会員の山行 262号

【2012年10月14日/谷川岳(幽ノ沢中央ルンゼ)/吉田岳調査】

【タイム】
 谷川ロープウェー駅04:40-一ノ倉出合05:25-幽ノ沢出合05:45-中央ルンゼ取付き07:00-終了点10:00-中央壁の頭10:15-堅炭尾根10:45-芝倉沢12:00-ロープウェー駅着13:30
【概 要】
 雨で2度も順延になっていた谷川岳登攀にやっと行ってくる事ができた。今回のルートは幽ノ沢を遡上し、左股をしばし入ってから現れる中央ルンゼ。ルンゼとは言っても実質はスラブとフェースのルートとのこと。終了点からは尾根を登り堅炭尾根コースを下りてくる。マイカー規制があるため、ロープウェー乗り場から幽ノ沢までの林道歩きを往復しなければならないが、ここは登っておかなければならない1本であり、また冬の幽ノ沢山行の偵察も兼ねての登攀となった。
 前日の夕方6時前に小国を出発し、10時前にロープウェー駐車場に到着。雨は夕方まで降っていたようで、濡れると滑りやすくなる幽ノ沢に多少の不安が残った。そのまま車中泊。
 14日4時起床。クライマーはそれなりにいるようだった。林道歩きを順調にこなし、幽ノ沢出合を通過。沢に入ってからは渓流足袋に履き替える。取付き点までの沢歩きも岩場が多く現れ、足場が滑りそうで結構緊張感があった。沢を詰めていくと右手に目指す岸壁が現れてきた。取付き点にてクライミングも準備を行う。すると脇からベテラン風のクライマー組が現れた。彼らが沢を高巻きしている間に我々が追い抜いたようである。なにはともあれ、下に人がいると落石にも要注意になるため、緊張感が増すことになる。
 まずはⅣ級の小ハングをWKBがリードでスタート。簡単そうに見えたが、ホールドが悪く、支点も少ない。やはり支点が少なくて有名な幽ノ沢、技術よりも緊張感との戦いになりそうである。2Pはスラブをリ-ド。50m一杯でリングボルト1本を見つけ、ハーケンを打ち足しビレー。3Pも50m一杯で中途半端な残置ハーケン1本でビレー。ただこの5m先にはそれなりのビレー点があった。核心の大ハング下まで来たが、ここからはトラバースになってロープが屈曲するためダブルロープにすれば良かったのだが、そのままロープ1本で4P目をスタートしてしまった。ここは大胆な動きが必要になる場所なのだが、少ない支点と落石の心配と重いロープで、残念ながら思うような動きをすることができなかった。核心のフェースに少し折り返した所でビレー。ここは人工登攀の場所でもあるためさすがに支点がある。核心の最後の5P目をWKBが決め、6P目のⅢ級スラブを登った所でクライミング終了。
 トレッキングシューズに履き替え、40分ほど尾根を登り詰めて堅炭尾根に合流。ここは一般コースとなっているが、かなり滑りやすくて相変わらず歩きにくい道である。予定よりもだいぶ早い13時半に駐車場に到着した。秋晴れの下クライミングを楽しむ事ができたが、AXLとしてはクライミングの力不足を思い知らされてしまった。WKBは始めてのⅣ級リードをこなして自信がついたようだ。ルートを覚えたので、自信を持って再度トライしたいコースである。
幽ノ沢の岸壁が見えてきた
幽ノ沢遡行に入る
綺麗なナメ岩
二股を左へ
もうすぐ中央ルンゼ
クライミングルート
核心部へ向かう
ハンギングビレーで確保
高度感が出てきました
最後の仕上げです
終了点にて
一ノ倉岳に伸びる堅炭尾根
湯檜曽川を見下ろす

 おわり