【2005年09月17-18日/穂高連峰、槍ヶ岳/木内茂雄】
タイム
(8/17)上高地バスタ−ミナル6:00〜6:20岳沢、穂高登山口〜6:56岳沢名勝/天然ク−ラ−風穴〜8:26岳沢ヒュッテ8:44〜9:30カモシカの立場9:53〜11:12紀美子平(前穂への分岐)11:30〜11:58前穂高岳12:16〜12:33紀美子平13:03〜14:24南稜の頭〜14:33奥穂高岳14:46〜15:11穂高岳山荘
(8/18)穂高岳山荘5:38〜6:00涸沢岳〜8:10涸沢への分岐〜8:24北穂高岳8:55〜10:50最低鞍部11:10〜11:58南岳12:50〜13:05南岳〜14:05中岳〜14:20大喰岳手前の鞍部14:35〜15:05飛騨乗越〜15:21槍ヶ岳山荘15:30〜槍ヶ岳山頂往復〜16:35槍ヶ岳山荘
(8/19)槍ヶ岳山荘5:40〜6:00殺生ヒュッテへの分岐〜6:10播隆上人岩屋〜6:12ヒュッテ大槍への分岐〜6:22水場〜6:45天狗の標識〜7:00水俣乗越への分岐〜7:35槍沢ロッジ7:45〜7:56二ノ俣〜8:01一ノ俣〜槍見河原〜8:35横尾ロッジ8:50〜9:24新村橋〜9:35徳沢園9:40〜10:16明神館10:28〜10:33明神池10:57〜11:35岳沢、穂高登山口〜11:52上高地バスタ−ミナル
記 録
(8/17)昨夜、沢渡の駐車場に1日当たり500円の代金を前払いして仮眠し、一番バスに乗り上高地に向かう。(40年前にはマイカ−で上高地まで行けたが)
終点のバスタ−ミナルは昔と比べ何か狭くなったような気がする。朝早いが、流石に人が多い。此処に岳沢方面の標識無く、河童橋にも標識なく、地図を頼りに河童橋を渡る。この方向には明神池の標識は有る。これで良いのかと進むと、やがて板で整備された木道を歩き20分程で車道に出て、初めて真っ直ぐ岳沢、穂高方面の標識が有る。右明神池と別れ、山道に進む。
シラビソの林の中なのとシ−ズンは過ぎたので花は殆ど無く、ノコンギクが紫鮮やかに咲いているのと終わりかけのサラシナショウマ、キリンソウ、ノリウツギ、ヤマハハコ等と、ゴゼンタチバナ及びムシカリの赤い実が目立つ。
途中、岳沢名勝天然ク−ラ−風穴と看板が有ったので顔を近づけてみたが風を感じなかった。
岳沢ヒュッテ手前一時間くらいの周りは岳樺に変わり、見通し良く振り返れば上高地が見える。トリカブトが現れだし、キオン、ホタルブクロ、ハクサンフウロとゴマナを見かけ、ヒヨドリバナは枯れている。それから一カ所終わっているがサラシナショウマの群生地が有った。
40年前の記憶通り岳沢ヒュッテは岳樺の木々の中に有り、傍にはナナカマドが赤い実をつけていた。
ヒュッテから暫くして道はジグザグの急傾斜になり、シ−ズンに、この斜面はお花畑になりそうな風情である。間もなく岩混じりの急登で高度を稼ぐので登山の張り合いが湧く。
“カモシカの立場”の表示に出るとヒュッテはかなり下になり展望が良い。右に尖った頂きが二つ見えるが地図から推定すると左が明神岳、右が五峰だろうか、前穂高岳は霧の中で見えない。紀美子平までクロトウヒレンと花の終わったバイケイソウ、ウサギギク、ハクサンイチゲ、イワウメ等を確認する。
紀美子平にザックを置き、前穂高岳をピストンする。結構な急坂を上り山頂に立つが霧で遠望がきかない。ビ−ルを飲み少し待つが、見込み無く諦めて降りる。
奥穂高岳まではそれ程の高低差は無く、厳しい箇所も無く着いたが相変わらずの霧で遠望きかず、穂高岳山荘に向かう。唯、涸沢は良く見下ろせテントまで数えられる。山荘近くでは急勾配になり梯子で一気に下り、山荘に降り立つ。
(8/18)昨夜、山荘のテレビの天気予報は飛騨地方曇りに登山客全員ガッカリしていた。
朝、山荘前で見るご来光はぼやけていて、槍ヶ岳方面は見えない。半分諦めて涸沢岳に登り時々振り返り半ば諦めていたら突然ジャンダルムが見え、続いて奥穂高岳も姿を見せてくれた。そして、前方には北穂高岳、そして、その向こうには槍ヶ岳がそそり立っている。更に朝日を右から受け左にブロッケン現象が出て、小さな虹が写し出された。もう、これ以上の景色は無い。(40年前にこの穂高でブロッテン現象を見たが、当時は白黒だった様な気がする、最近は近代的で総天然色になったみたいだ。)
二台のカメラはフル活動したのは言うまでもない。
途中、イワギキョウが鮮やかに咲いていたのとチョウジギク一株、そして、イワツメクサが所々に咲いている。その他イワベンケイ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、トウヤクリンドウ等の葉を見かける。
