登山者情報878号

【2004年12月19日/大境山/井上邦彦調査】

県道の駐車スペースに車を停め、高度計を200mに設定し06:47舟山商店(酒店)の脇にある案内板付標柱を確認し、コンクリートで護岸されているサワイリ沢の右岸を歩き出す。
砂防ダム手前の標柱を確認し右から入る水路に上がる。水路沿いに南下すると民地に入らないようロープが張られている。次の標識で水路を跨ぎ杉林に入る。長靴なので途中の湿地も気にならない。マツトリ沢右岸を進むと1箇所道が崩れているが特に問題はない。
マツトリ沢を右岸に渡り、沢の間の尾根を登る。付近は雑木林からブナ林に変わる。07:16(410m)ここから尾根が細くなる。460mで右手の沢が近づき水を汲める。雪はまだらに積もり林床にはイワウチワが敷き詰められている。
日の出と共に登山道がみるみる赤くなり、たちまちに昼の景色となる。雪が林床を覆い、登山者のトレースだけが木の葉道となっている。道は左に斜上し始め520mで小沢を横切る。トレースの上に新雪が積もっている。
07:50-08:02(740m)草地(雪で覆われているが)は何時もルートが分からなくなる所だ。食事を摂る。葉が落ちているので正面に岩場が立ち塞がっている様子が良く分かる。両手を使って右手から巻くように登ると尾根上に出る。
尾根は潅木と笹が被さり気味である。小雪が舞ってきたのでカッパを羽織るが、たちどころに藪がひどくなって来た。笹に雪が張り付いてズボンを雪だらけにするのでカッパズボンを履く。この辺りから道荒れが酷くなる。
08:23県境を越えた所で真直ぐに進むような道らしきものがあるが、これは沢であり、道は左に折れる。ブナの小峰を西から巻き気味に過ぎると、踏み跡は下って倒木の上を伝わり進み、掘れた涸れ沢を跨ぎ、08:33沼沢の源頭(水場)に着く。
ここからブナ林を登って08:43(910m) 県境尾根に出る。振り仰ぐと尾根上に直線に道が伸びている。若干藪を漕いで進むと、急斜面になる。振り向いた光景は良い。
何度か騙し峰を過ぎる。この先、山頂までの道は笹で覆われている。登山道を覆う笹に凍り付いた雪が邪魔に感じる。小池の畔を過ぎ、笹の広場(夏は草がある)を過ぎる、09:14-26大境山の山頂に出る。
積雪は10cm程度、三角点が露出している。食事をとり、視界がないので早々に下ることとする。
下り始めると視界が利き始め、登って来た登山道が白い線となってブナ林を横切っている。09:46沼沢源頭を通過する。下山コースをどうするか考えながら小峰付近を歩いていると人の声がする。09:59-10:12峡彩ランタン会一行と出会う。暫し歓談し、写真を撮ってスライド。
10:20-45(770m)腹ごしらえをしながら地図を確認すると、スキー滑降に魅力的な広い斜面がある。ここを目当てに磁石をセットし、登山道から右の斜面に下る。
岩場は柴を?んで強引に下るが2本のストックが邪魔である。藪漕ぎ専用のザックに入る折り畳みストックが欲しいと思う。
視界がないので時折磁石で方向を確認しながら下ると、広い段斜面に素晴しいブナ林が広がっていた。ブナの林床は歩き易い。倒木時の根が作った小山が多い。ブナに見とれて1度ナダレ沢に近づきすぎた。対岸にもブナ素敵な段丘があった。
ブナ林の中に湧水を見つけた。地図で確認するとこれが堂ノ沢の源頭である。しばし感慨に浸る。
藪漕ぎを覚悟で堂ノ沢とナダレ沢の間の細い尾根に入ると、視界がないので明瞭な踏み跡があった。樹枝の間から真っ白な朝日連峰が見える。尾根は太いナラとブナの快適な道である。振り返ると枯松山手前から伸びている巨大な尾根が聳えている。
堂ノ沢にある立派な滝を眺めながら下る。尾根下に田んぼや家が見え、杉が出てくると左に踏み跡を分け、程なく尾根は終了した。道はここで大きく左折し、杉の間を抜け、11:12(210m)水路に出た。右折して水路沿いに僅か進むと県道に向かう道があり、右手に「建設省中里雨量観測所」があった。11:14-18県道に出たところでカメラのメモリカードを替える。あとは県道を歩いて、11:29舟山商店前の駐車スペースに到着し、今回の山行は終了した。

今回のルート

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