会員の山行 069号

【2005年08月27-28日/鹿島槍ヶ岳:柏原新道/木内茂雄】

タイム 
(8/27)爺ケ岳登山口8:20〜8:59八ツ児ベンチ〜9:23ケルン〜10:23石畳〜11:21種池山荘12:02〜12:42爺ケ岳/南峰〜13:20爺ケ岳/中峰〜14:09冷乗越〜14:18冷池山荘
(8/28)冷池山荘4:09〜5:00布引山5:06〜5:41鹿島槍ヶ岳/南峰6:00〜6:30鹿島槍ヶ岳/北峰6:36〜7:14鹿島槍ヶ岳/南峰〜7:39布引山〜8:07冷池山荘〜8:37〜8:51冷乗越〜9:41爺ケ岳/中峰〜9:51爺ケ岳/南峰〜10:15種池山荘11:08〜11:18ガラ場〜11:30水平道〜12:07ケルン〜12:18八ツ児ベンチ〜12:42爺ケ岳登山口
記 録
(8/27)大町市から扇沢に向かい大町温泉郷、そしてゴルフ場を過ぎ、山間の道を走ること暫し、トンネルに近いスノ−シェルタ−を過ぎると直ぐ右に登山口になっていたが一瞬、通り過ぎてしまった。
駐車場は一杯で登山客は多いが、軽自動車なので何とか停めて歩き出す。歩き出して直ぐにソバナとサラシナショウマ、カニコウモリを見つける。道は新道の名前の通り十分に整備されていて歩幅、段差も程良く快適に歩ける。ナラの木は太く山の年輪を感じさせるし、また、太い檜も多い。それから、シラビソ、シャクナゲ、数本のブナを見つける。
上空は霧で湿度が高いのか蒸し暑い、額に汗し、進むとハクサンオミナエシ、サラシナショウマ、アキノキリンソウ、ノリウツギ等がこの先に期待を持たせてくれる。
ケルンを過ぎた辺りで休憩していると一瞬、霧が晴れ稜線に種池山荘が見え、その横に岩小屋沢岳らしい、シルエットが見える。
どこかでニッコウキスゲが種になっていたのとカライトソウ、ヤマハハコ、アザミ、そしてゴゼンタチバナ、アカモノ、ナルコユリの赤い実、花の終わったツクバネソウ、エンレイソウ、イワウチワ、等が有る。
途中に有る“石畳”、“水平道”等の標識は新道造成の苦労と工夫を物語っている。
この辺りからも種池小屋が良く見え、足元にはクロトウヒレン?、ハクサンボウフウ、トリアシショウマ、ツルアリドウシ、ミヤマコウゾリナの花とナナカマド、バイケイソウの実などが有り、樹林帯は岳樺に変わっている。“ガラ場”の標識辺りにはオオバミゾホオズキ、ミヤマキンポウゲ、ヨツバシオガマ、ホツツジ、シモツケソウ等が咲いている。
この先、少し進むと傾斜がきつくなり、疲労を感じながら我慢すると、やがて傾斜が緩くなり種池山荘が目の前に現れて来る。辺りは花畑の時期が過ぎてはいるが、ハクサンフウロ、トモエシオガマ、オヤマリンドウ、ミヤマリンドウ、ウサギギク、ミヤマキンバイ等の花とチングルマの種が点々と有り、その他斜面にはコバイケイソウがかなり有るようだ。木イチゴも見つけ熟した実を探すが採られたか一つ、二つしか採れない。
山荘では、ヘリで荷揚げ作業を繰り返しているのを見ながら休憩して前方の爺ケ岳を眺める。この辺りから森林限界で、道は北アルプスらしいガレ石の上を歩く。傍らにはトウヤクリンドウが今盛りと点々と咲いている。(鹿島槍まで群生ではないが、点在して切れることがない)
その他、ミヤマダイコンソウ、ウラシマツツジ、ハクサンシャクナゲの葉、そして小さなシャクナゲの葉はキバナシャクナゲだろうか。
爺ケ岳登りになる手前で、蝉が大声を出しているので、そっと望遠で写真を撮る。
爺ケ岳は南峰と中央峰はピ−クを踏み、北峰は巻いて進む。(帰りはすべて巻いた)花はイワツメクサ、コゴメグサ、タテヤマウツボグサ、ツルリンドウ、等が咲いている。
冷乗越に下って行くと、霧の中に雷鳥を見つける、望遠で撮るのでなかなかうまく撮れない。冷乗越辺り右側は切れ落ちていて、山肌は赤岩尾根と言われる様に赤い地肌だ。此処からシラビソの木の中に入って行くと、冷池山荘までは直ぐ近くだ。
(8/28)
昨夜の天気予報は長野県全域曇りで登山客全員シュンとしたが、夜中の空は天の川まで見える快晴、夜明け近く上空の雲が出てきたが晴れである。
暗い中を歩き出し、布引山の先でご来光を迎える。左から剣岳、立山、薬師岳、そして、その奥には槍、穂高が遠くに見える。全山朝日に輝き、改めて北アルプスのスケ−ルの大きさに感動した一瞬である。
山の斜面にはトウヤクリンドウが点在、そこにイワツメクサ、ミヤマツメクサ、サmニヨモギ、イワオウギ、イワベンケイイワギキョウ、ホタルブクロを見る。
気温はまだ低く、冷たい手をさすりながら鹿島槍ヶ岳/南峰で朝食をとり、再度来れるかどうかなので、北峰まで往復する。吊り尾根で振り返えり見上げると、これが“槍ヶ岳”と言われる所以と実感すること暫し、正に槍の如く聳えている。
北峰山頂からは五龍岳が目の前で、キレット小屋が真下に見える。そして向こうには唐松岳と白馬が雲海に浮いている。
帰りはユックリと写真を撮りながら引き返す。イブキジャコウソウ、ミヤマクワガタ、ウメバチソウ、ホソバウスユキソウなどが収穫であった。
帰り道は大体晴れであったが、雲が湧き、爺ケ岳から鹿島槍ヶ岳の双耳峰を完璧に撮れなかったのが心残りだ。
その他、冷池小屋手前でキヌガサソウ一輪とどこかでイチヤクソウを見た。

