会員の山行 299号

【2011年10月22-23日/巻機山(井戸尾根往復)/佐々木大樹調査】

【メンバー】
 加賀谷亮・佐々木大樹
【概略】
 30年近く植生復元等の作業を行い、現在飯豊や朝日の保全作業で使用している緑化ネットを先駆的に使用して効果を実証してきた巻機山の植生復元地の視察に行ってきました。
 桜坂駐車場から登り、施工個所は前巻機山の下部から始まります。前巻機山下部では、登山道利用によって大規模に土砂が流出して、それを止めるために丸太による土留めを緑化ネットを敷設していました。コケ類が優先的に繁茂していました。また、廃材の丸太をマルチング材(裸部表面を緑化の為に覆う)として使用している様子でした。播種も行っているようです。
 避難小屋近くでは、木道に加え緑化ネットを敷設していました。木道は新しく、昨年と去年に設置した様子です。避難小屋の中にはおなじみの緑化ネットがあり、バイオトイレもありました。
 避難小屋から稜線の間は、丸太をマルチング材として使用。施工何年目か分かりませんが、効果の高さが分かります。稜線の間は、飯豊と同じような雪田植生の裸地が進行してたようですが、場所によっては以前の裸地部がどこか分からないくらいに回復していました。将来、飯豊や朝日の30年後もこのようになることを期待します。

桜坂駐車場
焼松(五合目)付近のブナ林が見事
前巻機山の下部から施工個所が始まる
丸太筋工(木土留め)後に緑化ネットを敷設している
土留めによって土砂流出を防ぎ、その後に緑化ネットを敷いているようだ
植生復元中の表示
コケ類が優勢して繁茂している
イネ科などはこれから繁茂するのかもしれない
階段の廃材の丸太を敷いてマルチング効果を狙っているようだ
播種もしている様子
前巻機山〜避難小屋の間 木道プラス緑化ネット
木道も痛むので新しく付け変えている様子
巻機山避難小屋
中に緑化ネットがあった
バイオトイレ
頼母木小屋と全く同じ表示である
避難小屋〜稜線の間 こちらも丸太をマルチング材として使用している
敷設後10年経たないくらいと思うが、良好に緑化している
巻機山々頂
牛ヶ岳方面に向かう 木道の周りはかつて完全に裸地化していたそうだ
施工後30年近く 今ではほぼ完全に回復している
雪田植生での裸地と植生部の段差はまだ残っている
いずれ段差も消えるのだろうか
天狗の庭もいずれこれくらい生えてくるでしょう
これからの飯豊に期待です
飯豊にはない植物が繁茂している
これからが楽しみです
割引岳