会員の山行012号

【ニセコアンヌプリと羊蹄山/2002年08月13〜14日/木内茂雄調査】

1.期  日  H14年8月13日:ニセコアンヌプリ/神仙沼、長沼
          H14年8月14日:羊蹄山
2.タイム  〔8/14:羊蹄山〕
(8/14)倶知安〈比羅夫〉コ−ス登山口4:30〜5:20二合目〜5:40三合目5:50〜6:08四合目〜6:32五合目〜7:00六合目〜7:30七合目7:40〜8:08八合目〜8:25九合目8:30〜8:55羊蹄山避難小屋9:45〜10:20旧避難小屋跡〜11:25後方羊蹄山〜岩稜帯〜11:55避難小屋への分岐〜12:15羊蹄山避難小屋12:25〜12:42九合目〜12:50八合目〜13:04七合目〜13:20六合目〜15:00登山口
3.記  録
〔8/13〕 : 神仙沼、長沼
天気予報は霧雨模様で良くないので、スキ−のメッカのニセコアンヌプリ界隈をドライブした。そして、神仙沼近くになると少し晴れ加減になったので、神仙沼の湿原とその先の長沼まで足を伸ばし、更にシャクナゲ岳へと登り初めた。しかし、また少し霧雨が強くなったので引き返えした。一度見通しが良くなった時に岩内町、共和町、積丹町及び積丹半島と日本海が見えた。天気が良いと見晴らしが最高のようだ。また神仙沼湿原では生まれて初めてサワギキョウの群生を見た。湿原なので色々高山植物も有るようだが、時期を失したようだ、面影としてはミツガシワの葉が水面から出ていた。時期は六月末だろうか?それからトウチソウだろうかカメラに納めた。
〔8/14〕 : 羊蹄山 
天気予報は良くなるということで登山口に待機する。半月湖登山口駐車場は広いが、その少し上に小さい駐車場が有り、此処で車道は終点となり、広場には何張りかテントが張られていた。そばにはトイレと水道の蛇口も有り、十分整備された登山口である。
明るくなって間もなく歩き始める。火山の名残のある土と小石の混ざる道が二人並んで歩ける広さで、奥深く続いて居る。両脇は背の高い岳樺と、何の木か判らないがこれ又背が高くこれらで背の高い樹林帯を形成している。
前日まで雨が降って居たのに道がぬかっていないのは火山灰土壌のせいだろうか?と、考えながら三〇分近く歩く。やがて、平らな道が斜面を右にトラバ−スするようになると途端に泥んこ道となり歩きづらい。途中左に“風穴“と表示されていて、何やら小さな穴らしいのが見えた。それを見ないで更に登ると、木々は変わりエゾマツと太いダケカンバになり、いつの間にか道はジグザグの登り道となる。
花はと言えばあまりなく、最初に見つけたのはオトギリソウで感じたのは日頃、飯豊で見てきたオトギリソウと比べ少し花弁が大きいような気がするということであった。
あとで上の避難小屋管理人に聞いたらイワオトギリとのこと。
下界が見下ろせるようになり、背後を振り返ると向こうにはニセコアンヌプリが雲を少し付け、その手前には碁盤の目のような畑が見える。航空写真のように倶知安町、ニセコ町が見える筈であったが、少し霧が多い。八合目辺りで傾斜が急になり、此処辺りから、九合目まで道は這松とウラジロナナカマドの混ざったトンネルとなっている。ダケカンバなどの大きな木がなくなるので、少し木々が疎らになった感じがする。九合目でそのトンネルは終わり、景色は一変し火山岩の岩と石のゴロゴロした道となる。
此処で左上に頂上方面、右なだらかなトラバ−スで小屋への分岐となっている。道を右にとり暫くで小屋が見えたと記憶する。この付近で淡い青紫のフウロソウを見つける。生まれて初めてみるチシマフウロソウであった。それからアザミも少し淡い紫で名前判らず。
(あとで聞くとタカネヒレアザミとのこと)
