登山者情報974号

【2005年12月18日/林道大平峠線/井上邦彦調査】

今回のコース
 昨日は予想と正反対の快晴。飯豊本山を眺めながら屋根に上って雪下ろしをする。夕方には、湿った雪が降り始めた。
 今日の朝、予想通りに雪が積もっており、暗い中でスノーダンプを動かす。山道具を車に積み込み、登校する息子を駅まで送り、そのまま山に向かった。子持ち峠を越えるが、ライトを上向きにできず慎重に運転する。胡桃平集落に到着し、駐車スペースを探す。風雪の中で準備を整え、06:49歩き出す。車庫前の除雪をしていた方に挨拶、「山に入る」と言うと呆れたような顔をしていた。
 今回の目的地は第971号で歩いた622m峰からの町境南下である。ガスパイプと並行する馬場橋を渡り、大石沢右岸を僅かに遡った所から、いよいよラッセル開始である。林道大平峠線の看板を確認する。7時になろうかというのに薄暗く、地吹雪気味で視界がない。何処が林道なのか分からない。滝沢まで行けば分かるだろうと、地形が分からないまま進む。滝沢右岸に入るとカーブミラーがあり、良い目印になった。
 07:15橋を渡り左岸に移る。雪が次第に深くなると、スキーを前に出す足が重くなる。やがてスキーを履いているのに膝まで潜るようになると、スキーの先端を雪の上に出すことができなくなった。そこでスキーの先端にカラビナをセットし、5mのクライミングテープで繋ぐ。テープを首に掛けると、自動的にスキーの先端が雪の上に出て歩きやすくなる。 しかしテープが首の後ろを右に左にと擦り、長く続けるとカッパが痛むので、テープをストックと一緒に握り、左右にテープを滑らせては固定し先端を軽く持ち上げてやる。
 07:54尾根の鞍部に広場があった。この先、07:59周囲の植生が杉林から雑木林になり、つかの間の青空が広がった。しかしすぐにまた雪が降り始めた。風は気にならない。08:23左の大きな尾根に林道が分かれている。ここは真っ直ぐに進んだ。
 08:38右に分かれる林道があった。始めは前回通った柵のある林道かと思い、地形図とGPSを出して現在地を確認し右へ進むこととした。平坦な車道が何処までも続く、右手に沢を挟んで大きな尾根が見えてきた。雪が一段と深くなり疲れが出てきたので、08:49お握りを頬張り歩きながら食事を取った。
 09:40-45、597m峰と642m峰の鞍部に到着した。食事をしながら地形図を睨む。ここから林道は下り始め、平出沢の橋を渡る。覗くと下の林道まで結構な高低差がある。いっそ、ここから尾根を登り642m峰を経由して町境に出るか、それとも計画通りに林道を進むか悩んだ。ともあれ平出沢の二つ目の橋を渡った所から尾根を直登し、前回の終点である622m峰に登る。そこから町境を進んで642m峰の尾根を下って現在地に戻ることにした。
 林道を下って橋を渡り、水平に移動する。この部分は急なノリ面があり、今後は雪崩の危険性が出てくるだろう。雪はさらに深くなった。10:11二つ目の橋を渡った所で、予定通りに尾根に取り付く。尾根の斜上を始めると、山側のスキー先端を引き上げるのが一苦労である。1歩1歩スキーを引き上げながらジグザグに登るが、キックターンが思うようにならない。念のため、ストックで雪面を叩くと雪層から滑り出した。観察するとアラレの雪崩層が認められた。これ以上の前進は危険と判断し、10:20戻ることとした。
 私のストックには直径12cmのリングが付けられている。このストックを刺してみると力を入れないのに約70cm潜る。かなり軟らかい雪である。ともあれトレースを戻るのは、随分と楽である。
 10:42峠まで戻り歩きながら食事を取る。この先は時折、トレースが消えている。微かに前方に見える名残りを目指して進むが、トレースから外れると潜る。
 11:10-17林道の分岐でシールを外す。昨夜スキーにワックスを塗り、自宅を出発する直前にゴム製のスネークシールを取り付けてきたが、これで正解であった。まだスキーの手入れをしていないのでエッジの錆が気になったが、乾いた雪のせいか特に付着することはなかった。
 スキーは良く滑るが、期待に反して深雪の上に林道の傾斜が緩いので滑降はなく、全て歩きとおしであった。それでもシールを外したスキーは軽やかで、11:31尾根上の広場を通過し、11:47橋を渡る。胡桃平集落が見えてくると、往路コースが林道から外れているのが分かった。
 12:03車道に到着。スキーを引きずって、12:08車に戻った。なお今回の山行中に獣の足跡は全く見かけなかった。
橋を振り返る 林道の様子
つかの間の青空 雑木林の中を行く
分岐、右手の林道に入る 642m峰
スキー操作テープの持ち方 スキー先端に付けた操作テープ
597m峰と642m峰の鞍部
鞍部から平出沢源頭部
下ってきたトレース トレースを戻る
642m峰に伸びる尾根 黙々と戻る
トレースが消えている カーブミラーを利用して写す
胡桃平集落 車道脇の看板