟県側の夏道は全て露出しているが、雪上の方が歩きやすい。
09:21扇ノ地紙を通過、夏道の標柱は出ているが広場は雪の下である。門内小屋手前の鞍部では融雪水が取れそうであった。09:36-42門内小屋でデポを回収する。09:45-10:01門内岳でパッキング、コンパスで計ると244度、白い連山は北アルプスに間違いないようだ。急に重くなったザックに喘ぎながらギルダ原を進む。数輪のミヤマキンバイが咲いていた。今年始めてみる高山植物の花である。ニッコウキスゲがあちこちに芽生え始めていた。10:54-11:03北股岳山頂でODDと交信する。内川で山菜採り遭難があったようだ。僅かに夏道を下り、一気にグリセードで下る。
11:11-12:23梅花皮小屋。小屋を点検して食事を摂る。何時もの水場は涸れていたが、その先10mのホース先から勢い良く水が出ていた。徐々に登山者が登ってくる、スキーを担いだ方も多い。
梅花皮小屋からグリセードで石転ビ沢を快適に下る。途中で米沢道標の会の皆さんとすれ違う。電力とトラック節減のため電源を切っていたGPSだが、出発時に電源を入れるのを忘れていたことに気づく。このため、この間のデータはない。12:40ホン石転ビ沢出合を通過すると、ダケカンバの倒木が横たわっていた。
12:53石転ビ沢出合は大岩だけでなく、平坦な大岩まで露出していた。大岩の上で日帰り往復何人かが休憩していた。出合から見下ろすと大岩が大きく露出している。昨年の事故現場は大きく窪み、亀裂が走っていた。雪渓を下ると、左に曲がる部分から雪渓がなくなっている。若干戻って事故現場(赤滝の下流)から左岸の段丘に上がり夏道を歩く、大岩の間に下る所の雪の状態が悪いので要注意である。
梶川は途中に穴が開いている。さらに穴の下流から滝沢出合にかけて雪渓が薄く、数箇所穴が見えている。梶川を遡り露出している沢を飛び石伝いにジャンプし、梶川左岸の雪渓に強引に上がり、そのまま梶川出合下から夏道に入った。登山道から見下ろすと、滝沢出合下流の雪渓も亀裂が多い。
地竹原、婆マクレ、彦右衛門ノ平を進み、13:51-55うまい水で顔を洗い、喉を潤す。シラネアオイ・サンカヨウ・エンゴサク・エチゴキジムシロ・スミレサイシン・カタクリ・キクザキイチリンソウ・エンレイソウ・オオバキスミレ・ニリンソウが咲いていた。14:16砂防ダムを通過、車道を歩いて14:46天狗平に戻った。

一部スイッチの入れ忘れがありました

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