右下には湿原状の池が有り“星ケ池”とあり、遠くからコガネギクの盛りが判別出来る。
小屋に着き中がヒッソリしているので“誰もいないな−”と声を出したら、中から“居ます”と答えてきたので少しビックリ。小屋の管理人であった。
花の名前などを教えてもらいながら、その他の個人的な会話もした。立派な教養も有る人のようだが、どこか変わっている人のような気もした...。
(もっとも私が変わって居るのかも?。)と自問自答し自分で納得。
小屋は寝具も有り、トイレも有り、水は非常用が有るようだ。
大休憩後、小屋を出る。右に更に五分も進と左に“お鉢”に登って行く道と真狩コ−スへ行く分岐となる、左に道をとると直ぐに沢沿いの登りとなる。この辺り遅くまで残雪有りとの事だが、今は無く沢にも水は無く花もコガネギク、エゾオヤマリンドウ、その変種(ピンク色)、ウメバチソウ、アザミ(これも何アザミか?)等である。シャクナゲの葉は有るが何なのかチシマキシャクナゲだろうか。
“お鉢”周りの鞍部に出て左に行くと間もなくで旧小屋跡に着く、晴れているので表現は「間もなく」となってしまう。
小屋番に教えられた通りここには、又生まれて初めて見るオノエリンドウが紫ピンク色して咲いている。背の高さはイイデリンドウの1.5〜2倍近いだろうか花の大きさはほぼ同じくらいである。そこかしこにあるので何枚も写真とする。
それから花はミヤマキンバイに似ているが一回り小さく、葉の形が小さく違うので何かと思ったら、後でメアカンキンバイと判明。
此処から少し先で左に分岐する道あるが、右真っ直ぐに頂上を目指す。お鉢周りのコ−スに合流する頃、小石で大事に囲まれたコマクサが一株だけ咲いていた、これもカメラに納める。
天気は良く、間もなく頂上となる。雲が湧き上がっていて下界は良く見られない。遠くにトムラウシの上部が見える。その他にも見え、別の登山客が教えてくれるが、アイヌ語に因んだ名前が多いのでで殆ど覚えられず。
そして、後方羊蹄山を目指すが花はヤマハハコ、オンタデ、イワブクロが多数目に付く。
もう岩稜帯は始まっており、いくらかの起伏を上り下りし「後方羊蹄山」に着く、目で見てもこちらの方が高い気がしたが、地図で確認したら5メ−タ−高かった。
此処で飯豊/梅花皮小屋に居るOTJと無線交信するが出来ず、携帯電話でODD連絡して向こうから呼んでもらったがダメであった。
そして、更に岩稜帯を上り下りして岩場でなくなると下りとなり先程、小屋から来た分岐点に着く。一回りのタイムは写真を撮りながらなのでかなり時間をかけている。(タイムはガイドブック参照)
後は来た時と同じコ−スを辿ったので省略、朝の内は開いてなかったがニガナが咲いていたのでタカネニガナかと思ったら、ハナニガナとのことであった。よく見ると花弁の先が丸くなく尖っているのを多く見つけた。
その他、花の終わり掛け、葉で判断したものを羅列する。ヤマブキショウマ、イワアカバナ、ツルリンドウ、エゾツガザクラ、コケモモ、ハクサンボウフウ?、イワギキョウ、イワイチョウ、エゾシオガマ、などであった。
それから、何合目のタイムを細かく記したのは、所用時間が等間隔かと確認の意味であったがどうも少しずつ違うようだ。
最後に、つぎの機会があれば、高山植物の花が盛りの6月から7月に来たい。

神仙沼にてサワギキョウ
神仙沼より長沼への途中、日本海 羊蹄山にてアザミ
羊蹄山にてイワオトギリソウ 羊蹄山にてコケモモの実

羊蹄山にてエゾオヤマリンドウの群生 羊蹄山にてコガネギク
羊蹄山にてオノエリンドウ
羊蹄山にてウメバチソウ 羊蹄山にてメアカンキンバイ
羊蹄山にて蛸足岳樺 羊蹄山にてチシマフウロ
洋蹄山にてハナニガナ 羊蹄山にてコマクサ
洋蹄山登りにてニセコアンヌプリ山 洋蹄山頂上
洋蹄山にて筆者 洋蹄山の遠景