会員の山行 227号

【2011年09月23-24日/北アルプス:餓鬼岳、唐沢岳/木内茂雄調査】

【タイム】
(9/23)餓鬼岳登山口8:47〜8:55林道終点〜9:38紅葉橋〜10:09魚止滝10:17〜12:32大凪山12:55〜14:47三十分標識〜15:02十分標識〜15:18餓鬼岳小屋
(9/24)餓鬼岳小屋5:26〜5:32餓鬼岳5:36〜5:48餓鬼岳小屋への近道分岐〜展望台〜8:07唐沢岳8:30〜10:09展望台手前の最低鞍部10:18〜10:42展望台〜10:57餓鬼岳小屋への近道分岐〜11:10餓鬼岳小屋12:00〜12:09十分標識〜12:18三十分標識〜13:45大凪山13:53〜14:20急なガレ場下〜15:06最終水場標識〜15:35魚止滝〜16:01紅葉滝〜16:37林道終点〜16:45餓鬼岳登山口
【記 録】
(9/23)
 過去に北アルプスの主峰は数回ずつ登っているが、脇の山で一度も登っていない山が幾つか有る。その一つの餓鬼岳と唐沢岳を選んだ。ガキと言うので簡単だろうと考えて居たが、登ってみると、とんでもない、大人の山であった。
地図をよく見たら、白沢登山口の標高が993mで、標高差1650mに気付き頷ける。
 登山口には簡易トイレが有り、此処までタクシーが来るとある。道は左右に分岐し、標識通り左の少し荒れ気味の林道を8分登ると軽自動車が1台止まっている。方向転回を考えると、二,三台しか止められない。此処から左側登山道に入る。緩やかな下りから、やがて、緩やかな登りになり、左の白沢出る。そして、木の橋を右岸に渡る。それから、大水が出れば流されそうな橋も有り、高巻きも有り数回左岸に渡るが、基本的には右岸を登る。
 歩きながら、白沢の名前の由来を考えてみると、足元は花崗岩の小砂利で、川底も花崗岩らしいナメも有り、全体的に白い風情なので、此の辺りから名付けられたのだろうと想定する。花の時期はもう終わりだが、沢近くで白く可愛いい花が咲いている。あとで調べたら、シラヒゲ草と判る。
 紅葉滝、大きな魚止滝、そして、最終水場標識を過ぎてから、次第に白沢から離れ、急な登りとなる。途中、急なガレ場も有り、大凪山への長い登りとなる。
 大凪山山頂は平で、笹とオオシラビソの中で見晴らしは利かない。この先は名前の如くなだらかな登りが続き、そして、又、急な登りとなる。やがて、"百曲がり"と言われるジグザグ道を登って行くと、前方、左が稜線の様に見え、目的地は近いと期待する。しかし、其処に着いてみると、左足元に古びた標識が有り、"30分"と記されている。此の頃から辺りの風景は、オオシラビソから岳樺に変っている。また、何処かでチングルマの種を見つける。
 大分高度を稼ぎ、振り返れば大町市街が見える頃、"10分"の標識が出る。此の後、道は左にトラバースする様になるが、なかなか着かない。10分どころでなく、16分かかり、やっと餓鬼岳小屋に飛び出る。右上を見上げると、餓鬼岳山頂がよく見える。
 餓鬼岳小屋は大分古く、食堂兼寝る場所になっている。21名の団体が入っているとのことで、別棟のプレハブで1畳分は確保出来た。寝る場所の準備をしてから、外に出て、快晴になった夕景色を撮っていたら、たちまち、手が凍えてしまった。先程、雪がちらついたが、かなり冷えている。小屋の中に入りストーブで暖めたがなかなか感覚がもどらない。そして、配膳されていく食事を勘定してみると、50名近くの分が準備されている。夜中、起きて外に出て見ると、満天の星と、三日月になりかけの月、そして、下界を見下ろせば、大町辺りの灯りがよく見える。
(9/24)
 朝は快晴で八ヶ岳、南アルプス、その間には富士山も見える。早々に食事を済ませ、日の出を見ながら、霜を踏んで餓鬼岳山頂を目指す。山頂からは360度の景色で、山々が全部見える。雲海に浮かぶ志賀高原、浅間山、富士山、南アルプス、そして、北アルプスは燕岳、その後ろには穂高岳、槍ヶ岳、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、赤牛岳、烏帽子岳、立山、剣岳、鹿島槍ヶ岳、遠くには白馬岳、笠ケ岳の頭と、書き切れない。
 "要は全部見える。"文句の無い天気と景色、写真を何回も撮る!!!!!!
 そして、唐沢岳へと向かう。10分も下ると左に餓鬼岳小屋方面近道の標識が有る。其処を直進して行くと、やがて、見晴らしが良くなり、道は分岐している。1分直進すると展望台らしく見晴らしが良く、傍らにはロープが張られている。よく見ると花の終わったコマクサが保護されている。1分戻り、一気に下る。向こうにはピークが二つ有り、その向こうに唐沢岳の岩山が見える。見晴らしの良い下りを15分も下ったろうか(帰りの登りは24分であった)オオシラビソの林に入る。
 道はハッキリしているが、笹、雑木、シャクナゲ等が背丈も有り、夏とか雨の時は雨具で完全装備しないと、ずぶ濡れだろう。又平らな所に小さなお花畑がありそうだ。
 途中、2箇所位、緊張する場所を慎重に進み、やがて、目の前が唐沢岳の岩山になる。遠目にその岩山の右壁面を登ると予想していたが、近付いてみると、左に巻いて少し下ってから、右に登り、平になる。山頂はもう其処だが、岩場で1箇所緊張する所を通過して、少し痩せた岩を行くと、狭い唐沢岳山頂になる。風の強い時は、かなりの注意が必要である。
 山頂からは当然360度のパノラマの景色で、追加するとすれば高瀬ダム、七倉ダム、黒部ダムが見下ろせ、振り返れば餓鬼岳が見える。
  ユックリと景色を満喫してから、今来た道を引き返す。そして、餓鬼岳小屋から、白沢へと一気に下るつもりだったが、遠かった。
 それから、登山客が意外に多いのに驚いた。

登山口
登山口駐車場風景
林道終点の標識
白沢を見下ろす
木橋を振り返る
シラヒゲ草
紅葉滝標識
紅葉滝
紅葉滝を見下ろす
紅葉滝を高巻く
木橋を渡る
魚止ノ滝標識
魚止ノ滝
滝の脇に木橋
大凪山山頂標識
大凪山山頂風景
30分の標識
10分の標識
チングルマの葉
餓鬼岳小屋標識
餓鬼岳小屋
餓鬼岳小屋前のナナカマドの実
中央遠く烏帽子岳を望む
剣ズリが見え始める
餓鬼岳を望む
大町市外を見下ろす
夕方晴れて左餓鬼岳右下大町市外
燕方面も晴れた
遠く双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽だけを望む
夕食
夕焼け
テント場と燕岳方面を望む
朝焼け、左から八ヶ岳、富士山、南アルプス
朝焼けの富士山
燕岳の後ろに槍、穂高が見える
朝焼けの浅間山

続く ⇒