登山者情報908号

【2005年05月16-17日/権内尾根〜杁差岳〜大熊尾根/吉田岳・三島亮調査】

 5月15日〜18日にかけてKDGの連休キャンプで杁差岳に登った。生徒4名と私、それから私たちだけでは危険であるため小国山岳会の吉田岳氏が16日、17日と同行してくださった。権内尾根から杁差岳ピストンという予定であったが、下山は大熊尾根を降りてくることにした。
 15日、私たちKDGメンバーは11:15小国駅へ向けて歩き出した。越後下関までは米坂線で移動し、越後下関から大石ダムまでは再び歩きである。17:52彫刻公園にテントを張り、翌日雨が降らないことを祈りつつ眠りに着いた。
 16日、4:30起床。テントをたたみ5:43小雨の降る中、杁差岳を目指して歩き出した。朝食と昼食は特に時間を設けず、昨晩のうちに炊いておいたご飯をおにぎりにして各自がそれぞれのタイミングで食べることにした。6:59−7:23第一つり橋通過。雨はやみカッパを脱ぐ。8:00第二つり橋通過。すぐ上の沢筋には雪が残っている。リーダーが夏道を見つけピッケルでカッティングしながら慎重に尾根へ上がる。9:50カモス頭通過。10:34権内の峰通過。千本峰では時計を見るのを忘れてしまった。12:58前杁差岳通過。13:57杁差岳到着。記念撮影をし、14:08杁差小屋へ入る。山頂まで何箇所か雪の上を歩いたがアイゼンを着けるほどの危険性はなかった。夕食は麻婆茄子。コッヘルでご飯を炊く。水がないので雪を溶かすしかない。メンバーの一人が大きなビニール袋に雪をたくさん詰め込んできた。夕食後満天の星空を期待して少し待ったが星たちは一向に顔を出そうとしない。あきらめて20:00くらいには寝ただろうか。
 17日、4:00起床。窓の外を見ると昨日までの天候が嘘のように良く晴れている。皆で山頂へ向かう。飯豊本山はもちろんのこと二王子岳、越後の山々、佐渡島、粟島まで見える。ご来光を拝み、少し沈黙の時間を持った。どこへ行ってもいつも何かの音が聞こえる今の世の中、この沈黙の時間はとても貴重だと思う。小屋へ戻りゆっくりと朝食のサンドウィッチを食べる。少しゆっくりし過ぎて杁差小屋を出発したのは7:43。カモシカやウサギ、イタチ系の動物の足跡を見つけながら雪上を下山する。思ったより雪質は堅くなくアイゼンは必要なかったがピッケルは持って歩いた。8:15何やら大きな足跡を発見。熊の足跡である。それも新しい。足跡を追ってみると熊には出会えなかったがカモシカに出会えた。一休みして下山再開。11:08大熊小屋着。小屋直前のブナ林には雪が残っておりコンパスと地図を使って夏道を探し、大熊沢を渡り小屋へ向かった。11:30大熊小屋出発。ここからは西俣川に沿ってほとんど平坦な山道である。しかしあまりの長さに精神的に参ってしまう。雪崩後が道を塞いでいる箇所が幾つもありピッケルを使い慎重に歩く。足を滑らせればそのまま西俣川へ・・・という難所であったが、皆少しずつ慣れて難なく通過した。17:23やっとの事で多いしダム到着。この日は関川村の道の駅近くにテントを張った。100円では入れるお風呂に入り、さあ夕食の食材を買いに行こうというところで既にお店がしまっている事が判明。仕方なく唯一開いていた酒屋に行き食材がないか探す。麻婆豆腐の素と豆腐、カルビを見つけ夕食のメニューは決まった。さらに翌日の朝食と昼食の食材を2キロ先のコンビニへ買いに行った。そんな訳でシュラフに入ったのは0:00を過ぎていた。翌朝は7:30頃に起き、9:45小国へ向けて歩き出した。電車に乗ればいいものを何故か生徒は歩きたがるのである。17:40KDGに無事帰還という感じである。 
 〔今回の山行で出会えた花々〕
キクザキイチリンソウ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、オオバキスミレ、カタクリ、カタバミ、ムラサキヤシオツツジ、ユキツバキ、ムシカリ、タムシバ
え・ぶ・り・さ・し で歓迎 前杁差岳にて
カタクリに名残雪 雪の花
冬山の世界 杁差岳登頂
喜びのポーズ 杁差岳にてえ・ぶ・り・さ・し
朝の風景 準備体操
耐風姿勢の確認 ピッケルストップの確認
下山開始 ナイフリッジ
下りのスナップ 一の峰ピーク
熊の足跡 ヤマドリの足跡
ブナの果穂 ハウチワカエデの花
ミズナラの下で休憩 巨木ブナ林にて
雪庇を踏み抜いたリーダー 大熊小屋にて
ロープが出てしまった デブリを渡る