会員の山行 176号

【2010年02月23日/龍ノ山/金野伸調査】

 以前から話に聞いていた氷筍洞窟を見に行く。氷筍は、洞窟内において氷点以上の天井から滴り落ちた雫が、氷点下の地面で瞬時に氷結することで発生する。このような条件に恵まれる珍しい洞窟が、飯豊連峰の南端部に位置する龍ノ山にある。
 喜多方市山都町の温泉施設「いいでのゆ」から弥平四郎方向に向かって車を走らせる。狭い道をしばらく行ったところの待避所が登り口である。斜面に多くのトレースが付いていたのですぐにわかった。車を停めて準備をしていると、マイクロバスがやって来た。地元の方では結構有名らしく、見学ツアーが頻繁に行われているようだ。「知る人ぞ知る秘境」のようなものをイメージして来たのだが、これには拍子抜けであった。
 洞窟までの道もカチカチに踏み固められており、かんじきすら不要であった。広い谷間の斜面を登り、1時間弱で龍ノ山山頂直下の鞍部に出る。そのまままっすぐ進み向かいの谷間を少し下るとすぐに洞窟である。洞窟内には大小さまざまな氷のタケノコが林立していた。ツアーのガイドさんの話では、このところは暖冬で、以前よりも小さくなっているとのこと。5年以上前だと1メートルを超えるものも多かったそうである。不思議な光景を十分楽しんだ後、龍ノ山山頂へ。飯豊連峰の眺めが良好であった。

待避所に車を停める
しっかり踏み固められた道
一つ目の洞窟
無数の氷筍
自然の芸術
少し下ると2つ目の洞窟
こちらの氷筍のほうが大きい(最大は1m弱)
正面は三国岳か