登山者情報840号

【2004年08月01日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

05:06天狗平で登山者指導を行っている武田顧問に見送られて出発。メジロ虻対策として長袖に長ズボン、軍手を着用。飛び回る虻に包まれて、05:39桧山沢吊橋を渡る。暫く登った所で半ズボン・半袖スタイルに替える。
ホツツジが咲く中、快調に登り、06:35-47冷たく水量豊富な長坂清水を確認し食事を取る。07:26休場ノ峰を通過する。ミヤマママコナ・ソバナ(盛)・ノリウツギ・シモツケ・コキンレイカ・シオガマギク・ホツツジ・オクモミジハグマ(盛)・ウメバチソウ・ミヤマセンキュウ・カラマツソウ・オトギリソウが咲いている。大又沢側は草本植物が登山道に被さっているが、さほどではない。
07:55千本峰の標柱を通過し、08:00-11岩場で食事を取る。主稜線の眺めは相変わらず素晴しい。タテヤマウツボグサ(盛)・ミヤマクルマバナ・シロバナニガナ・ミヤマキンポウゲ・モミジカラマツ・ヤマブキショウマ・オヤマリンドウ・ニッコウキスゲ・ミヤマコウゾリナ・オオサクラソウが咲いている。次第に高山帯の雰囲気が出てくる。風も若干ながら吹いてきて助かる。09:00宝珠山ノ肩(標柱が倒れている)を通過する。ハクサンコザクラ・ヨツバシオガマ・タカネヨモギ・ハクサンフウロ・タカネマツムシソウ・タカネナデシコ・ミヤマアキノキリンソウ・イワテトウキ・タカネツリガネニンジンが咲いている。そろそろ疲れが出てきた。下山者とすれ違い始める。09:16-30宝珠山の岩稜で食事を取っていると、登山者が次々と下山してきた。09:50最低鞍部を通過して御前坂の登りにかかる。
10:30-36飯豊山々頂にて休憩。峡彩の戸貝さんと木村さんに出会う。4人で記念写真を撮ったが、後日確認すると写っておらず、残念ながら写真掲載できません。10:46-11:52本山小屋でEHJの歓迎を受ける。暫し懇談、三国小屋が竣工したとのこと(使用はまだできないらしい)、次回は三国小屋確認山行となるかも知れない。
12:05飯豊山々頂に戻り御西小屋を目指す。イイデリンドウ(盛)・ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマセンキュウ・コゴメグサが咲いている。12:18駒形山を通過し、12:28弘法清水で冷たい水を補給する。草月平にはタカネマツムシソウ・ミヤマアキノキリンソウ・シラネニンジン・ハクサンフウロ・コバイケイソウ(終)・ヨツバシオガマ・ミヤマキンポウゲ・ハクサンボウフウが咲いているが、全体として今年の飯豊連峰は特有の大花畑が見られない。
13:05-14:00御西小屋でIWUの歓待を受ける。ここでも時間を忘れ、ついでにカメラを忘れる。天狗岳の登りで気付き、IWUに途中まで届けていただく。申し訳ありませんでした。
コバイケイソウ・ニッコウキスゲ・タカネヨモギ・ウサギキク・ハクサンフウロ・ミヤマキンポウゲ・シナノキンバイ・ハクサンボウフウ・イワイチョウ・ヨツバシオガマ・イワカガミ・モミジカラマツ・イワオウギ・ミヤマクルマバナの咲く稜線を楽しみ、15:08御手洗ノ池を通過する。さらにシナノキンバイ・ダイモンジソウ・カラマツソウ・ニッコウキスゲも加わる。15:24亮平ノ池からは最後の頑張りが待っている。ハクサンフウロ・タカネマツムシソウ・エゾイブキトラノオ・タカネツリガネニンジン・マルバダケブキ・キオン・イブキジャコウソウ・ミヤマコウゾリナ・ヤマハハコ・ヨツバシオガマ・ハクサントリカブトを楽しみながら、15:54-16:05烏帽子岳で食事を取る。
16:30-17:06梅花皮小屋にて、OTJと情報交換をしながら食事を取る。草付キノ広場から若干下った所から、問題の崩壊現場を観察する。雪解けが急速に進み、落石の滑り台となっていた雪渓はズタズタになっている。また崩壊した岩欠片の堆積地から雪渓が下がっている。小沢横断部の上流がかなり露出している。以上のことから落石の可能性は平常時レベルまで下がったと判断した。それでも落石の可能性が皆無になった訳ではない、上部に気を付けながらそうそうに通過する。
黄旗から大岩のある左の小沢を横断し、小尾根を下る。黒滝付近の雪渓が崩壊していた。慎重に雪渓に上がる。ここまでは全て夏道である。北股沢出合の清水を取り囲むように亀裂が走り、窪み始めていた。清水に近づく時は要注意である。
北股沢出合の亀裂は広がり始めていた。幅の狭くなっている所を選んで飛び越える。雪渓が固くなっているのでKZMは軽アイゼンを着用、HZUは2本ストックを突き刺しスプーンカットを利用して下るが、飛び越える時に滑ったら事故に直結するので緊張する。2つ目の亀裂を飛び越えてホン石転ビ沢出合を過ぎる。ここは亀裂が複雑に絡み合い、ルート選択に戸惑う。更に亀裂を飛び越えて、右岸寄りにルートを取る。左岸寄りは亀裂だけでなく陥没も始まっている。
右岸から枝沢が入る所で岸に上がり川原に降りる。川原を進み、僅か雪渓の上を歩いて黄旗で夏道に上がる。草に覆われた踏み跡を下り、石転ビ沢に入る。渡渉点を探し、岩から岩にジャンプして門内沢に入る。門内沢も飛び石伝いに通過して、18:25石転ビノ出合に到着する。
薄暗くなってくる登山道を歩き、19:20砂防ダムから林道に出ると、予想通りメジロ虻が襲ってきた。半袖半ズボンのHZUには厳しい襲来である。ポシェットからメンソレータムを取り出しむき出しの手足に塗りたくる。サリチル酸を嫌うメジロ虻はHZUに寄り付かなくなった。KZMはタオルを振ってメジロ虻を追い払っている。虻が来ないのは良いが、メンソレータムを塗った首筋がひりひりして痛い。塗っていない腹部に下着の上から虻が食いつくので痛い。
何だかんだと騒ぎながら、19:44暗くなった天狗平に無事到着した。

今回のコース(御西小屋・梅花皮小屋間はスイッチを入れ忘れた)
石転ビ沢上部 長坂清水
石転ビノ出合 弘法清水

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