会員の山行 091号

【2006年12月25日/白布峠・矢筈山(吾妻連峰)/吉田岳】

 今回のコースは、白布温泉より西吾妻スカイバレーをひたすら登って白布峠まで行き、そこから矢筈山をピストンしてくるというもの。スカイバレーを登っていくのには、ツーリング用のクロスカントリースキーを使用した。これは底面の中央部に波上の返しが付いてあり、またエッジもあるため、競技用の物よりははるかに滑りやすい。また山スキーと比べて、条件が良ければスピーディーに行動がとれ、かつ下りには不安定さゆえのスリルを味わえるという面白みもある。
 8時10分、スカイバレー旧料金所前の除雪止まりより登り始める。昨日スキーで下ってきたトレースが付いていたが。おそらく途中までのピストン山行で、行きのトレースは吹雪で消えたものと思われる。今日は一転、好天気である。9時20分、スキーを脱いでトンネル内を通過する。出入り口にはがっちりと雪の吹込みを押さえるあおりがされてあり、出入りが面倒であったが、かと言って外道は歩けないようだ。トンネルを抜けると、一面スノーモービルのトレースが付けられていた。福島側から大勢やってくるようだ。なんとなく情緒が失われた感じがした。
 10時20分、白布峠に到着。思ったより遠く、時間が掛かってしまった。小道を戻るような方向に入っていき、10分ほどで吾妻連峰への登山口に着いた。ここでスキーを脱いでかんじきに履き替えたが、今回はスノーシューでも良かったと少し後悔をした。ここから矢筈山への登山コースは、雪のせいもあるだろうが、藪や枝が生い茂り、分かりづらくなっていた。基本的に尾根道を行けばいいのだが、やはりコースをずれると歩きにくくなる。いくつかの小ピークを越え、12時矢筈山に到着した。ここから目の前に西大巓が見えるが、ここからピストンしてくるには、やはり3時間くらいかかりそうに思われた。今日はここまでである。
 お昼の後、登山口まで引き返す。所々で綺麗に吾妻連峰の峰々(西大巓から中大巓まで)が見晴らされた。また西側には飯豊連峰、北側に、蔵王・月山・朝日連峰、会津側に桧原湖が見られた。登山口でスキーを履き滑降を開始する。峠までは行かず、近道を取りスカイバレーへと降りた。滑降は期待以上に楽しめた。やはりクロカンゆえの不安定さが面白い。2時15分、駐車場にたどり着いた。

白布峠 左から中大巓・西吾妻・東大巓 東大巓を見上げる
眼下に桧原湖 遠くに飯豊連峰