登山者情報933号

【2005年07月18日/大日杉小屋〜梶川尾根/木内茂雄調査】

【メンバ】 T氏他2名同行
【タイム】
(7/16)大日杉小屋6:00〜6:21ザンゲ坂〜6:51長之助清水6:58〜7:06御田〜8:37滝切合〜9:08地蔵岳9:23〜10:07目洗い清水〜10:53お坪11:35〜12:48稜線〜13:02切合小屋〜13:48草履塚14:02〜14:20姥権現〜15:11一王子〜15:20本山小屋(7/17)本山小屋6:23〜6:48山頂〜7:07駒形山〜7:15玄山道分岐7:21〜8:02御西小屋8:32〜9:45大日岳9:50〜10:55御西小屋11:55〜12:35天狗ノ庭〜13:05御手洗ノ池〜14:30クサイグラ尾根降り口〜14:15烏帽子岳14:27〜14:51梅花皮岳〜15:10梅花皮小屋(7/18)梅花皮小屋5:10〜5:33北股岳〜6:20門内小屋〜6:38胎内山〜6:43扇ノ地紙〜7:04ケルン〜7:13梶川峰〜7:30岳樺7:37〜7:50五郎清水8:00〜8:21滝見場8:25〜8:52湯沢峰〜9:28ナラの木曲がり〜10:08飯豊山荘
【記 録】
(7/16)
今山行は40年来の山の友を案内することで計画した。当日、朝、大日杉小屋に着く頃は雨が盛んに降っていた。小屋には雨模様を見ている登山客が何人もいた様だが我々は直ぐに出発する。
唯、黙々と歩くが、滝切合手前で一人体調不調となり下山したので、3人で登ることになった。雨は降ったり止んだりの後、霧だけになり、時には思わせぶりに上空が明るくなる。この方角に本山が見えると説明しても実感が湧かない。地蔵岳周辺には咲き遅れたヒメサユリが数本と、ニッコウキスゲ、ナナカマドが咲いている。お坪までにはハクサンチドリ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、そして、一本だがサラサドウダンが見事な花を付けていた。お坪にはクルマユリが一本とミヤマオミナエシが今にも咲きそうなのと、マツムシソウが蕾をつけている。
先に歩を進め、右御沢の分岐を左の夏道を進む。晴れる事はなく、切合小屋が霧の切れ間に見えたが、本山は姿を見せてくれない。途中見かけるハクサンシャクナゲ、ニッコウキスゲ等が慰めてくれる。夏道は途中、残雪が3カ所有り、そこをトラバ−スするが慎重に行けば問題ない、後1週間もすればほぼ夏道になるだろう。
切合小屋周辺は例年通りヨツバシオガマが咲いているのとニッコウキスゲが目立つ。それから、今回初めてハンショウヅルが有ることに気づいた。(テッセンの様な名残で判った)草履塚の登りはかなり残雪が有るが危険度は無い。本来ならばハクサンコザクラが見られるのに、雪解け水の音を聞くだけだ。(草履塚の標識で携帯電話をかけたら通じた。)御秘所の岩場を通過する頃、急に風雨が強くなったのは姥権現の罰でもあたったか。本山までの間で風雨に揺れるチシマギキョウ、ホソバウスユキソウを見る。
(7/17)
今日は晴れてくれると期待したが外れ、曇りと霧で遠望がきかない。三角点山頂から右に下るダイグラ尾根の標識が倒れて溝に入っていたので見えない。一人で持ったが重く立てる事が出来ず、斜めに立てかけた。玄山道分岐付近で振り返ると一瞬だが本山が姿を見せてくれた。そばにはハクサンコザクラが見て頂戴と囁いている。相変わらず霧の中を歩くと何処かにバイカオウレン、アオノツガザクラが有り、左斜面にはコバイケイソイの大群落が続き、そしてニッコウキスゲが点在し、その下方には残雪がかなり有る。
