登山者情報955号 (投稿)

【2005年10月09〜10日/ダイグラ尾根〜梶川尾根/山田亘調査】

10月9日
 04:00起床、04:30新潟発、以東岳のつもりで大井沢をめざすが、寝坊して、天狗平に変更した。06:38天狗平(420)、泊まりの割にザックが軽い。06:56温身平(450)から休場の峰を見る。右の方に雪の消えた石転び沢と、梅花皮小屋がポツンと見える。砂防ダムで細くなった流れを見る。昨日雨が降ったので慎重になったが、これなら出合川でもよかったかと思う。吊り橋の手前で水を汲み、クリームチーズブランを食べていると、3人パーテイがパスしていった。07:24桧山沢吊橋を渡り3人パーテイに挨拶(470)。GPS設定を内蔵アンテナ48秒毎にしたら、ここまでのログが、大きく狂ったので削除した。自分のGPSはV+だが、内蔵アンテナで、受信間隔が30秒を超えると、樹冠下や片斜面が迫った地形での精度が落ちるようだ。
 一登りで白い丸石の固まり、岩の析出2カ所、いつもと同じだ。いつのまにか、クサイグラ尾根の上の方がガスに隠れている。シャクナゲに覆われた岩を過ぎ、斜度が落ち07:48ピーク(666)。ピークというより姫小松のある平坦部だ。再び斜度が出て、08:10畳のような石から、尾根を外れ桧山沢側のトラバースが始まる(840)。尾根に戻ると青空に白い枯木が見え08:22〜08:28池の平(926)。
 種蒔の池で枯れた稲穂を見て、緩いアップダウンを繰り返し、08:43長坂清水の楢の木(960)。その少し先で倒木にキノコがびっしり生えている。その先から急になり、09:12斜度が落ち、米栂の平(1170)から色づき始めた休場の峰を見る。この先、休場の峰までダイグラ一番の登りが続く。心臓がバクバクするが、姿勢を正されるようで飯豊に戻ったのを実感する。09:33〜09:44休場の峰(1320)。ここまでは、まずまず思った時間で来れた。
 行く手の千本峰から先はガスの中。豊栄山岳会の3人パーテイと単独行と長坂清水の話をする。長坂清水が少し遠いという話になり、玄山道の水場を教えて貰う。主稜線はすっかりガスに隠れた。1350ピークを登り返し、1368ピークの西を巻き、千本峰に緩やかに登っていく。樹林帯に入り倒木を越え10:27千本峰の標柱(1420)。10:32千本峰(1440)。10:37千本峰の岩場を左脇から下りる(1410)。少し下り、大又沢側に出てへつり気味に歩く。地形図で尾根通しの道と赤いログがずれているところだ。桧山沢側に戻ると廊下のようにいい道になる。1499m峰の大又沢側を巻いて1450m鞍部を過ぎると宝珠山の登りになる。その少し上で11:08 ダケカンバが登路に覆い被さっている(1460)。休場の峰からここまで84分、やはり自分はこの区間が苦手だ。大又沢側をちゃんと歩けてないということなのだろう。腹が減ったのでその少し上で11:20まで休む(1470)。ガスに包まれ、登っていく。1570m付近の崩壊地は刈払いされ歩きやすくなっていた。以前雪渓に嵌った所を過ぎ12:04ピーク(1677)。12:27宝珠山の肩の標柱が新しくなっている(1720)。木の葉も大分色づいている。これで展望があればと思う。ガスの中、宝珠山の大又沢側を通り、稜線に出ると、12:54一瞬ガスが取れ、主稜線が見えた。あわてて写真を撮り、大又沢側に入る。次に稜線に出たときは、再びガスに包まれていた。 13:02〜13:14宝珠山の岩稜(1820)。ここは晴れていれば、飯豊の主稜に囲まれて見下ろされるような所だ。ガスの中食事していると新津の単独行の女性が上がってきた。自分より年上だが、伸びやかな歩きにセンスを感じた。
 ここまで来れば、後は自然に登れる。ガスの中大又沢側のアップダウンを三度繰り返す。その途中外国人の男性二人とスライド。一人は空身だ。下まで5時間位かかると伝え、気をつけてと別れた。13:55鞍部(1780)。がれた登り少しで崩壊地に出る。崩壊地を塞ぐような石の後ろに道が続いている。ジグザグに登り西にトラバースして1969ピークの西側をかすめるとハイマツの緩やかな歩きになる。全てがガスの中、時折霧雨が降る。ガスの中ぼんやり標柱が見え15:13飯豊山(2105)。着くなり5人組の男女に写真を撮ってくれと言われる。山頂気分に浸る間もなく、早々に山頂を去るが、何かもったいなく、山頂に戻り四方拝をする。人の気配がしたので山頂を去り、15:42駒形山(2038)で玄山道の水場を地図で推定していると、豊栄山岳会のTさんとSさんが来た。そして、自分たちもそこで汲むと言うので後について行かせて下さいとお願いした。思ったより下ると登山道の左手に斜めに崩壊した道形があった。そこに入り、沢の手前で小さな踏み跡を左手に辿ると、15:58わずかの距離で泡がポコンポコンと立つ、素晴らしい水が湧いていた(1940)。