爺ケ岳登山口標識 ハクサンオミナエシ
ゴゼンタチバナの実 ナルコユリ?の実
扇沢の駐車場を見下ろす クロトウヒレン
クロトウヒレンの実? オオバミゾホオズキ
カライトソウ 種池山荘付近にて不明
トモエシオガマ 種池山荘前にて爺ケ岳を見る
種池小屋でのヘリの荷揚げ作業 キヌガサソウ
ミヤマリンドウ
ウラシマツツジの葉? オヤマリンドウ
ナナカマドの実 ツルリンドウ
雷鳥 夜明けの布引山と左、爺ケ岳、遠く穂高
日の出と雲海 夜明けの薬師岳
夜明けのトウヤクリンドウ 夜明けのトリカブト
夜明けの爺ケ岳と遠く穂高 鹿島槍ヶ岳南峰にて
夜明けの剣岳と影鹿島槍ヶ岳
雲海に浮かぶ剣岳 鹿島槍ヶ岳登りにて
布引山と遠く槍、穂高を望む
北峰より南峰を望む 北峰より剣岳を望、左鹿島槍ヶ岳
北峰より五龍岳 北峰にて五龍岳と唐松、白馬
北峰より爺ケ岳と穂高を望む イワツメクサ
ミヤマツメクサ ミヤマクワガタ
トウヤクリンドウ
コゴメグサ イチヤクソウ
ウメバチソウ ホソバウスユキソウ
イブキジャコウソウ 冷池山荘上のテント場より爺ケ岳
冷乗越付近にて面白い苔玉 爺ケ岳より鹿島槍ヶ岳を望む
s41.5爺ケ岳より鹿島槍ヶ岳 s41.5の筆者(五竜手前より鹿島槍ヶ岳)
s41.5五竜手前ピ−クより鹿島槍ヶ岳 s41.5冷池小屋