登山者情報862号

【2004年10月10-11日/梶川尾根〜ダイグラ尾根/木内茂雄調査】

タイム 
(10/10)飯豊山荘7:09〜8:37滝見場9:29〜9:57五郎清水10:10〜10:30岳樺〜11:10梶川峰11:20〜11:24ケルン〜11:51扇ノ地紙12:00〜13:11北股岳13:30〜13:42梅花皮小屋
(10/11)梅花皮小屋6:07〜6:27梅花皮岳〜6:42烏帽子岳〜7:18御手洗ノ池7:28〜7:50天狗ノ庭〜8:25御西小屋8:37〜9:06玄山道分岐9:21〜9:35駒形山〜9:53飯豊本山〜11:23宝珠山道標11:33〜12:54千本峰〜13:57長坂清水14:10〜14:56落合吊り橋
記 録
(10/10)昨日、台風22号が通過したので天気回復を期待して梶川尾根に取り付く。上空は曇り、気温が意外と高く、その中を少し色づいたブナとナラの林の急登が続く。途中で本日の夕食の“芋煮汁“に入れる天然マイタケを忘れたことに気づくが後の祭り、名誉挽回に辺りをキョロキョロする。そして、何とか一握りのナメコを収穫する。
滝見場では小休止していると、今までの霧が晴れ、見てくれとばかりに梅花皮大滝が姿を現した。梶川峰に着く頃には大分天気が回復して左向こうには今晩泊まる梅花皮小屋そしてその左には梅花皮岳、右には北股岳が見え、進行方向には扇ノ地紙方面が見え、そして右遠くには杁差岳も眺められた。
扇ノ地紙付近ではチングルマが鮮やかに紅葉していて山の景色を盛り立ててくれる。この後も天気は良く稜線漫歩を楽しみながら、日本海も眺めることが出来た。弥彦山も見えたが、飯豊本山は雲の中である。昨日の台風の風でミネザクラの葉は勿論無く、ナナカマドがかろうじて赤い実をつけている。
北股岳山頂で視界は相変わらず良く、日本海側は、佐渡ケ島、飛島まで見えるが本山は雲の中なので暫く雲行きを眺め、一瞬頭を出したのでそれを撮り梅花皮小屋に降りた。
天気はますます良くなり透き通る様な青空になった。夜空も天の川が見えて明日に期待を持たせる。
(10/11)夜中12時頃まで星が見えていたが、朝4時に起きると視界20mの霧である。取り敢えず朝食を済ませ夜明けを待った。昨日、少しと言うか、一杯飲みすぎたのと霧なのであまり気が進まなかったが大阪からの女性が行きたい雰囲気なので、重い腰を上げた。
梅花皮岳、烏帽子岳まで約30分大した距離でもないのに苦しかった。(昨日の飲み過ぎ?)此処で同行者に謝って引き返そうかと、一度は思ったが“根性無し”言われたくないのでもう少し、もう少しと我慢した。天狗の庭から登りになる頃、何とか体が歩きモ−ドになってくる。そして、御西小屋に着く頃には視界が効く様になり、一度飯豊本山も姿を見せてくれた。気温が少し低いので御西小屋に入り、一服後ポケットに手を入れて歩いていると、上空明るくなり右向こう飯豊町か、山都町の下界まで見える様になってきた。しかし、本山は霧のなかだ。玄山道分岐辺りの右下斜面にはまだ残雪があり、その隣にはチングルマが紅葉している。
そして、見えない飯豊山に着いた時は視界が悪かったが、ダイグラ尾根に下りかけた時に霧は晴れ、私たちを迎えるかのように宝珠山辺りの紅葉が目に飛び込んできた。今山行は本当にツイテいる、行く先々で景色が道を開いてくれる。
御前坂の急坂に下りかかる時、右に行く道が有るが、これは春先の有雪期の道で少し先で道は無くなる。石と棒で通せんぼして有るが、ボヤットしていると左に下らないで間違える人がいる。此処を下りやがて右に巻く道になるのだが、霧の時に真っ直ぐ下に間違える人がいるので要注意である。この頃、紅葉はますます目に迫ってくる。今年の紅葉は綺麗で、この素晴らしさを写真にうまく表現できないのが残念だ。時には目にしみ込む様な鮮やかさに、暫く立ち止まる。飯豊連峰では最高のコ−スではないだろうか。
ただし、このコ−スは起伏が多く時には岩場、ガレ場有り(よその山ではロ−プ、或いは鎖を張るが、此処は上級者向きにそのままにしておきたい。)距離が長い。そして、下って行くと下の方では滑り易い木の根と、ウッスラと苔むした石が点々と有り健脚でバランスの良い人に勧めたい。恥ずかしながら若い時、普通の道のつもりでヒョイヒョイと降りて行って“アット考える暇も無く”頭から2回転げ落ちたことが有る。
宝珠山の道標辺りでパラパラと雨露が落ちてきたので傘をさして歩くが通り雨で直ぐ止み、その後も2回くらい傘を出したが直ぐに傘をたたんだ。
登山道は飽きる程、起伏を繰り返し、千本峰手前のピ−クを一つ巻き、千本峰では右の岸壁を見ながら左から少し登ると岩を登り、その先、間もなく平になり、林の中に道標が立っている。それから、相変わらず紅葉を楽しみながら起伏を繰り返すと三角点と刻まれた石柱が有る所が休場ノ峰となる。この先は小さい登りは少しあるが一気に下っていくと、やがて、下から沢音が聞こえてくる。

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