会員の山行 075号

【2006年02月13日/南面白山、大東岳/吉田岳】

 今回は、蔵王連峰の北側、奥羽山脈上に位置する南面白山(1225m)と大東岳(1366m)へ、面白山スキー場より山スキーで行ってきた。面白山は、夏と冬に来たことがあるが、大東岳は高校生の時にチャレンジしたもの、時間切れで退却したという苦い思い出がある。このスキー場は、JRでしか行けないという変わったスキー場のため、手前の高瀬駅より電車を使って面白山駅に到着した。スキー場は駅の目の前である。
 7時15分、面白山駅をスタート。スキー場が開くまで待っていられないため、てくてくスキー場を歩いていった。8時、ゲレンデトップに到着。予定より掛かってしまった。トップに付いたとたんにリフトが動き出したらショックであるが、まだリフトは動きそうもない。なだらかなブナ林の中に入っていく。しばらくすると傾斜が強まり、藪も多くなってきた。耐え切れずに、スキーを脱ぎ、かんじき歩行に変えた。下りの滑降コースは尾根筋ではなく東斜面に見つけないといけないようだ。1050m位まで来ると傾斜がゆるくなり、またスキー歩行に変えた。9時40分、南面白山に到着した。
 ここまでは予定通りである。ただ、ガスで視界が効かず、大東岳がどのようになっているのか、読み取ることができない。とりあえず大東岳の方へ向かってみることとして、滑降準備を始めた。ここから高度差で、300m近くスキーで下る。これがなかなかいいスキーコースになっており、危うく滑り過ぎるところであった。950地点よりシールを付けて、大東岳への登りにはいった。途中から視界が良くなり、大東岳山頂手前まで見えるようになった。山頂までは、2時間近くは掛かりそうだ。引き返しのタイムリミットを12時とした。
 ブナ林の中で、出来立てのようなウサギの足跡があった。よく見ると、木の根元の穴から足跡が始まっている。さてはこの穴で夜を過ごし、私の足音に気づいて今さっき逃げ出したようだ。穴は、ストックで少し掘ってみたところ、軽く2mはありそうで、おそらく地面まで掘って土の上で寝ていたようである。ウサギの足跡を追ってみたところ、いました。真っ白な体格のいいウサギが。ある程度の距離までくると、やはり逃げ出してしまった。山頂手前まで来ると斜度が強まり、濃い潅木帯になってきた。再度かんじき歩行に切り替えた。風も強くなり、だいぶ息が上がってきた。「またもや時間切れ撤退か」などと考えていたら、急に斜度がゆるくなり、山頂が見えた。11時45分、大東岳に到着した。
 風下側で滑降の準備にかかる。飯は下のブナ林まで下りてからである。コースは北西方向にとり、大行沢源頭の880m地点まで滑っていくことにする。ややクラストした潅木帯を抜けると、最高のパウダー斜面になってきた。登り返しのことなんかは考えられずに、一気に予定通りの880mまで滑り降りた。ここで昼ごはんとした。
 休憩の後、またスキーで登り返す。楽しみもあればそのぶん苦労もある。ただ黙々と登っていく。南面白山近くまで来ると、やっと天気が良くなり、大東岳や北面白山がばっちり見えてきた。太陽で光る霧氷も美しい。13時50分、南面白山に到着した。
 ここからはただ滑り降りるのみ。ただコース取りには注意しなければならない。1050m辺りから、東斜面に降りていった。ただここはけっこう急斜面であり、崖になっているところもある。崖と雪崩に注意してコースを選んでいったら、結果的に非常にいいコースを滑ることができた。スキー場の中腹で合流し、14時45分、面白山駅に到着した。

まずはなだらかなブナ林 1050m辺りはいい感じのブナ林
南面白山山頂 何も見えない ウサギの穴
白ウサギ発見 大東岳登頂
下りの斜面 顔なし君
やっと晴れてきた 南面白山への登り返し
今度はばっちり大東岳が見えた