穫だった。16:10玄山道分岐に戻りSさんから団子をいただく(1950)。うまい。廊下のように平坦な道を歩き、緩やかに傾斜が出てきて右手に御西岳を見送り、16:47御西小屋(1980)。小屋は満員だったが、新津の方がツェルトで寝ると言って場所を空けてくれた。さらにもう一人の方がテントで寝ると言って場所を空けてくれ、小屋が広くなった。山の人の気持ちに感謝しながら、有り難く使わせていただいた。そういうわけで二階の北側でラーメンとか作りながら酒を飲み始めたのだが、今度は本山を追われてきたという7人パーテイが入ってきた。なんでも本山が超満員だったらしい。2人下に入れて、2人は私たちの隣、後の3人もそれぞれもぐり込めたようだ。それで、飲みながら山の話をした。Sさんからふなぐち菊水一番搾りをいただく。7人パーテイのリーダー新津の沢田さんとTさんの話を聞きながら、時折話に加わる。Tさんが「夏の間はどこに行っていた?」と聞く。「南アルプスとか歩いてました」と言うと「二王子から門内を歩いたことはあるか?ない?蒜場から大日は?ないのか?もっと飯豊を歩かなきゃだめじゃないか。」と言われた。「いやあのその僕は百名山というノリではなくて・・・」と答えるが、「ここをちゃんと歩けばよそにいってる暇はないさ」と確信したようにいうだけだった。話してて、ほんとに飯豊が好きな人だとわかった。いい人を知ったと思いながらシュラフに入った。けれどこの夜は暑かった。室温は26℃あり、眠れずに下着になり、下半身だけシュラフに入れた。そうしたらやっと眠れた。
10月10日
04:00起床、沢田さん達は、大日をピストンすると出て行った。火を使うと暑いので、軽食にコーヒーだけ飲んで05:22御西小屋(1980)を出た。辺り一面のガスでしばらく方向を確かめてから歩き出した。ほどなく天狗岳の方から人が歩いてきた。聞くと本山に行こうとしたら、梅花皮小屋の道に入り引き返してきた所だった。ガスで何も見えない。大日岳も少しガスから出ているだけ。沢田さん達のことを考える。06:00天狗の庭(1830)、06:31御手洗の池(1840)烏帽子への登りにかかる鞍部にまだ雪が残っていた。07:36〜07:48烏帽子岳(2017)、休んでいるとTさん達が追いついてきた。それから昨日の新津の場所を譲ってくれた人も来た。一足先に出て08:04梅花皮岳(2000)、なだらかに下りていき08:19治二の水(1850)、08:24〜08:49梅花皮小屋で雑炊を食べる(1850)。うまい!入れ替わりに宮城の単独行が一人入ってきた。09:18北股岳に登っても何も見えない(2024)が、何度も来ると思うのでがっかりしない。10:14門内小屋(1870)、きれいな管理棟?が出来かかっていた。その先の慰霊碑で軽食を食べた。その間に宮城の単独行にパスされたが10:45扇の地紙(1870)でまた会った。それで今日はもうずっとガスだと思いながら下りていったら、1800mを切った辺りからぱっと展望が開けた1800mと1100mに雲の層があり、その間に錦秋というのがふさわしい飯豊の山肌が広がっていた。ダイグラと大丸森尾根が墨絵のように雲に浮かんでいた。
11:21〜11:27梶川峰(1700)で昨日の新津の女性をパスして刈り払いされた道を下りていくと二股のダケカンバに枯木が一本合わさった11:40夫婦カンバ?(1580)とでもいうような木があった。さらに下りていくと11:45三本カンバ(1540)。ここからは梶川尾根らしい急な下り、でも以前よりズンドコ感が少ない、崩壊地を整備して下さった跡があり、下りやすかった。12:03〜12:19五郎清水(1370)で梅とたらことしらすで雑炊を食べた。うまい!ここでまた新津の女性にパスされた。12:43滝見場(1130)まで来るとまたガスに入った。ここで5人位のパーテイをパスした。ピークの西をトラバースして水と書かれた二本の木を左手に見送ると湯沢峰の登り返しになった。13:09湯沢峰(1021)、ここでまた新津の女性をパスした。その先のピークで現在地特定をしていると、Tさん達が追いついてきた。迷惑かとは思ったが後について下るが、Tさんにはすっかり離されてしまった。13:45楢の木曲り(690)で飯豊山荘の屋根を見て14:10天狗平(420)。Tさんに挨拶して梅花皮荘で風呂に入り、越後屋でニンニク蕎麦を食べてたら宮城の単独行が入ってきた。ちなみに金曜日の体重が67.0キロ体脂肪率19%が火曜の朝は67.8キロ16%だった。筋肉痛も殆ど出ず、よその山に行くと、飯豊を歩けなくなるかと思ったが、少し強くなったような山行だった。                                              

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