登山者情報901号

【2005年04月24日/綱川沢一周/井上邦彦調査】

{同行者:井上邦彦・渡部清美}
KIKの仕事の都合で06:30コンビニ集合、間瀬のパーキングに1台を止め、宇津トンネル東側入口のパーキングに移動した。今回の山行は藪漕ぎも予想されたので長靴にピッケル、念のため輪カンジキを携行した。またそろそろ熊が冬眠から目覚める筈なので、熊スプレーを腰に下げた。
また23日07:30頃ウィルスバスター事件に私のPCも巻き込まれ、原因不明のためできるだけ原画を残すため、何時も使っているデジカメはザックに入れ、古いデジカメで撮影することとした。
06:50トンネル脇から登る。できるだけ残雪を利用し、一部藪につかまりながら杉林を登る。遠くには2月11日に歩いた出ケ峰に至る町境尾根が伸びている。07:22電波塔に出る。ここから町境沿いに北上する。殆どが雪庇の上を歩ける。藪を分けると、イワウチワが咲いていた。眼下には米沢盆地の市街地がキラキラと輝いている。視界が効くので、地図と分岐する尾根を一つ一つ確認しながら、08:02-07杉立峰(664m)に到着し食事を取る。すぐ下の松に覆われているのが天狗山だろう。枝の陰で動くものを見つけた。近寄ってみるとカモシカが逃げていくところであった。
08:20に663m峰を通過する。ここで雪のまま右に行きかけて、気付き戻って戻る。08:27尾根を横切るような道跡がある。振り返ると西側に伸びる尾根に斜上する道が認められた。663m峰と611m峰の鞍部にある歩道であろう。
08:49に611m峰を越えると眼前に平坦な土地が広がり、雪のない湿地も見える。昔の集落「屋敷」跡地であろう。地図に書いた磁北線とコンパスを合わせ、ルートを確認しながら進む。若いブナ林を進んでいくと、09:09-20大きな池に出た、菅池である。町境稜上にこのような大きな池があるのは驚きである。食事を取る。ここで進路を東北東に変えるが、09:37ピーク手前で遥か下方に青い屋根が見えた。綱川集落跡地に小屋があるのだろう。667m峰から再び北に進路を戻す。中札沢右岸の緩斜面一帯に皆伐の跡が生々しい。
ふと前方を見ると、カモシカがこちらを向いて立っている。先ほどのカモシカより体色がやや薄い。デジカメをザックから取り出そうとしている間に姿を消した。
10:06沖山々頂は知らずに通り過ぎ、10:16-28に767m峰で休憩を取る。ここに三角点の標石が露出していたので沖山々頂と勘違いをする。GZKと交信をしながら食事を取る。ここから不用意に雪伝いに下りかけ、様子がおかしいので標石に戻り藪を漕ぐと、急な下りがあり、浜風峰に続く町境稜が確認できた。
遠望すると登り返しは雪庇の状態が悪く、藪漕ぎを強いられそうである。覚悟を決めて進むと、10:40登りに差し掛かる部分で歩道を見つけた。荒れた道と東面の雪斜面を交互に登り、小峰を東から巻き、10:54に852m峰手前の鞍部に出る。ここから再び雪の上を登る。雪面は純白で、1〜2cm程度下の雪は黄砂で汚れている。僅かながらも新雪が積もったのだろう。
南から巨大な尾根が合流する部分は、雪庇の弱点を探して越える。尾根が合わさると広大な雪原になる。尾根合流部から山頂まではなかなか着かない。
ようやく11:27-12:13浜風峰々頂に到着する。早速に冷やすものを雪に埋め、ストーブでラーメンを作る。眼下には三体山に続く広大な山並みが連なる。
山頂の先から東斜面を横切るように下り、天神堂山に向かう。広い雪原を渡り、12:44-46天神堂山々頂に着く。ひときわ輝いている飯豊連峰を眺めながら南下すると、一体は貧弱なカラマツの植林地である。
南下は大きな尾根が幾つもあり、コンパスと地図は欠かせない。894m峰を東から巻き気味に下ったため、重なっている尾根筋がよく分からずに南の尾根に入ってしまった。13:18GPSで誤りを確認し、トラバースして分水嶺に戻る。尾根筋には歩道がある筈だが、荒れて分からない。
さらに南下し、760m峰から西の小峰に突き上げる。ここでもGPSで確認してみると、ルートから外れている。雪に覆われた小沢を下り、トラバースして分水嶺に戻る。
三度カモシカが現れたので、デジカメで撮影する。698m峰を越すと、前方の雪庇の上にカモシカがいる。雪庇を降りるかどうか迷っているようだ。距離があるのでザックの中のデジカメを出そうとしている間に、カモシカは藪に姿を消した。
ここから藪漕ぎが始まる。道跡はない。時間をメモろうとして、ノートに結んである鉛筆が無くなっていることに気付いた。以後の通過時刻についてはGPSのデータを使用している。藪の中にはイワウイワ・カタクリ・マンサクが咲いていた。
予定では入小倉峰の北の尾根から綱川沢沿いの林道に下るつもりであったが、ついでなので入小倉峰に登ってみる。15:19入小倉峰山頂の雪庇は二つに切れていた。
15:36沼沢ソデ峰への鞍部から南西の沢に下る。するとミズバショウの咲く広い湿原が現れた。長靴の利点を活かして湿原を歩くと、土管から排水されていた。土管の上は林道のようである。以後は林道を歩く。周囲はカラマツの植林地である。16:03鞍部で林道は左に尾根を越えている。カモシカの足跡があるのでふと上を見るとすぐ先に1頭のカモシカが私達を見つめていた。すかさずデジカメを出して撮影する。
鞍部を西に越え、後は沢を直接下ると、16:11綱川沢沿いの林道に出た。林道脇には放棄された田にミズバショウが咲いていた。林道を歩き、16:40間瀬パーキングに到着した。

杉立峰付近での道迷い 沖山付近での道迷い
複雑な地形に困惑 入小倉峰からの下山ルート

画像