会員の山行014号

【八甲田山/2002年08月16日/木内茂雄調査】

1.期  日  H14年8月16日
2.タイム  
酸ヶ湯温泉6:50〜7:10城ケ倉温泉分岐〜8:22ロ−プウェイへの分岐〜9:00大岳鞍部避難小屋9:55〜10:15大岳山頂10:50〜11:30仙人岱湿原〜12:37登山口
3.記  録
函館午前零時発フェリ−に乗り朝4時に青森着、途中GSでガソリン補給,コンビニで食料を調達してから八甲田山に向かっていくと夜が明け始めた。朝焼けの八甲田山を眺めながら朝食をとる。そして、カ−ナビ誘導なので迷うことなく酸ヶ湯温泉に着いた。
出来たばかりの綺麗なトイレで用足しをする。人が入るとセンサ−が働き自動的に照明が点き、洋式便座はヒ−タ−が効いているというなかなか洒落たトイレであった。勿論水洗式である。
登山口は毛無湿原の方から登るコ−スは温泉宿横から一つ、もう一つは100メ−タ−くらい上の駐車場の有る所から仙人岱コ−スに登る口と二つ有る。
周遊出来るので毛無岱コ−スをとる。温泉旅館の横から直ぐに階段状に登り暫く高度を稼ぐ。道は丸木と板で良く整備されている。こちらも花の時期は終わりで、登り始めにヒヨドリバナ、途中マイヅルソウの葉とハリブキの赤い実、そしてミズバショウの葉が目立つ程度である、道は20分もすると緩やかになり、やがて城ケ倉から来る道が左より合流してくる。湿原に近づくとアザミ、ノリウツギ、コガネギク、ギボウシとウサギギクを2.5倍にしたような花に出会った。名前が判らないのでオオウサギギクとしておく。
下毛無岱湿原に着くと、右向こうに湧き上がる雲に見え隠れする八甲田大岳が高く見える。そして、足下にはイワハゼの赤い実、咲き遅れたチングルマが一つ、二つ、三つと出てきた。それから、花が終わったシャクナゲ、ミツガシワ、ネバリノギラン、キンコウカも終わりだが飯豊の梶川尾根で見るのより2倍以上もあるのに驚く。今はウメバチソウが盛りのようで、あちらこちらと淡い清楚な白い花を咲かせて心を和ませてくれる。
湿原は木道が延々と続いている。脇には昨日降ったらしい雨水を加えた沢が流れている。少し向こうの水溜まりにはサワギキョウが咲いていたが立ち入り禁止である。踏み跡がついているが、誰か見に行ったのだろう。私も写真を撮りたいのでほんの5メ−タ−程、木道をつけてもらいたい。
この先で左よりロ−プウェイから来る道が合流してくる。そして間もなく、木の段階がこれまた延々と見事に上へと伸びている。これを登り切ると、やがて上毛無岱湿原となっていく。チングルマの群生も続いており、時期に来れなかったのがとても残念であった。
きっと高山植物が咲き乱れたことだろう....。(エゾシオガマ、ハクサンボウフウ、ツマトリソウ、ホツツジ、マルバシモツケ、ヒメシオガマ?の名残)
またひとしきり登ると鞍部となり、大岳鞍部避難小屋に着く。このあたりアオモリトドマツが多かったように記憶する。
小屋は、まだ新しくログハウス調に作られた立派な小屋だ。中に入って用足しをしたが男女に分かれていて、しかも団地サイズの様に狭くない。
小屋の前のベンチでユックリと食事をしながら、霧が行き来する山頂を見やる、目測で20分位の登りと読む。この辺でホシガラスを一羽見る。
小屋の前から左にロ−プウェイ方面、右に山頂方面と分岐する。一寸の間、低木の中を進が直ぐに木は無くなり地肌の登りとなる。風雨に崩壊されないよう柵などで土留めがされており整備されている。山頂近くでは名前の判らない白い花のランみたいなものをカメラに納める。(ハナイカリ?)
山頂は広く、今来た毛無岱湿原と、これから行く仙人岱湿原が良く見渡せる。花はミヤマキンバイ、イワギキョウ、ウメバチソウ、ヤマハハコ、そして終わったチングルマ。(ここで飯豊梅花皮小屋のOTJを無線でよんでみたが反応なし、携帯電話は通じる。)
下りは急で、斜面は崩落防止のため針金の蛇篭に石を詰めて整備してある。仙人岱湿原に降りてくると、ヨツバシオガマ、エゾシオガマの大きい一株と、ギボウシとアザミがそこかしこ、それから紫鮮やかなミヤマリンドウが見事であった。このミヤマリンドウだが他で見てきたのと比べ花心が微妙に違うような気がした。(別名があるのかも?)その他にもウサギギク(通常のもの)、ミヤマキンポウゲ、ダイモンジソウ、終わったツバメオモト、コバイケイソウを見つける。
このあたりの道も木道の遊歩道になっていて、中間に広い休憩場があるのでここでユックリと休む。そして、辺りを見回しながら、『この仙人岱湿原はシ−ズンには素晴らしいお花畑のなるだろう』と、想像をふくらませる。
あとは酸ヶ湯温泉へと下っていくと、少し硫黄臭くなり両側が切り立ち、右斜面からは不安定な石が落ちてきそうな箇所があった。更に下ると道は緩やかになり、この道が酸ヶ湯まで飽きるほど続いた。(実際は大した時間を要したわけでないが、泥んこ道で参った。)この途中で蔓状のバアソブ?の花を初めて見た。
まとめとして、全体的に感じたことは、距離的には手頃で、高山植物を見るのに仙人岱湿原だけでも素晴らしい眺めだろうと思う。

大岳避難小屋 仙人岱湿原にてエゾシオガマ
仙人岱湿原にてギボウシ
仙人岱湿原にてミヤマリンドウ
地獄谷より下にてバアソブ 頂上より仙人岱湿原とヒュッテを見下ろす
頂上近くより毛無湿原 頂上付近にてハナイカリ
毛無湿原にてキンコウカ 毛無岱湿原にてエゾシオガマ
途中にて岩木山を望む 毛無岱湿原にてオオウサギキク?
マルバシモツケ 八甲田山の遠景、朝
八甲田山の遠景 毛無岱湿原より大岳を望む