登山者情報889号

 【2005年03月10日/長井葉山(白兎-オケサ堀)/吉田岳調査】

この葉山には2年前に白兎コースを、1年前におけさ堀コースをそれぞれピストンで山スキー山行を行っている。今回はそれをつなげて日帰りで行ってみようと、長井在住の小国山岳会員IBYと2人で狙ってみた。おけさ堀コースの登山口『古代の丘資料館』に車を1台デポし、白兎地区へ2人で向かう。あらかじめチェックしておいた車置き場に駐車し、出発準備を行った。
7時10分、登山開始。締まった雪面をスキーが快適に進む。前回同様、炭焼きのおじさんと出くわした。気温は低いが、空はどんよりとしている。森林公園を通過し、7時25分登山口となる鳥居をくぐる。最初の急登をクリアし、あとは登山道を辿っていく。ただし藪や枝を縫っていかなければならず、快適とはいかない。途中、鷹かなんかが食い落としたらしきウサギの足、橙色の実を付けたヤドリギ、2種類の蛾の繭などが観察された。マンサクはもう少しで咲きそうだったし、ブナの芽もかなり膨らんでいた。
1,100mの市町境界の尾根に合流した所で、3度目の休憩。適度な低温と締まった雪質のため、予想を上回るハイスピードである。IBYも久しぶりの登山だが、トレーニングはしているらしく快調そうだ。ただ、相変わらず絞るほどの汗をかいている。
眼下に白鷹町から川西町までの墨絵のような田園風景が見渡せてきた。ただし、蔵王や朝日連峰など高いところは雲の中である。進路を南に変え、平らな稜線に出るとまもなく葉山山荘が見えてきた。
10時30分、葉山山荘に到着し、神社にお参りをする。残念ながら大朝日岳をはじめとした朝日連峰は、雲の中で見ることが出来ない。当初はここでランチタイムの予定だったが、ちょっと早すぎたため、ゆっくりと稜線を歩いて、眺めのいいところで昼にしようということにした。右手は雲の中にも、葉山奥の院と白太郎山を確認できた。左手は置賜盆地の絶景が見放題である。途中、オレンジ色のウサギのおしっこを見つけ、IBYが妙に感心していた。
11時10分、1201mピーク到着し、ここでシールを外してワックスを塗った。一応はこから滑降開始である。雪質が半アイスバーンから湿雪へと次々と変わっていくような雪面だった為、注意を要した。所々わずかな登り返しが出てくるが、シールをつけなおすほどではない。920m地点からは昨年のコース通り、おけさ堀コースから外れ、南東への尾根を進んだ。それは、雪崩を避けるためであり、滑降を楽しむためでもある。
11時50分、870m辺りでちょうど下界を眺められるところに出たので、昼休みとした。IBYに会場をセッティングしてもらっている間に、私はおきまりラーメンつくりの準備を行う。最高の風景を眼下に、軽くビールで乾杯。話はそれるが、3年前に吾妻の名月荘での休憩時に、この2人でラーメン5袋を食べたのを思い出した。ただし今回は2袋だけである。
12時40分、滑降再開。雪面は締まっており、快適な滑りを楽しむ。850mから南向きの尾根に入り、あとは尾根沿いに進む。600mからは、楢林の斜面に入り、550mでおけさ堀コースに合流。あとはコースを辿り、13時25分、古代の丘資料館に到着した。昨年同様、やはりここは、意外と楽しめる山スキーコースであると感じた。IBYも「いやー、よかったよ」と満足のようだ。行動時間は6時間程度だったが、かなり充実した山行を楽しめた。

葉山森林公園にて 最初の急登を前に余裕のポーズ
ご神木の下には祠がある 下着一枚でがんばるIBY
膨らんできたブナの芽 視界が少し膨らんできた
稜線間近 葉山山荘着
山頂には2つの祠が鎮座している 平らな稜線
置賜盆地を望む 滑降開始
ランチタイム 750m付近でのAXL
最後の込んだナラ林で