会員の山行 042号

【2004年08月15日/神室山/木内茂雄調査】

タイム
パノラマコ−ス登山口5:06〜5:25西ノ又登山口〜5:35吊橋〜5:47第2吊橋〜6:39滝〜6:50不動明王7:09〜7:50一服の標識〜8:07森林限界〜8:14御田の神〜8:51神室山への分岐〜9:06神室山山頂〜9:08避難小屋10:10〜10:14神室山山頂〜10:30西ノ又コ−スと前神室山への分岐〜10:38国定公園レリ−フ〜10:47有屋口分岐〜11:20前神室山山頂〜11:30第3ピ−ク〜12:08第1ピ−ク〜12:45一服平〜13:02パノラマコ−ス登山口
記 録
天気は曇り、パノラマコ−ス登山口前の駐車場に車を止め林道を20分も歩くと西ノ又登山口となる。此処で車道は終わり山道となり沢沿いに歩き、第1吊橋、第2吊橋と渡る。どちらの橋も新しい橋である。第2吊橋辺りには大きなイタドリ、とシシウドが河原に咲いている。その他にズダヤクシュ、とヤグルマソウは枯葉になりかけている。
第2吊橋を渡ると道は沢から離れ少し登りになり、周りは栃の大木、ブナの大木、そして、ドロの木の様な真っ直ぐで木肌が沢クルミの様な大きな木が混在する林を歩く。ブナが見事なので両手で抱えてみると、二抱えもあり周囲4メ−タ−以上の大木だ。
途中に「老いて猶......」と書かれた俳句が白地の鉄板に記されていた。その先にも同じ人の句が有った。地元の人か、なかなか風流である。途中、ソバナ、キツリフネを見る。やがて、目の前に滝が現れ沢の右岸に渡り暫く河原を歩いてから、尾根に取り付くと間もなく小さな不動明王が祀られている所にでる。此処が最後の水場となっている。二回目の朝食をしてから、歩き出すと直ぐにバアソブを見つける、花は一輪だけで、後は蕾がかなり付いている。それから、ツルリンドウも蕾、ツバメオモトは葡萄色した実を付けている、マイヅルソウは葉のみ。登りはきつくなり、どうやら胸突き八丁らしい、周りを見るとハクサンボウフウ、ヨツバヒヨドリ、ノリウツギ、ダイモンジソウの葉、花の終わったヤマブキショウマ等が有る。
ブナの大木と、その下にムシカリの木が多い登りで、気温が低いので急傾斜とはいえ歩きやすい。“一服何とか”と言う標識辺りで霧が少し切れ、前方にピ−クが見えたが神室山だろうか?。カニコウモリ、ヤグルマソウ、ネバリノギランも有るなと記憶している内に傾斜が緩やかになった、約一時間の急登であった。それから20分弱でブナの木も小さくなり、森林限界になった。霧の中にボンヤリ何かの山が見える。
花が出始める、タテヤマウツボグサ、アザミ、ミヤマアキノキリンソウ、シロバナトウチソウ、ヤマハハコ、オトギリソウ、オヤマリンドウ、花の終わったイワハゼ、イワイチョウ等。
御田ノ神に着くと名前の如く平であるが霧が濃いので遠望がきかない、そして、念のため雨具を着る。
少し下ると湿原状になりハクサンボウフウのお花畑になっている。霧野中に群生する白い花も風情がある。そして、花の終わったニッコウキスゲ、イワショウブ、キンコウカ、等があるが何故かチングルマが見つからない。合っても良さそうな情景だけれど。
そして間もなく、イタドリと笹の混ざった登りになるとダイモンジソウ多く咲いていて、ヤマアジサイが青さ鮮やかに強調し、更に、チョウジギク、バアソブが数本有りピントを合わせる。花の終わったモミジカラマツ、キヌガサソウが実を付けている。1ヶ月も前なら良いお花畑だったろう。
この登りもそんなに長く無くやがて、傾斜の緩い登り降りになると、左に落ち込んでいる斜面にタチギボウシ、アザミが多く咲いていて、足下にはズダヤクシュ、ハクサンフウロ、タテヤマウツボグサ、ミヤマホツツジ、ウメバチソウ、ハクサンシャジン、ゴマナ、それからオノエランの様な葉、イワハゼの赤い実、感激したのはセンジュガンビが霧に濡れて純白に咲いていた。神室山まで幾つも見つけたが、花が終わっていれば見逃すだろう。この花に巡り会えた事に喜んで居る内に神室山分岐に着く、この辺りにキャラの木が多いので根本を見るとかなり太い。その他シャクナゲ、ツゲの木も有る。
分岐を左に曲がり途中、ハクサンオミナエシ?一本有りカメラに納める。差ほど急な登りを感じず神室山山頂に着く。山頂で左右に道が分岐していて右に下る。相変わらず霧で見通し悪く、晴れていれば直ぐ右下に見える避難小屋に3分位でくだる。
小屋でユックリと天気祭りをしながら、朝方みた俳句に刺激され、駄作三句、「花を見て歩む神室は霧の中」「足下の花に感激神室山」 「前を見る霧の向こうに神室山」暇をつぶしたが晴れてくれない、前神室山へと途中まで引き返す。小屋の前にはイワアカバナとエチゴキジムシロのような葉を見つける。西ノ又からの分岐に着く頃、上空少し明るくなる。鶯が鳴いているので天気が良くなるだろうと勝手に判断する。
この分岐を真っ直ぐ8分進むと国定公園のレリ−フが有る。この先10分弱で分岐が有り、真っ直ぐに行き易いが右に折れる。登山道は花が少なくミネカエデ、ナナカマド、シャクナゲ、ツゲ、笹に占領されているがパノラマの名前の通り景色は良いのだろう。
前神室山に着いても神室山の方は晴れず、前方下の秋の宮温泉は見えてきた。ツバメオモトの葡萄色の実が目立ち、その他カニコウモリ、ハリブキの葉しか見つけられなかった。
第1ピ−クになる頃、左下斜面はブナ林、右下斜面は低木(恐らく冬に雪庇が出て大きな木が育たないのだろう)である。一服平の標識辺りから尾根は丸くなり、杉林の急斜面を下って行くと、今朝止めた車が見えた。

センジュガンビ ダイモンジソウ
ツルリンドウ ハクサンボウフウ
バアソブ ヤマアジサイ
御田の神標識
神室山レリーフ チョウジギク