会員の山行 030号

【2004年02月20日/番城山(1323m上ノ山市)/吉田岳】

 番城山は蔵王の南、奥羽山脈上に位置する標高1323mの山である。県内において有名な山々を除けば、この標高より高い山はあまりない。例えば面白山(1264m)、長井葉山(1237m)、栗子山(1217m)等よりも高い。3年前から狙っていた
山に、やっと行くことが出来た。
 自宅を5時40分に出発し、上ノ山市内でコンビニに寄り、『ニッポン国古屋敷村』を経て、萱平集落の除雪止まりに到着した。雪の量は意外とあり、昨夜の新雪をうっすらと被っていた。支度を済ませ、8時ちょうどに出発。はじめ取りつきの場所を少し間違えた。除雪止まりからそのまま右手の杉林に入っていくとすぐに林道とぶつかり、その林道を辿って行けば良いようである。この道を作業道程度の幅に想定していたので、どんどん標高を稼げるこの林道は非常にありがたい。杉林、桧翌檜(ヒバ)の造林地、雑木林を経て、9時40分標高900mほどの林道終点にて一服。県境尾根までのこのコースは北向きになるため太陽が当たらないが、今日のように気温が大分上がるような日にはありがたい。南東方向には二ツ森山が見えた。
 適度な斜度の雑木林を登り、やや西向きにコースを変えて行くと、突然視界が開け、10時10分平らな県境尾根に辿りついた。振り向くと蔵王連峰が見渡せ、進行方向には大きなピークが見える。山頂まで林に覆われているが、「あれが番城山だろう」と思い込みそれを目指した。1121mの小ピークを右手から回り込む感じで、なるべくup downのないコース取りをする。11時その小ピークを巻いたところで休憩。
 番城山と思われるピークまでもうひとがんばりという所まで来たが、その前に小沢が食い込んでいるため左に巻いてそのピークに取りつく。ブナ林の斜面を垂直にどんどんと登って行くが、なかなかピ−クが見えてこない。ブナの背丈がだんだんと小さくなっていき、その先に潅木がまばらに生えたピークが見えた。そしてさらにその先に360°何も視界を遮るものがない突き出た感じの山頂があった。11時40分登頂。最高に気持ちが良い。
 展望と昼御飯そしてビールを堪能した後、12時30分下山を開始した。最初の斜面は唯一のスキーを楽しめる斜面であろう。その後は登り返ししないよう水平ぎみに滑って行く。1010mの鞍部からは再びシールを付け、登り返す。景色がすばらしいためにこの動作もそれほど気にならない。やはりこの山はスキーを楽しむ所ではなく、景色や山そのものを楽しむ所のようだ。1030m地点より再びシールを外し、県境尾根から雑木林の斜面に入っていった。 13時45分林道に入り込む。しかし下に行くほど雪質は悪くなり、重くあるいは硬くなっていった。スピードが出るのだが上手く回転が出来ない。このような時はシールを付けて下るのも一つの方法であろう。車の所までもうすぐという場所で、ショートカットしながらスピードをつけて林道に出たところ、急に滑らない雪質に変わり、思いっきり頭から転倒してしまった。目の前にスギの木が見えたためにひやりとさせられた。なにはともあれ14時20分無事車の所に到着した。ちなみにこの山行中に、カモシカ ウサギ リスそしてたぶんオオタカの野生動物達と出会った。
林道上部の様子 木々の隙間から見えた二ツ森山
県境尾根から番城山方向 振り返れば蔵王連峰
ブナの霧氷 所々に見られる低木疎林地帯
1250m付近 まだ山頂は見えない 1300m付近 最後のだまし
山頂より吾妻連峰 山頂より飯豊連峰
山頂より朝日連峰 山頂より蔵王連峰(熊野岳)
山頂より南蔵王(不忘山) 山頂より月山・葉山