会員の山行 074号

【2006年02月06日/南屏風岳(蔵王連峰)/吉田岳】

 南蔵王に位置する標高1840mの南屏風岳。この東側大斜面での大滑降が、今回の目的である。なお、今回のコース設定に当たり、HP『東北アルパイン日誌』さんの報告文を参考にさせていただきました。
 白石スキー場のリフトに乗り、降り場にて出発準備。9時05分、シール歩行で出発。まずはなだらかな潅木帯を歩いていく。不忘岳から上はガスの中で見られない。茶色っぽい色をしたウサギが走り去っていった。下を振り返ると、仙台平野(?)と太平洋が見渡せた。
 不忘岳手前でスキーを脱ぎ、坪足歩行とした。斜度が急になり、雪もクラストし始めたからである。下の方に2人組みのボーダーらしき人が登ってくるのが見えた。10時45分、 不忘岳到着。しばし休んで、また先を目指す。不忘までは岩や潅木が見られたが、そこを超えると一転、白銀の世界になった。ただし視界があまり効かず、東斜面がどのようになっているのか分からない。そろそろ南屏風のはずと思っていたら、ピークらしきところに着いた。地図で確認して、11時45分、南屏風岳山頂到着とした。
 滑降の準備をしていると、後から来た2人連れも到着した。ボーダーと山スキーのコンビだった。やはりここの滑降のために来たとのこと。ちょっと情報交換してから、先に来た者として、お先に滑らせてもらう。ガスは少し晴れてきて、斜面側にくるとさらに視界が広がった。それにしても予想を超える大斜面。しかもパウダーである。滑降コースを確認して、滑り出した。
 出だしは、深雪にややたじろいだもの、何とか最初の斜面を滑り降りることが出来た。気分は最高である。さらに滑降は続く。コガ沢沿いに滑っていった。1250m辺りで、滝が出ていたため、右岸に逃げた。ここまで滑れれば満足。無理して下りずに、尾根沿いに登り返し、東尾根の不忘の碑手前辺りに出ることにした。下の駐車場で聞いた話だが、後ろの2人は、斜めにトラバースしていったとの事である。
 40分ほど登り返して、東尾根に出た。ここからまた滑られるため、登った甲斐はある。今さっき歩いたばかりのようなカモシカの足跡が続いていたが、やはりその先にシルバーがかったカモシカが見えた。休憩の後にまた滑りだす。ここまで来るとさすがに雪は重い。最後にスキー場(といっても懲りずに林の中)を滑り、14時30分、駐車場に無事到着した。

白石スキー場の奥に、 不忘岳前衛 振り返ると太平洋が見えた
不忘岳山頂 白銀の世界になってきた
南屏風岳山頂 滑降斜面を覗き込む
コガ沢での滑降跡 東尾根上部での滑降跡