登山者情報848号

【2004年08月22日/権内尾根〜大熊尾根/井上邦彦調査】

前夜の飲み会は一次会で抜け出し、体調に留意したつもりであった。まずは車で大石ダムに向かう。05:00大石ダムの駐車場で自転車に乗り換える。
05:14ゲートのある東俣彫刻公園で自転車を降り、あらかじめ準備してきた登山計画書を記載箱に投入する。
歩き始めて程なく05:30東俣大橋で左岸に移る。何となく胃の調子がおかしい、05:39-46休憩を取る。05:48鉱山跡の標識がある水位観測施設を通過する。途中、本流に架かる赤い橋があるが、これは登山道とは関係ない。
06:15-20第一橋に到着、新潟ナンバーと福島ナンバーの車が4台停まっていた。踏み跡を辿って本流に降り、水筒に水をみたす。今回は水場が期待できないので、水筒を3個持参してきた。テルモスには氷と冷やした麦茶を入れた。金属の水筒は3分の2程水を入れて凍らせた。最後の1個は折りたたみ式水筒である。
立派な橋を渡り、細いブナ林の段丘を進み、ひと登りして松尾根を辿る。06:33尾根上に紐が張られており、ここから右手の崖をへつるように下るが、この分岐点に以前あった「三吉ノ峰」看板はなくなった。また尾根を直上する踏み跡は荒れている様子だ。周りで猿が騒いでいる。
ブナ林に下って、靴を濡らさないように湿地を進むと再び鉄の橋が本流に架かっている。06:42第二橋を渡り、ストックを出す。ここでようやく本格的な登りになる。ブナ林を登って、右に斜上し、尾根に出る。ナラとブナの尾根でぐんぐんと高度を稼ぎ、瞬く間に東俣川は足元となる。07:05-13始めて食事を取る。食欲はないが、水筒の冷たい水が美味しい。
07:21雨量計の基台を通り過ぎ、07:31展望が開ける。左前方にはこれから登る権内峰が聳え、後ろには懐かしい枯松山を仰ぐ。
07:37鞍部の水場分岐には、小さな標識とブナに「水」と彫られている。ここの水場はあてにならないので、素直に通り過ぎ、僅か登ると、07:44「カモス頭」の標識がブナに取り付けられている。
ここからはアップダウンの繰り返しとなり、思いの他に時間を要する。権内ノ峰の迫力に圧倒され、何時の間にか楓ノ峰を通り過ぎる。楓ノ峰には以前水場があったのだが、今は探す気にもならない。両手を使いたくなるような急峻な登りは、振り返る展望が良い。
08:10-23権内ノ峰で食事を取る。何とかお握りを詰め込む、冷たい水だけが魅力だ。雨量観測所に行く道を右に分けて尾根沿いに登り、08:51千本峰山頂を通過する。見下ろすと観測所の屋根が傷んでいるような気がする。
ブナの高木に囲まれた最低鞍部から、偽高山帯の前杁差岳山頂までが、このコースの核心部である。途中で登山者2パーティとすれ違う。後者のパーティはガイド付きツアーのような感じ、最後にザックなし2本ストックで足を引きずるように下っている方がいた。「大丈夫ですか」と声を掛けたが、特に反応もなく現時点では何とか歩いている。これから大変な思いをするのだろうが、でしゃばる必要もなかろう。
見る間に樹木の高さが低くなって行く。そろそろ山頂かなと思っても、傾斜が落ちてくるだけでなかなか先が見えない。久々のばて気味状態で、09:33-47前杁差岳に到着する。むやみに冷たい水が欲しく、食欲はなし。無理やり喉に押し込むが、飲み込めない。山頂の標柱脇に標識が倒れていた。
ここまで来れば何とかなる。大熊尾根を眺めながら進む。ずいぶん以前になるが、仁科達と登った時に水がなくなって沢に下った記憶が甦る。登山道にはヤマハハコ・オヤマリンドウ(盛)が咲いている。流水で掘れている箇所を登る。登山者が少なくてもルートの設定によっては登山道が駄目になって行く。ここは上部で早めに水を右側に逃がす細工が必要だろう。
10:08長者平の草原には幾ばくかのイワショウブが咲いていた。池塘の背景には飯豊連峰の主稜が大きく見える。
10:15-11:46杁差岳山頂に到着すると、誰もいない。ストーブでラーメンを煮て凍らせてきたビールを飲み干す。登山者が続々と登って来る、足ノ松尾根が多いようだ。酔った勢いで山名を説明するが、鳥海山と月山を間違える。月山と朝日連峰の位置が飯豊連峰の南と北で変わるのを失念していました。
杁差小屋を確認して下山を開始する。12:20タオルを落として戻るが見つからず。12:23菱形標識「カリヤス平」のすぐ下、12:25鞍部は草地になっている。13:01一杯清水は例によって水が染み出している程度だ。
後でGPSで確認すると、尾根の末端付近で地図のルートがずれているようだ。13:51大熊沢橋を過ぎ、14:00-38大熊小屋で休憩、ラーメンを煮る。荷物が置かれているが誰もいない。釣り人だろう。
15:18ゼガイ沢通過。何度もブヨが瞬く目に入るのでハッカ油を使用する。15:34-59食事を取る。テルモスの氷に水を加え、冷たい水を飲むが、食欲なし。
18:03黒手沢の鉄橋を渡り、18:14滝倉橋から車道となる。18:38ようやく大石ダム駐車場に到着。自宅に電話しようとしたが、公衆電話ボックスの扉が開かない。思いかけず携帯電話が通じた。彫刻公園まで自転車を持ちに行く。大石ダム駐車場から彫刻公園まで3.0kmであった。

今回のコース

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