北穂高岳山頂と北穂高小屋は隣り合わせで、此処から見下ろす飛騨泣きから大キレット基部までは、これでもかと思う程下っている。それは岩場の連続で鎖場、梯子有り、時々登山客同士のすれ違いで一時停止を余儀なくされる。
大キレットの登りの方が楽な感じで、切り立った岩峰を見上げながら登り、この頂きを左に巻くと南岳小屋に出た。此処から見る南岳はまろやかで、緩やかな登りであるが中岳は意外と登りがあった。この辺りではミヤマヤハズハハコ、チングルマ、ミヤマコウゾリナ、ヨツバシオガマ、アオノツガザクラの葉を見かけた。時々見える槍ヶ岳に元気づけられ、さほどでない大喰岳を登ると目の前には槍ヶ岳が聳えている。テント場、槍ヶ岳山荘、そして、40年前と同様槍ヶ岳には登山客が数珠つなぎで貼り付いているのが、遠目に見える。
飛騨乗越から、槍ヶ岳山荘までは大した登りでないのに今日一日の疲れが効いているのが判る。
山荘前にザックを置き空身で槍に取り付く、もう夕方なのでそんなに混まないだろうと登り始めたが、直ぐに渋滞で遅々として進まない。此処も百名山巡りのツア−客がいるのかモタモタが目立つ。(此くらいの所はスム−スに登れる様、訓練してから、来るべきと思うのは私のエゴだろうか?)結局、往復一時間かかった。
(8/19)朝から霧雨なので水俣乗越から槍沢に降りる予定を変更して真っ直ぐ槍沢を下る。
ガラ場を下りヒュッテ大槍への分岐を過ぎると間もなく、左岸の斜面を歩く様になる。ナナカマド、木イチゴ、そしてトリカブトを見つけるが花は終わっている。
次第に傾斜も緩くなり、雨も止んだ。振り返ると稜線は見えないが、槍沢の草は紅葉し始めている。
後は、沢沿いの緩やかな道を唯、延々と下るのみ、そして、徳沢園からは車道をテクテクと下る。あまりにも単純で退屈なので駄作を一句“梓川今も同じく清流ながる”
明神では、明神池に廻ってみると、拝観料300円となっていたが、昔もそうだったろうか?
池の水も川の水もきれいで、ヤマメかイワナらしい魚が悠然として泳いでいる。
全体を振り返ってみると、矢張り穂高、槍は山のスケ−ルが大きい。そして、河童橋は相変わらず観光客で一杯だ。しかし、バスの待ち時間は昔、整理券をもらっても数時間待たされたが、待ち時間無しで沢渡間で帰れた。
バスターミナル | 河童橋の賑わい |
河童橋 | 河童橋より朝の焼岳を望む |
穂高、岳沢登山路標識 | 岳沢名物天然クーラー風穴 |
岳沢ヒュッテを見る | ノコンギク |
ホタルブクロ | 岳沢ヒュッテ前の標識 |
岳沢ヒュッテ風景 | クロトウヒレン |
カモシカの立場にてナナカマドの実 | カモシカの立場にて明神岳? |
カモシカの立場を見下ろす | 紀美子平付近にて明神岳 |
ウサギキク、紀美子平付近にて | 紀美子平の風景 |
前穂高岳山頂 | 前穂高岳を振り返る 奥穂高岳付近にて |
涸沢を見下ろす、奥穂高岳付近にて | 奥穂高岳山頂にて |
穂高岳山荘の夜明け | 穂高岳山荘前の岩峰 |
早朝の前穂高岳と奥穂高岳山荘の テント場、涸沢岳登りにて |
笠ケ岳涸沢岳にて |
ブロッケン現象と笠ケ岳 | ブロッケン現象と笠ケ岳 |
ブロッケン現象、涸沢岳にて | 左から涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム |
左前穂高岳、右涸沢岳 | 北穂高岳と左槍ケ岳、涸沢岳付近にて |
槍ケ岳と北穂高 | 北穂高手前にて槍ケ岳 |
イワギキョウ | 北穂高小屋 |
涸沢からの合流 | チョウジキク |
北穂高からの下り | 北穂高の岸壁 |
北穂高に向かう人たちとすれ違う | 北穂高下りにて常念岳を望む |
南岳方面大キレットを望む | 最低鞍部より北穂高を振り返る |
大キレットを見上げる | 南岳付近より常念岳 |
南岳小屋と後方南岳 | 遠く燕岳を望む |
大喰岳より槍ケ岳を望む | 飛騨乗越より常念岳を望む |
飛騨乗越より大喰岳を振り返る | 槍ケ岳山荘 |
槍ケ岳を下る人達 | 播隆上人の岩屋 |
霧の槍沢を見上げる | 槍沢のトリカブト |
槍沢ロッジ | 横尾山荘 |
横尾の標識 | 横尾大橋と前穂高 |
オニアザミ | 新村橋 |
徳沢園 | 徳本峠方面の標識 |
明神橋前 | 明神橋前 |
明神橋前 | 嘉門次の説明碑 |
明神池 | 明神池の鴨 |
岳沢からの清流 | 河童橋の賑わい |
上高地バス停前売店 | |