御西小屋は霧の中で、その前にミヤマキンポウゲが満開で迎えてくれる。大日岳を往復することで出発する。今年は小屋の新築中のため旧小屋を右から回り込んでから、従来の登山道に入る。小屋を出て大日岳に向かい、まずは下るが期待していたチングルマはまだ雪の下でガッカリ、今年は本当に雪が多い。そのため、もう終わったはずのハクサンイチゲの群生を見ること出来た。その他、ハクサンコザクラ、キバナノコマノツメ、クチバシシオガマ、ダイモンジソウ、ハクサンフウロ、ウラジロヨウラク、マルバシモツケ、イワイチョウ、イワカガミ、ミヤマダイコンソウ、モミジカラマツ、カラマツソウ、ハクサンボウフウ、そしてここにもニッコウキスゲがお花畑をなしている。大日岳では、牛首山方面に数歩降りた所にいつもの如くハクサンシャクナゲが咲いていた。相変わらずの霧の中を御西小屋に引き返す。
御西小屋から梅花皮小屋までズ−ット霧だったので風景は表現できない。唯、言えることは残雪が多く、季節が遅れていて、目立ったのはコバイケイソウが当たり年で所々で満開、ニッコウキスゲが最盛期、そして、御手洗ノ池のシラネアオイ、途中のハクサンコザクラ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、イワオウギ、花の閉じたイイデリンドウ烏帽子岳のイブキトラノオと言ったところだが、量が少ない。梅花皮岳を下って行く時、ハクセンナズナを数本とマツムシソウの蕾を数多く見る。梅花皮小屋に着く頃、一瞬だが梅花皮岳が姿を見せてくれた。
(7/18)
今日も霧で視界が悪い中を歩き出す。北股岳を登り、ギルダ原へと下っていくとニッコウキスゲのお花畑が迎えてくれる。同行者は感動してくれるが、私には今ひとつと言ったところだ。霧の中のせいかもしれないが、例年であればアット驚くお花畑なのだが。
門内岳周辺にはニッコウキスゲとヒメサユリが同居して咲いている。梶川尾根下りまで咲き遅れたヒメサユリがたまに頭を出している。扇ノ地紙からの下り、あたり一面のチングルマのお花畑を期待していたが、雪解け直後で全く無く、漸く新芽を出し始めたところだ。
ケルン近くで毎年見るヤマトキソウが草葉の間から可愛い白い花を出している。この頃になると稜線の霧と別れ、晴れ間になり、そして、本山だけが姿を出してくれた。この周辺も所々ニッコウキスゲが咲いている。あとは、梶川尾根の急傾斜を降りるのみであった。
全般的に、今年は雪が多かったせいか花が遅れていてニッコウキスゲとコバイケイソウが極端に目立った。8月に入って一斉に咲くのではないだろうか。

ニッコウキスゲとヒメサユリ ニッコウキスゲ霧にむせず
ヒメサユリとニッコウキスゲ ヒメサユリ雨に濡れる
ヒメサユリ雨に濡れる サラサドウダン
クルマユリ ミヤマコウゾリナ
コバイケイソウの群生を眺める コバイケイソウ
ノウゴウイチゴ ショウジョウバカマ
シラネアオイ ハクサンシャクナゲ
チシマギキョウ ハクサンコザクラ
ハクサンコザクラ ホソバウスユキソウ
ハクサンイチゲ バイカオウレン
イワイチョウ イワカガミ
ミヤマキンポウゲ ミヤマダイコンソウ
ダイモンジソウ キバナノコマノツメ
アオノツガザクラ クチバシシオガマ
ウラジロヨウラク マルバシモツケ
イワオウギ モミジカラマツ
ギルダ原を行く ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ シナノキンバイ
シナノキンバイ イブキトラノオ
ゴゼンタチバナ(赤花) ゴゼンタチバナ
ハクセンナズナ ハクサンフウロ
イイデリンドウ ミヤマリンドウ
ヤマトキソウ シロバナニガナ
ノリウツギ ツルアリドウシ
オオコメツツジ