登山者情報951号

【2005年9月14日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】

最近石転ビ沢に入っていないので、仕事の合間を見て一人で出かけた。
05:26天狗平を出発、05:43温身平十字路を通過する。山は見えるが何処となく霞んでいる感じである。05:50-57休憩、06:01砂防ダムを通過し山道に入る。全体的に水が少なく、枝沢は殆ど涸れている。最近の不摂生がたたっているのか体調が優れない。右脇腹に虫に刺されたような痛みがあるが、虫は何もいない。06:24うまい水で顔を洗い一口喉を潤す。06:52梶川出合も水量が少ないので難なく通過できたが、身体に切れがなく何処か危なかしい。登山道は最近刈り払ったらしく快適である。
07:17石転ビノ出合に到着。そのまま刈り払い道を上流部に辿り、07:19-25門内沢を飛び石伝いに渡り食事とする。幸七尾根末端を回り込み石転ビ沢左岸に入る。適当な渡渉点を探して飛び跳ねて石転ビ沢右岸に移る。大石の川原を僅かに遡って右岸の夏道に出ると、ここも丁寧に草が刈り払われていた。
07:35背の高い草地から川原歩きになる。先の右岸は苔のように草が生育している。草の中は足場が見えないので足を挫きやすい、できるだけ楽なルートを登る。右岸に薄い雪渓が広がっていたので、ここは避けて川原を進む。大岩の上流から雪渓が続いている。雪渓は左岸よりが安定している筈だ。適当な所で左岸に渡ると、側壁に行く手を遮られた。
07:50-54ヘルメットを被り、ストックをザックに縦に付け、ピッケルをザックと背中の間に差し込んで左岸壁に取り付く。手頃な所でトラバースし、いったん川原に降り、雪渓の手前の斜面を登って雪渓の上に立つ。雪はかなり堅くなっており、ズック靴では歩けない。スプーンカットの稜にある黒い泥を歩く。
08:11雪渓末端近くになった時点で雪渓の厚みを調べながら左岸のガレ場に移る。後は浮石に注意しながらガレ場を進み、08:16ホン石転ビ沢対岸の枝沢を通過する。上流を見ると、今にも落ちそうなスノーブリッジがある。さらに先には雪渓が崩壊し左岸に細く雪渓が残っていたので、安定していることを確認して雪渓を進む。
この先、北股沢出合まで雪渓が沢を埋めている。見た所、どうも安定感がない。中間部分に左岸から大きく融けている箇所がある。ここは無理をせず、巻くこととした。不安定な足場を静かに登ると案の定、雪渓の中心部まで雪渓が崩壊して通行ができる状況ではない。さらにガレ場を進むと、急峻に抉れた涸沢が出てきた。トラバースするには危険が高すぎると判断し、大きく高巻いて越し、一息ついた瞬間、左足を置いていた石が崩れ落ちた。この高さから落ちては唯では済まない。咄嗟に浮石を手で押して(引くと抜けてくる)バランスを取った。軽い荷物なので事なきを得たが、重荷ならば厳しかっただろう。
三角岩(仮称)を回り込んだ所で、ザサという音、雪渓が動いている。覗き込むと雪渓の下の川原に微かに光が当たっている。とても渡れる厚さではない。08:47北股沢を渡り、雪渓の上端すれすれに石転ビ沢に入り、08:53-09:05北股沢出合の水場で食事を取る。
この先に雪はない。黒滝を過ぎ、そのまま直登して中ノ島(草付キ)を登る。僅かにミヤマキンポウゲなどが咲いているが、花の時期は終わっている。最後にハクサントリカブトに迎えられて、09:44梅花皮小屋に到着した。
管理棟で食事をしている間に、稜線にガスが広がり始めた。10:33梅花皮小屋を出発する。御西小屋を遠望すると小屋の右に鉄骨だけの建物が見えた。旧小屋を解体しているのだろう。10:50-55北股岳山頂はガスに覆われていた。
視界を閉ざされたままギルダ原に下る。花は名残り程度で、ハクサントリカブトとウメバチソウが風に揺れていた。潅木の紅葉はまだ数えるほどであるが草紅葉の色づきは進んでいた。
11:31門内小屋を通過する。山頂側にコンクリートの土台が作られていたのは便所であろう。小屋全体がパイプに覆われ、作業員が忙しく外壁と屋根の補修に精を出していた。
11:49-57扇ノ地紙で休憩して自宅に電話をする。草紅葉の中を下ると、12:24-30梶川峰で本日始めて登山者と出会った。結局、出会った登山者はこの方のみであった。膝にバンドを巻いて、旧坂を下る。主稜線はガスで覆われていたが、梅花皮小屋から下は視界があった。12:53五郎清水、13:11-15滝見場を通過する。13:32強風で根が浮いて傾いたブナがあったが、通行に支障はない。
13:41-48湯沢峰で食事をしていると雨が降ってきた。次第に強くなったのでカッパを着て歩くと、止んだり降ったりの繰り返しとなった。
14:15-20楢ノ木曲リでカッパを脱ぎ、14:42天狗平に到着した。

今回のコース

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