登山者情報813号

【2004年05月23日/中ツル尾根〜大朝日岳〜鳥原山/井上邦彦調査】

朝日鉱泉上にある駐車場は昨年より整備されていた感じがする。今年始めて軽登山靴を履き、GPSのスイッチを入れ、06:18出発。朝日鉱泉は営業されていなかった。登山者カード記載箱は、鉱泉の玄関に設置されている。鉱泉の駐車場から正面の大朝日岳を撮影しようとするとデジカメのバッテリー切れていたので予備電池と交換する。沢まで下り吊橋を渡る。道脇にはユキザサが咲いていた。「弘法水(湧水)」の標識がある枝沢で水筒に水を汲む。06:33鳥原山分岐の標柱を過ぎる。06:37旧朝日鉱泉跡に、御影森コース分岐の標柱が立っている。本流に下って、06:47吊橋を渡り右岸の歩道を進む。足場の悪い所には鉄杭と丸太で補強し、数箇所にはヌンチャクのような鉄鎖が整備されている。枝沢の小橋もコンクリートの土台にしっかりと固定され立派だ。ひと登りすると熊越が見えた。爽やかな新緑のブナ林をひたすら歩く。07:20吊橋を渡り、左岸に移る。取るに足らないような小さな枝沢にもきちんと橋が設置されている。やがて道は川岸の岩や川原を歩く。07:30枝沢の橋を渡るとすぐ、金属の標柱「出合」が立っていた。幕営跡から正面に目指す中ツル尾根が見える。
07:35吊橋を渡って、07:39-44食事を摂る。ここからいよいよ登りとなる。イワウチワ・ムラサキヤシオ・イワナシが咲いている。1,065mから時折残雪が出てくる。うっかりすると枝が跳ねるので注意が必要だ。全体的に飯豊に比べると傾斜が緩く感じる。08:27僅かな鞍部になると、残雪の上にブナの新緑が眩い。そのまま雪の斜面を登ると再び夏道になる。1,180m08:37-52小ピークを越えた所で食事とする。最近のコンビニお握りは小さくなったようで、1個で1時間持たなくなった。休憩毎にランニングシャツが絞れる。周囲にはムシカリ・ムラサキヤシオが咲いている。無線のスイッチを入れると電力不足、ヘッドランプから乾電池を抜いて流用し、GZKと交信する。私はザックの頭に充電式単V電池、ザック最奥の私物缶にリチウムを4本持参している。GPS・無線・ヘッドランプ・デジカメは全て単V仕様である。こうすることにより、電池を流用でき予備を最小限にすることが出来るからである。
1,380mから雪、下りならピッケルを出す所だが、慎重にそのまま登る。大朝日岳前峰(騙し峰)が見え、視界が開ける。ツバメオモトやマンサクが咲いている。1,410m09:23展望に優れた小峰、大朝日岳が眼上に広がる。ショウジョウバカマ・ミツバオウレン・ノウゴウイチゴ・ミネザクラ・ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイが咲いている。汗が滴り落ちる。1,640m10:00-05食事を摂る。飯豊連峰が薄く見えた。ヒメイチゲが盛りである。コメバツガザクラに励まされて最後の登りとなる。山頂に人影が見えた。騙し峰の手前で雪を取り、缶ビールを冷やしながら登る。
1,920m10:49-12:03大朝日岳山頂で大展望を楽しみながら、冷たい缶ビールで喉を潤し、ストーブでつまみを調理する。ブヨ除けのハッカ油が足りなくなりそうだ。暫くすると宮城の女性が古寺鉱泉から登って来た。やがて男性も1人、山頂には私も含めて3人となった。2人が下山した山頂でGZKと交信する。
12:11-14大朝日小屋を覗く。トイレは4穴のうち1穴使用可能。2階で登山者が一人寝袋の中で寝ていた。1,790m雪の斜面でピッケルを抜く。一気に雪面を銀玉水まで下る。17:00銀玉水で登って来た登山者と会う。熊越えから左の道を登るとまもなく、13:00十字路に真新しい標柱が立っており、別な下り道はトラロープが張られていた。
13:20-28小朝日岳山頂で食事。鳥原山までの左斜面は雪が張り付いている。1,555mまで夏道を下り、新しく刈り払われた道を抜け、池の脇を通り、1,535mから雪上となる。念のためピッケルを抜く。再び夏道に出るとショウジョウバカマ・カタクリ・タケシマランが咲いている。ピークを左斜面から巻いて鞍部に出る。登り始めると、驚いたことに石段が作られていた。木柵と敷石を組み合わせて整備されている。月山を思い出した。
14:17鳥原山展望台を通過する。左に山頂の道分けると眼下に小屋・湿地・木道が広がった。左下の標柱を目掛けて雪面を下る。14:30池沼の袂に古寺分岐の標柱が立っていた。ここから木道となる。小さなミズバショウが咲いていた。白滝との分岐にはヘリコプターで空輸された丸太杭が積上げられていた。
14:36-48新築された鳥原小屋を確認する。別棟のトイレも水洗式となった。休憩していると小雨がぱらついてきた。食事をして早々に下山を開始する。木道から登山道になると、排水用の溝が沢山掘られていた。作業はつい最近なされたようである。水で浸食される登山道にはこの方法が最も適していると思う。
15:24沢を飛ぶ、慣れない方は足を濡らすことになるだろう。リュウキンカ・ミズバショウ・ザゼンソウが咲いている。15:40崩れた道を巻いている所を過ぎると、すぐに標石がある。雨は止みそうにないが木々下の登山道を良いことに、カッパなしで下る。16:14ずぶ濡れで、中ツル尾根分岐を通過する。吊橋を渡ると「朝日鉱泉まで200歩」と看板が出ていた。数えてみると、ちょうど200歩で鉱泉前の駐車場に着いた。16:23さらに200歩で駐車場に到着。車の中で着替え、帰宅した。

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