登山者情報821号

【2004年06月16日/川入〜御沢〜飯豊山/井上邦彦調査】

15日勤務が終了後買出しをして山都町の川入に向かう。当初は小白布から登る予定であったが、入口に鎖が掛けられていたので、急遽大白布に変更する。新装なった御沢野営場でも車道には鎖が掛けられていた。本日はここで車中泊とした。自宅よりここまで110.0kmであった。
16日05:13御沢野営場から歩き始める。05:20橋を渡ると、右手に巨大な杉がある。以前小屋があった御沢である。指導標に従い車道を離れて右手の山道に入る。登山道はブナ林の斜面を登り尾根上に出る。05:46-48下十五里、06:01中十五里を通過する。3箇所の十五里の広場には杉が生えており、標柱が立っているので分かりやすい。06:16-21上十五里で食事を取る。小国口と比べて登山道は傾斜がなく、高度が稼げないので物足りなく感じる。今回は右膝に違和感があるので、無理をせずのんびりと歩く。ヤマツツジ・ガクウラジロヨウラク・アカモノが咲いている。06:40笹平は広場と言うよりやや広めの登山道に標柱が立っている感じだ。この先は一段と登山道が深く掘れている。樹間から三国岳や磐梯山が望める。マイヅルソウ・ショウジョウバカマが咲いている。06:50横峰の小屋跡を過ぎるとすぐ、06:51小白布コース分岐となる。この辺りは平坦な尾根道が続く。オオイワカガミ・ミツバオウレン・ムラサキヤシオが咲いている。07:00「地蔵水場道」の標柱に従って左手の登山道に入る。地蔵山を巻くように進むと、07:07-13「水」と書かれた菱形標識があり水音が聞こえる。この水場は登山道のすぐ傍にあり、水量が多く岩の隙間から勢い良く吹き出ている。中十五里の水場はあまり当てにならないので、この水場は有難い。水場を横断して進む踏み跡はトラロープで塞がれており、登山道は標識から水場の上を巻くようになっている。07:22地蔵山から降りてくる登山道と合流する。地蔵山に登る登山道は雪が残っており、融雪水が流れていた。分岐の標柱は合流点の数m下に立てられている。
この先には、シラネアオイ・ショウジョウバカマ・オオイワカガミ・ミツバオウレン・ムラサキヤシオ・エチゴキジムシロ・ウワズミザクラ・ムシカリ・タニウツギ・ヒメサユリ・ハクサンチドリ・アカモノ・ガクウラジロヨウラク・ゴゼンタチバナ・ナナカマドが咲いている。赤い岩があると、剣ケ峰の岩稜となる。今回はジョギングシューズで登ったが、乾いた岩に程よいフリ-クッションで快適に登る。07:53水場分岐は岩に白いペンキで「水」と書いてある。うっかりすると通り過ぎる。特に下山時には気づきにくい。護摩壇の岩塔のすぐ下にあると覚えておくと良いだろう。
07:58-08:10三国岳山頂にあった三国小屋は跡形もなく、深く掘り込まれていた。ここで小屋建築をしている小椋秀春さんと会った。今日で6日目、尾根上に仮設された作業宿舎に泊まり込んで仕事をしているとのことであった。予定では7月中に完成するそうである。なお水量はないが水場は使用できるとのことであった。
三国岳を後にして種蒔山に向かい、突起を一つ一つ越える。三国小屋工事のヘリコプターが行き来している。右手の山形県側には雪が残っており、ハクサンチドリ(盛)・ミヤマキンポウゲ・イワカガミ・ムラサキヤシオ・シラネアオイ・ムシカリ・エチゴキジムシロ・カタクリ・ウズラバハクサンチドリが咲いている。突然携帯電話が鳴った。仕事の話であった。稜線上は電波が不安定で、使用できたり出来なかったりする。あてにはできないが、アマチュア無線と併用することにより便利ではある。08:39標柱「七森」を通過する。途中道が崩れかけている所もあるが問題はない。08:54種蒔の標柱は雪に埋もれている。ここより雪と夏道が交錯している。雪上を進むと突然切れて、登山道が下の笹原に見えた。笹原に下り、また雪上に出る。09:06大日杉コースとの分岐点には3本の標柱がある。大日杉コースに僅かに進む、09:07雪渓の穴の中にホースが見え、水が勢いよく吹き出ていた。水を汲んで、09:10分岐に戻る。
09:14-33切合小屋前にて食事を取る。今春壊された窓はブルーシートで応急処置がなされていた。ここからは砂礫地にお花畑が広がる。ムシカリ・ハクサンチドリ・ムラサキヤシオ・ミヤマハンショウヅル・ミツバオウレン・マイヅルソウが咲いている。草履塚の登りになると雪道になる。半分ほど登ると、いったん夏道が露出している。09:59融雪水が豊富に流れていた。ここで昨夜は切合小屋に泊まったという3人パーティとすれ違う。藪のトンネルを潜る。シラネアオイ(盛)・キバナコマノツメ・ズダヤクシュ・オオバキスミレ・ミヤマキンポウゲ・ミヤマキンバイが咲いている。10:00草履塚山頂、ここからの下りは大日岳と飯豊山と咲き乱れる高山植物を楽しみながら下る。ハクサンイチゲ・ツガザクラ・イワカガミ・キバナコマノツメ・オヤマノエンドウ(盛)が咲いている。10:13姥権現を通過する。ミヤマキンポウゲ(盛)・ハクサンイチゲ・ウズラバハクサンチドリ・ミヤマハンショウヅル・イワウメ・ホソバヒナウスユキソウが咲いている。御秘所を過ぎ、10:28文字の消えた標柱から御前坂の登りとなる。この登りは2段になっている。10:47一王子に着き、水場に下って缶ビールを冷やす雪を取る。もちろん清水は雪に埋もれている。10:54一王子発、10:58本山小屋に到着する。そのまま先に進み、11:09-12:16飯豊山々頂でのんびりと時を過ごす。微風快晴、展望は申し分ない。二王子岳の上に佐渡の山々が重なっている。ダイグラ尾根を下って標柱を直すこととした。一人で担げる重さではないので、少しずつ動かして山頂の分岐まで持ち上げた。ツルハシ・スコップがないので、分岐点に立て、石で固定した。そのうち本格的に直すこととしよう。ODDと交信する。下界も良い天気とのこと。
何時までも居る訳にはいかないので、下山を開始する。13:15草履塚を通過、13:22水を補給し、13:33切合小屋を通過する。ひと登りした所で単独者とすれ違う。9:00に御沢から登り始め15:00飯豊山に到着し今日中に帰るとのこと。人様々だが、少々厳しい行程だ。13:49種蒔、14:03七森を通過する。14:30-45三国小屋工事現場に着くと、掘削された穴の中に浄化槽が設置されていた。水洗化にするとのことである。
15:14地蔵山手前の分岐、融雪水で頭を冷やす。15:22-30水場で食事を取る。15:44分岐、15:45横峰、15:52笹平、16:03上十五里、16:14中十五里。水場に様子を見に行く。16:16水は染み出ている程度、よくよくでないと使用する気にはならない。16:18-24中十五里に戻り食事を取る。16:32下十五里、16:50御沢を経て、16:58御沢野営場に到着した。

今回のコース

画像1  画像2  画像3  御幣松尾根上部